ライバルが敵わないほどの人気を誇ったハイソカー
一時期には一世を風靡するほど街でよく見かけたモデルであっても、気がつくとまったくお目にかかることがなくなったクルマがあります。嫌になるほど目についたクルマも、忘れ去られるのは一瞬。忘れてしまうのは寂しくも勿体ないと、ここではそんな時代を象徴するような人気モデルに焦点を当ててみたいと思います。今回はハイソなデートカーとして絶大な人気を博したトヨタ「ソアラ」に思いを馳せ、どのようなモデルだったのかを紹介していきましょう。
トヨタ「ソアラ」にR32「GT-R」のエンジンと室内装備を移植! 目指したのは漫画『シャコタン☆ブギ』のハジメちゃん仕様でした
若者を中心にハイソなデートカーとしても絶大なる人気を得る
今から40年ほど前の1980年代は、日本車が大躍進した時代でもあった。とくに若者から大人までを熱狂させた高級なパーソナルカーが続々と登場。そのきっかけとなったのが、1980年にデビューした日産「レパード」、そして日本車の歴史に深く刻まれた、トヨタ初の高級パーソナルカー/ハイソカーの象徴とも言われるZ10型トヨタ「ソアラ」が1981年にデビューしている。
ソアラは当時のBMW「6シリーズ」やメルセデス・ベンツ「SLクラス」などの欧州GTを目指していたとも言われ、グレードにも2800GT、3.0GTリミテッドといった名前が付けられていたのである。駆動方式はもちろんFR。サスペンションは全グレードともに四輪独立懸架でフロントストラット、リアセミトレーリングアームとし、上級グレードのブレーキは4輪ディスクであった。2.8GT、2.8GTリミテッドには、TEMSと呼ばれる電子制御サスペンションが採用され、まさにトヨタの最先端技術を惜しみなく投入していたのである。
そんなソアラはバブル期前という時代に大ヒット。前期型のボディサイズは全長4675mm×全幅1695mm×全高1360mm。ロングノーズ、ショートデッキの2ドアノッチバッククーペであり、とくにスーパーホワイトのボディカラーの人気がダントツであり、「白いソアラ」は若者を中心にハイソなデートカーとしても絶大なる人気を得ることになったのである。
初代日産レパードや初代ホンダ レジェンドも敵わなかった
パワーユニットはレパードが4気筒と6気筒の2本立てだったのに対して、ソアラは全車直列6気筒で、VXは2L OHC/125ps(1G-EU)、2800GTと2800GT-EXTRAは2.8L DOHC/170ps(5M-GEU)ユニットを搭載。ミッションは4ATと5MTが選べた。1985年には2.8Lユニットが6M-GEUの3L DOHC、190psに置き換えられている。2.8L以上もモデルの動力性能がパワフルであったことは言うまでもなく、当時のチューニングベース車の花形の1台となったのも頷ける。
その空前の人気、ハイソカーブームの盛り上がりもさることながら、クルマとしての完成度の高さ、先進技術の投入、ラグジュアリーなインテリア、世界初とも言われたデジタルスピードメーター、バーグラフ式タコメーター、マイコン制御のオートエアコンなどの「未体験ゾーン」となる先進的な装備の充実度、イメージカラーのブロンズに合わせたブロンズガラスの採用もあって、第2回・1981-1982年日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。
2800GTの価格は275万円(東京地区)と、当時の国産車としては高価だったものの、しかし、まったく手の届かない価格ではなく、多くのソアラに熱狂した若者が親に買ってもらったり(?)、長期ローンを組んでこぞって手に入れたのである。当然、ハイソな女子大生からの人気が沸騰。「泣く女子も笑顔にできる」国産車史上最強のデートカーにもなったのである。なお、当時の国産ライバルとしては、初代日産「レパード」のほか、初代ホンダ「レジェンド ハードトップ」などが存在したが、ソアラ人気に敵うことはなかった。
走りのプロをも唸らせる加速力の持ち主
1983年には後期型となる初のマイナーチェンジが行われ、内外装の変更をはじめ、2L DOHCエンジンを投入。1984年には国産車悲願のドアミラー解禁によって、全車ともに電動調整式ドアミラーが装備されることになった。初代ソアラの最終型となる1985年モデルでは、ソアラの象徴ともいえるエレクトロマルチビジョン(3.0GTリミテッド)も搭載され(1986年デビューのZ20 2代目ソアラに引き継がれた)、初代でもっともソアラらしいソアラ……とも称されていた。
そんなトヨタ ソアラはバブル前夜の1986年にキープコンセプトの2代目に進化。初代の人気から、キープコンセプトは当然のことだが、乗降性を高める画期的なイージーアクセスドアの採用や前後サスペンションをダブルウィッシュボーンとするなど、走りへのこだわりも一層強くなった2代目ソアラは、3L直6ターボエンジンを積む3.0GTリミテッドでは230ps/33.0kg-mの走行性能で海外でも通用する、走りのプロをも唸らせる加速力の持ち主であり、初代同様の大ヒット作となったのである。
3代目は主に北米のレクサスブランド向け
ちなみに1991年デビューの3代目は主に北米のレクサスブランド向けに開発されたため、初代、2代目のエクステリアデザインとは決別。海外ではレクサス初代「SC」と呼ばれているが、日本での人気は振るわなかった。4代目はマイアミのセレブマダム向け(?)を謳う電動格納式ハードトップのコンバーチブル(2+2シート)となった。2005年に国内でもソアラからレクサスSCとなり、ソアラの車名はここで途絶えることになった。
とはいえ、今から43年前にデビューした初代ソアラ、39年前にデビューした2代目ソアラのハイソカーとしてのカッコよさは、今でも決して古さを感じさせない、伝説の日本車史上に残るスペシャルティカーと言っていい。それもあって、中古車価格はプレミアムとなり、2代目が中心となるが、200~300万円の値付けの個体も見受けられる(基本的に保証なし)。ある中古車サイトを検索してみたら、走行2.5万km、スーパーホワイトのフルオリジナルの3.0GTリミテッドで399.3万円で販売されている個体もあった。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
【あ、ヤバい!】ニューオーナーへのデリバリーでリフトアップ中に荷台から転げ落ちてしまったランボルギーニ ディアブロ 果たしてその結末は?
いよいよ!「日本一デカい交差点 立体化」通行方法が発表 「計16車線」って一体どーなるの!?
約1500万円! トヨタ超高級ミニバン「“4人乗り”アルファード」発表に反響殺到!「こりゃ買えん!」「レクサスより高い!?」「廉価グレードが3台買える…」と騒然! 一方で「こういうクルマは夢がある」と盛り上がる声も
人生の大半をトラック車内で過ごす長距離デコトラドライバーは快適化に余念なし! 「出窓」と「背抜き」が人気の改造だった
トヨタ新「アルファード/ヴェルファイア」のエアロ仕様に反響多数!「メッキ使い豪華すぎ!」「派手すぎないバランス」の声が! 見た目がすごかった
「ワザとノロノロ運転」は違反になる? 過去には「10キロおじさん事件」、最近では「岡崎の妨害運転」も… 後ろのクルマ「通せんぼ行為」 法律ではどう書いてあるのか
「隠れて取り締まりとか……捕まえるのが目的じゃん」とか言うまえにSNSをチェック! 警察の取り締まりは結構堂々と情報公開されていた
渋滞25km!? 東名高速「地獄の年末年始渋滞」どの日が一番ヤバい? 狙い目「スムーズ時間帯」が快適すぎる!? 「頭のいい」帰省&Uターンラッシュの方法とは
業績悪化の日産とホンダ主導で統合協議、三部社長は「日産救済」を否定[新聞ウォッチ]
ボーナスセールなんて過去のもの! 値引きもほとんど変化なし! いま新車販売は「お買い得時期」が存在しない状況だった
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
好景気も後押しして若者はムリしてでも「女子ウケ」するクルマを買った、「アッシー君」と呼ばれる事も…あったけど、自慢の愛車のハンドルを握る、洗車やドレスアップに精を出すだけでも幸せだったなぁ……もうあんな時代は来ない…