イタリア車らしい魅力と希少性
コンパクト・オープン2シーターの分野で、揺るがない功績を築き上げたマツダMX-5(ロードスター)。現在までに4世代の進化を重ね、他を凌駕するドライビング・プレジャーを提供し続けている。
【画像】オープンドライブの喜び フィアット・バルケッタ X1/9とクーペフィアット 最新500eも 全118枚
ただし、唯一といえる弱点がある。それは、珍しくないということ。既にマツダは、100万台以上のロードスターを世界中に送り届けている。素晴らしいことなのだが。
周囲のドライバーと違うクルマが良い、と強く願うなら、フィアット・バルケッタはいかがだろう。ロードスターより間違いなく珍しく、イタリア車らしい魅力もある。
喜ばしくない事実だが、機械としての寿命が短く、多くが姿を消してしまった。サーキットやワインディングの駐車場で、自分と同じクルマが何台もいる、という状況にはなりにくいはず。コダワリ派からは避けられがちな、前輪駆動ではあるけれど。
右ハンドル車は提供されなかったが、左ハンドル車なら路肩を走る自転車やランナーを発見しやすい。ナンバー読み取り式の駐車場やETCなどが普及し、チケットの受け取りに手を焼く機会も減っている。スタイリッシュでありながら、お値段もお手頃だ。
新車時代をご存知の読者なら、ベース車両が当時のフィアット・プントであることをご存知かもしれない。コンパクト・ハッチバックがベースと聞いて、落胆しないで欲しい。ウーノ程ではなくても、プントもかなり走りに優れていた。
他では得難いオープンドライブの喜び
バルケッタが登場したのは、初代ロードスターの発表から5年後の1995年。フィアット・ディーラーから英国でも販売されたが、並行輸入で安い欧州仕様が上陸し、そちらの方が人気は高かった。
ボディサイドでは、つままれたようなキャラクターラインがカーブを描く。ドアハンドルには、高級感のあるアルミが用いられている。
2003年にマイナーチェンジされ、フロントノーズを中心にリフレッシュ。フォグライトやレザー巻きのステアリングホイールなどを獲得している。英国価格も大幅に引き下げられた。ただし容姿の美しさが影響し、前期型の方が中古車での人気は高い。
エンジンは、自然吸気の1.8L 4気筒ガソリン。可変カムシャフト・タイミング・システムを採用し、最高出力は130psを発揮した。車重は1060kgと軽量で、0-100km/h加速は8.6秒とまずまずの勢いを披露する。
パワーステアリングとパワーウインドウが標準装備され、トランスミッションは5速マニュアル。ソフトトップの開閉は手動で、稀に雨が侵入することがある。
英国仕様のオプションとして用意されたのが、コンフォート・パッケージ。内装がレザーで仕立てられ、パワーミラーや助手席側のエアバックなどが追加された。
バルケッタは、陽気で爽快。ロードスターやトヨタMR-2のように流暢な操縦性を獲得していないとしても、ソフトトップを開け放ち、太陽の光を浴びながらカーブの連続する道を運転すれば、他のモデルでは得難い喜びへ安価に浸れるはずだ。
新車時代のAUTOCARの評価は
2代目ロータス・エラン(M100型)などとも異なる、落ち着いた性格を備えたオープンカーだ。運転する距離が増える毎に、印象はプラスへ転じていく。スタイリング重視なのではないか、という当初の疑念を走りで払拭してくれる。
ステアリングはロックトゥロック2.5回転とクイックで、感触も豊か。実際に乗ってみれば、信じられないほど鋭く安定してコーナリングすることへ驚くはず。
グリップ力が高く、熟成された身のこなしは、プントがベースだということを忘れさせる。インテリアも洗練されている。深い位置に埋め込まれた、白い文字盤のメーターも好ましい。(1995年3月1日)
専門家の意見を聞いてみる
ポール・デ・トゥリス氏(DTRスポーツカー社)
「バルケッタの場合、走行距離が短く状態が良い例を中心に扱っています。弊社では、ボディパネルなどのストックを多数保有しているだけでなく、多くの修理用部品を開発してもいます」
「最近は価値が上昇中。特にフェイスリフト前のバルケッタは、かなりの金額で取引されるようになってきました。それでも、走行距離とコンディションが重視されることに変わりはありません」
「車庫に保管されてきたような例は、見た目がまったく違います。初期のバルケッタは、1万ポンド(約181万円)を超えることも珍しくありません。それでも、整備履歴やボディのサビなど丁寧な確認は不可欠。楽しめる投資になるかもしれません」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
バルケッタの弱点の1つとして認識されているのが、バルブタイミング・バリエーターと呼ばれる小さな部品。特に1999年以前の初期型ではカーボンが蓄積し、固着したり焼き付くことがある。
これが不調になると、ディーゼルエンジンのように大きなノイズを放ちだす。回転が安定しなくなり、燃費も大幅に悪化する。2回目のタイミングベルト交換が来たら、バルブタイミング・バリエーターも一緒に交換したい。
カムカバーのガスケットは、タイミングベルトの交換時にボルトを締めすぎると、変形しオイル漏れする場合がある。締め付けトルクを守りたい。
ソフトトップ
1996年以前に製造されたバルケッタでは、ソフトトップ・フレームを正しく折りたたまないと、カンバスが破れることがある。樹脂製のリアウインドウは、冷間時の開閉で割れることも。
サイドウインドウの上端や後部の状態もチェックポイント。雨水を遮断するシール材の状態も確かめたい。フロア部分に雨水が溜まることがある。
ボディ
初期型のボンネットに用いられたスチール材は肉薄で、強めに押すと簡単に凹んでしまう。リアのホイールアーチ付近や、シャシーのアンダーシールの裏側、ジャッキアップ・ポイント、サイドシル周辺などにサビがないか確かめる。
塗装は弱く、剥がれやすい。腐食や事故などで、ボディパネルが交換されていることも。部分的に再塗装された形跡がないか観察する。くたびれた状態のクルマを納得できる水準へ戻すには、小さくないコストが必要になる。
インテリア
パワーウインドウの動きを確かめる。純正のマスターキーが付いていることが重要。
知っておくべきこと
エンジンなどメカニズム系の部品は入手しやすい一方、ボディパネルやライト類は品薄。価格も高い。特にリアフェンダーはほぼ出てこない。英国の専門ショップでは、独自に製作しているところもある。
1995年から1998年にかけて、英国ではリミテッド・エディション(LE)が提供されていた。こちらには、アルミホイールとレザー内装が与えられていた。他にも、リビエラやミラノといった限定仕様も存在した。
英国ではいくら払うべき?
3000ポンド(約54万円)~4999ポンド(約89万円)
注意するべきポイントをおさえれば、英国ではお値打ち価格のバルケッタと出会えることも。ある程度の修理費用は準備しておきたいが、悪くない状態の例は少なくない。
5000ポンド(約90万円)~1万1000ポンド(約199万円)
ボディに殆どサビのない、走行距離が8万kmを切るようなバルケッタを英国では探せる。後期型の特別仕様車も出てくる。
英国で掘り出し物を発見
フィアット・バルケッタ 1.8 LE リミテッド エディション 登録:2001年 走行距離:13万6700km 価格:3795ポンド(約68万円)
過去5オーナーのバルケッタ。売り手は、ほぼ完璧な整備記録が残り、メタリックシルバーのボディは美しく磨かれ艶があると主張する。ブラックのレザー内装にイモビライザー、集中ドアロック、ブルートゥース付きのデジタルラジオ・デッキなどが備わる。
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