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見た目や雰囲気で選ぶと後悔も! 大人気のスズキ・ジムニーは結局「誰向き」か?

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見た目や雰囲気で選ぶと後悔も! 大人気のスズキ・ジムニーは結局「誰向き」か?

 街乗り基本でたまに雪道程度ならハスラーのほうが満足度は高い

 ボクの知り合いで「ジムニー女子」がいる。普段はIT関係の仕事をしていて、バリッとしたスーツ姿だが、休日はアウトドアファッションで決め、趣味のカメラを携え、山に出掛けるのが趣味だそうだ。そう、「ジムニー女子」兼「山ガール」だったりする。

4代目がバカ売れ中! スズキ・ジムニーは何がそんなにスゴイのか?

 そんな彼女は先代ジムニーから新型に乗り継いだばかりだが、ちょっとした裏話がある。つまり、スズキ車のファンであると同時に、普段、都会ではハスラーに乗っていて、ジムニーは山深い実家に置いてある2台持ちなのである。

 ジムニーは歴代、プロ指向のクルマとも言われている。メルセデスベンツのゲレンデバーゲン、Gクラスに匹敵する、小さな存在感があり、悪路走破性は上級本格クロカンに匹敵、いや、ポツンと一軒家のような、激狭な道なき道の先に住んでいる人にとっては、幅広のクロカンよりもはるかに頼りになる四輪駆動車だ。

 都会の使用でファッションとして選んだとしたら、ジムニーのなかでは歴代最上の乗り心地を得たとしても、やはりハスラーのほうが現実的で、乗り心地、動力性能、高速走行性能などにおいて優位。後席の居住性などを含めても、ファミリーカーとしてはかなりきびしい選択だ。

 では、ジムニーを買って幸せになれるユーザーはどんな人たちなのか。まずは、当たり前だが、周囲が未舗装路、悪路ばかりの地域で仕事をしているプロの人たち、そして、ポツンと一軒家を含む積雪地のユーザーである。ジムニーは大中型クロカンにくらべ軽量でコンパクト(とくに車幅の狭さが場面によって威力を発揮)だから、積雪路での走りやすさは抜群だ。

 とはいえ、ハスラーだって「雪国のスズキ・ユーザーのリクエストに応えて開発した」という経緯があるぐらいで、除雪がしっかり行われる地域の人にとってはハスラーなどの4WDがあれば十分とも言える。やはり、除雪が行き届かない場所を走る機会が多いユーザーにうってつけとなる。

 とはいえ、都会に住んでいる人にとっても、ジムニーが威力を発揮してくれるライフスタイルがある。そう、積雪地に別荘を持っている(あるいは頻繁に訪れる実家がある)ケースだ。冒頭の「ジムニー女子」「山ガール」のような適材適所使い方である。あるいは、これからジムニーが威力を発揮するであろう一歩先へ踏み込むアドベンチャードライブの世界に挑戦したいと思っている人が、その準備として手に入れるのもいいだろう。ジムニーが手元にあれば、その目標、気持ちが一気に加速することうけあいだ。 

 都会生活ながら、はるか遠くの極悪路、雪深い場所に出掛ける機会が多いというなら、個人的には「高速走行や乗り心地にもこだわり、タイヤサイズをチョイスした」という、動力性能にも余裕があり、乗り心地もなかなかのジムニー・シエラがベターではあるのだが……。

 結論としては、ジムニーは見た目の魅力で何も考えずに買ってはいけない特殊性のあるクルマだということ。そもそも、小さく、かわいく、カッコ良く見えても、基本はヘビーデューティかつ過酷な条件下での使用を目的、用途とした本格クロカンであり、いかに最新型でも、ハスラーのような乗用車から乗り換えれば、とくに快適性などで不満が出る可能性がある。

 ちなみにボクは将来、大好きな軽井沢あたりに移住しようと思っているのだが、土地が買えるのは軽井沢といっても、当然、道幅激狭な、かなり奥地(安いという意味)になりそうだ。そうなったときに、冬は白銀の世界になるためSUV、4WDは不可欠だが、大中型ではなく、迷わずリゾート地に似合い、夏の緑に映えるシフォンアイボリーメタリック×ブラック2トーンルーフのジムニーを選ぶと思う。全幅1475mmのナローな車幅は、夏、プリンス通りを中心とした観光客の大渋滞を避けた裏道をスイスイ走るにも適しているからでもある。

 仕事でコンパクトなクロカンが必用、あるいは悪路マニアの人以外でも、そうした移住プランに組み込む、走破性能がもたらす“夢ある”使い方もなかなかだと思っている。都会だけで使うジムニーは、宝の持ち腐れになりかねない。街中で近所しか走らない使い方では、それはもう、もったいなさすぎる……。パジェロ・ミニなきあと、誰もマネできない日本車の永遠の“宝”というべき1台がジムニーだ。ジムニーをジムニーとして使いこなせる人にこそ、乗ってもらいたい。

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