ほぼ底値域に達した初代A3スポーツバックに注目
プレミアムコンパクトハッチバックとなるアウディ A3の5ドアバージョンとして、2004年10月に日本での発売がスタートしたA3スポーツバック。ここのところ中古車流通量が増加し相場が下がってきたシリーズ2代目となる現行型に注目が集まっているが、まだ予算100万円では手が届かないのが現状。その裏で、初代はほぼ底値域に達しており、予算100万円でも美味しい物件が見つけやすくなっている。そんな初代を振り返りつつ、狙い目モデルを探ってみた。
大きな節目となった2008年9月のマイナーチェンジ
クーペとステーションワゴンの中間的なイメージをもった5ドアハッチバックとして登場した初代A3スポーツバック。デビュー当初は、2Lと3.2LのNA、そしてTFSIと名付けられ2L直噴ターボの3タイプのエンジンが用意されていたが、後に1.8Lターボが追加された。
さらに、2008年9月に行われたマイナーチェンジ以降は、1.4L、1.8L、2Lの3タイプのTFSIエンジンに再編された。同時にSトロニックと呼ばれる新しいトランスミッションを全モデルに採用することで、低燃費と高性能をより高い次元で両立させている。
マイナーチェンジ前は3.2L車に採用されていた4WDシステム「クワトロ」は、後期型から2L車に変更されている。また、エクステリアではフロントグリルまわりのデザインが変更された他、ヘッドランプに7個のLEDで構成されたポジショニングランプを内蔵するなど、より現行型に近い雰囲気をまとっているのが特徴だ。
メリットの多い後期型が流通量の7割近くを占める
中古車流通量は170台前後と少なめだが、その7割近くが予算100万円圏内に収まっている。最安値帯も総額40万円前後の水準まで下がっており、相場はおおむね底値域に達していると見てよいだろう。
しかも、現時点では修復歴車が少なく、走行距離10万km超の物件が占める割合も非常に低いため、流通量が少ない割には低予算でも選びやすい状況が整っている。まさに、絶好の買い時と言える。
また、後期型が流通量全体のおよそ7割を占めているのもポイント。というのも、2004年10月~2008年8月までの前期型は、初度登録から13年以上経過しているため、各種税金の重課対象となるからだ。性能がアップし、ルックスもより現行型に近くなっただけでなく、税金面でも有利な後期型が選びやすいのは、初代A3スポーツバックの大きな魅力だ。
1.4 TFSIはエントリーグレードながら満足度は高い
そんな初代A3スポーツバックを予算100万円で狙う際の本命候補は、ズバリ、後期型から新たに設定された1.4TFSI。もろもろメリットの多い後期型であるだけではなく、他のグレードより抜きんでて予算100万円圏内での選択肢が多いのがその理由だ。
エンジン排気量はモデル内最小となる1.4Lだが、直噴ターボと7速Sトロニックの組み合わせで、キビキビした走りと低燃費を実現。エントリーグレードではあるものの、新車時価格300万円前後だったこともあり上質感はハイレベル。しかも、走行距離5万km前後の物件も見つけやすい、というれしいおまけまで付いている。
総額100万円以内で後期型A3スポーツバックの「1.4 TFSI」を探してみる 街乗りメインなら1.4 TFSIでも十分だが、ロングドライブやスポーティな走りに応えるパワフルさが欲しいなら、後期型の1.8 TFSIにも注目。1.4 TFSIよりかなり選択肢は狭まるが、タイミングが良ければ走行距離6万km台の物件がヒットする。
総額100万円以内で後期型A3スポーツバックの「1.8TFSI」を探してみる アウディの革新的なテクノロジーの代名詞的存在である4WDシステム「クワトロ」採用モデルは、残念ながら予算100万円圏内ではかなりレアな存在。どうしても「クワトロ」にこだわるなら、時間をかけてじっくり探すべし。ただし、条件に合う後期型の2.0 TFSIクワトロが見つかったら、即断即決できるよう心の準備は忘れずに!
総額100万円以内で後期型A3スポーツバックの「2.0 TFSIクワトロ」を探してみる 文/中野剛、写真/アウディ総額100万円以内でアウディ A3スポーツバック(初代)を探す▼検索条件アウディ A3スポーツバック(初代)×総額100万円以下×全国
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