東芝インフラシステムズが製造した鉄道用電気品が東海旅客鉄道(JR東海)の東海道新幹線新型車両「N700S」に採用された。採用されたのは、同社の独自技術を使った自走用バッテリー装置、電源装置に加え、SiC素子を使用した主変換装置、車両伝送システム、保安装置等で、40編成の車両に納品予定。
N700Sは13年ぶりのフルモデルチェンジとなる新幹線車両で、安全性、安定性、快適性、環境性能その全てを最高レベルで利用客に提供することを目指して開発された。東芝インフラシステムズは、東芝グループのリチウムイオン二次電池「SCiB」を用いて東芝とJR東海が共同開発したバッテリー自走システムを納入。2018年に納入したN700S確認試験車と比べて2倍の電池容量を搭載し、自走可能距離の機能向上を実現している。これにより、長時間停電時にも、乗客の避難が容易な場所までの自力走行が可能となり、新幹線の安全性に大きく貢献した。また一部トイレへの電源供給が可能だ。車両の全席モバイル用コンセントに対応でき、かつバッテリーシステムに充電できる機能を持たせた電源装置も納入した。
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「SCiB」は、高い安全性、1万回以上の充放電が可能な長寿命、-30℃の環境下にも耐え得る低温度動作などの優れた特性があり、特に安全性においては、外圧が加えられて内部短絡が生じても異常発熱や発火を起こしにくい構造となっている。このリチウムイオン電池を使用した蓄電池システムで、鉄道車両に要求される欧州規格EN50126(RAMS)およびRAMSの安全性(Safety)に関するEN50129の認証をSIL 4(最高水準)として世界で初めて取得している。
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