チェロキーの後継「コマンダー」
執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
【画像】3列+ミディアムクラス【新型コマンダーとエクストレイルを比較】 全119枚
10月24日、ステランティス・ジャパンはジープ・ブランドの新型SUV「ジープ・コマンダー」を発表し、同日から受注を開始した。
ジープのファミリー(ラインナップ)は、ラングラーを軸とする本格クロスカントリー4WDと、グランドチェロキーLを頂点とするクロスオーバーSUVの2つの系統がある。
日本仕様では、前者はレネゲート、ラングラー、グラディエーターの3車種で構成され、後者はコンパス、チェロキー、グランドチェロキーLの3車種で構成されていた(いずれもサイズの小さい順)。
だが、2021年末で日本仕様のチェロキーは生産を終了し、その後継モデルとして今回導入されたのが、このコマンダーだ。
ジープ車に詳しい人は「コマンダー」の車名を聞くと、日本でも2006年から2009年に発売されていた、ジープ・ブランド初の3列シート7人乗りを採用し、V8エンジンを搭載していたモデルを思い出すかもしれない。
当時のコマンダーはグランドチェロキーの上に位置するフラッグシップモデルだったが、今回のコマンダーは、グランドチェロキーLとコンパスとの間に位置するモデルとなる。
その位置づけの理由は後述するが、まずは新しいコマンダーの概要を紹介していこう。
ジープの序列反映 エクステリア
新型コマンダーの外寸は、全長4770×全幅1860×全高1730mm。ホイールベースは2780mm。
今回、コマンダーと同時に日本に導入されたグランドチェロキー(Lではない、標準ボディ)の外寸は、全長4900-4910×全幅1980×全高1810mm、ホイールベースは2965mmだから、コマンダーのほうがひとまわり小さい。
ちなみに日本車では、アウトランダーPHEVが全長4710×全幅1860×全高1740-1745mm、ホイールベースが2705mmだから、比較的サイズが近いだろう。
そのスタイリングは、まさに「グランドチェロキーの弟分」といった感じだ。
比較的スクエアで直線基調を重視したボディは、ガッチリとして筋肉質な、SUVらしい力強さを感じさせるもの。
薄型のLEDヘッドランプと一体化したジープ伝統の7スロット グリルが並ぶフロントマスクも、グランドチェロキーとよく似ている。
もっとも、さらに弟分にあたるコンパスも顔つきは似ているから、3台並べば、まさにジープ・ファミリーと呼べるだろう。
ルーフ部分にはブラックペイントルーフを採用し、プレミアムな雰囲気を演出している。
リアコンビネーションランプやリアバンパーのデザインは、日本未導入のプレミアムモデル「グランドワゴニア」からインスピレーションを得 た デザインとなっている。
このほか、台形のホイールアーチ、荒れた路面で車体との干渉を低減する十分な地上高など、ジープの血統を受け継ぐデザインが随所に取り入れられている。
3列7人乗りの空間 インテリア
コマンダーはインテリアも、インパネまわりのデザインはグランドチェロキーとよく似ている。
メーターパネルはフルカラーの10.25インチマルチビューディスプレイ、センターダッシュにはスマートフォンに対応した10.1インチのタッチパネルモニターを備えるところは、グランドチェロキーとそっくりだ。
インパネまわりで最大の違いは、コマンダーのATセレクターはコンベンショナルなスティック式なのに対し、グランドチェロキーではダイヤル(ロータリー)式を採用していることだろう。
また、コマンダーは3列7人乗りを採用しているのも大きな特徴だ。
既に日本に導入されているグランドチェロキーLも3列7人(または6人)乗りだが、サイズもかなり大きい(全長は5mを超える)し、車両価格もかなり高い。
日本車のLサイズ・ミニバンからの買い換えとして検討するなら、この新型コマンダーは選択肢の1つになるだろう。
3列目へは2列目シートを前倒しして乗り降りするが、操作には力を入れる必要もなく、比較的簡単だ。
ただし3列目は、おとな2人では少し狭いかもしれない。
パワーゲートを備えるラゲッジスペースは、3列目シートは50:50、2列目シートは60:40の分割可倒式だから、7人乗車で170L、3列目を倒して5人乗りなら481L、2列目まで倒せば日本では使い切れないのではと思えるほど広大な空間が現れる。
余裕のトルク 2.0Lパワートレイン
新型コマンダーは、じつはコンパスのプラットフォームを延長して誕生した。
つまり、駆動方式は横置きFFベースの4WDとなっている。そのため、グランドチェロキーとコンパスの間に位置づけられている。
サスペンション形式も、フロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式を採用している。
日本仕様のコマンダーに搭載されるパワーユニットは、ジープとしては初のオリジナルなディーゼルエンジンだ。つまり、フィアット由来ではないということだ。
総排気量は1956ccの直列4気筒 DOHCエンジンはターボチャージャーを装着し、最高出力は170ps/3750rpm、最大トルクは35.7kg-m/1750-2500rpmを発生。車両重量は1870kg(サンルーフなし)だから、パワー的には必要かつ十分といったところだろう。
35.7kg‐mの最大トルクを1750rpmから発生するから、市街地走行でも余裕のトルクで走れるに違いない。
組み合わされるトランスミッションは、電子制御の9速AT。
四輪駆動はオンデマンド式で、悪路での走行安定性を高めるアクティブドライブやセレクテレイン、ヒルディセントコントロールなども備えている。
アイドリングストップ機構も備え、WLTCモード燃費は13.9km/Lだから、経済性もなかなか高そうだ。
排出ガス後処理装置として尿素SCRシステムを搭載し、排出ガス内の窒素酸化物(NOx)を大幅に低減している。
ライバルSUVと遜色ない安全装備
新型コマンダーはプレミアムでラグジュアリーなモデルではないが、それでも国産Lサイズ・ミニバンやラージクラスのSUVからの買い換えを想定して、安全&快適装備は充実している。
安全装備では、衝突被害軽減ブレーキ(歩行者、サイクリスト検知機能付き)、前面衝突警報、アダプティブ・クルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付き)、アクティブ・レーンマネジメント、エレクトロニック・スタビリティコントロール&ロールミティゲーションなどを標準装備。
快適装備も、ダイヤモンドキルティング処理された本革電動シート(ヒーター付き)、ナビゲーションシステム、プレミアムサウンドシステム、ヒーテッドステアリングホイールなどを標準装備し、メーカーオプションで設定されるのはパノラミックサンルーフとパールコート塗装くらいだ。
安全&快適装備に関しては、日本車や輸入車のライバルSUVと比較しても遜色のないレベルにあるといえる。
本国にないジープ グレードと価格
日本仕様の新型コマンダーは、リミテッドのみのモノグレードとなる。
車両価格(税込)は、ベースモデルが597万円、パールコート塗装が602万5000円、サンルーフ仕様が613万円、サンルーフ仕様+パールコート塗装が618万5000円となっている。
ハンドル位置は、右のみ。
なお、新型コマンダーは米国では販売されておらず、インドやブラジルで販売されて人気を集めている。日本仕様は、弟分のコンパスと同様にインドで生産される。
ジープ・コマンダー・リミテッドのスペック
価格:597万円
全長:4770mm
全幅:1860mm
全高:1730mm
ホイールベース:2780mm
車両重量:1870kg
パワートレイン:直列4気筒ディーゼル1956ccターボ
最高出力:170ps/3750rpm
最大トルク:35.7kg‐m/1750-2500rpm
WLTCモード燃費:13.9km/L
ギアボックス:電子制御9速オートマティック
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