現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 安いグレードでも約160万円! ホンダの高級軽自動車N-ONEはパイクカーと理解するのが正しい

ここから本文です

安いグレードでも約160万円! ホンダの高級軽自動車N-ONEはパイクカーと理解するのが正しい

掲載 62
安いグレードでも約160万円! ホンダの高級軽自動車N-ONEはパイクカーと理解するのが正しい

アルトラパンやミラトコットとは異なる高級路線の“パイクカー”

ボディパネルは従来モデルをそのまま流用しながら、プラットフォーム(車台)やエンジン、トランスミッションといったメカニズムは最新世代にアップデートという前代未聞のフルモデルチェンジを果たしたホンダの軽自動車「N-ONE」に試乗しました。

試乗したのはベーシックなオリジナル(NAエンジン・CVT・FF:159万9400円)、小さな高級車といったテイストのプレミアムツアラー(ターボエンジン・CVT・FF:188万9800円)、そしてスポーツバージョンとして話題を集めるRS(ターボエンジン・6速MT・FF:199万9800円)の3グレード。

初代N-ONEのローダウン風ボディを受け継いだ全高は1545mm(FF車)と、軽自動車のカテゴリーでいうとベーシックな“セダン”に属しますが、素性的には“ハイトワゴン”といったほうが良く、プラットフォームを「N-WGN」と共用するため車重も840~860kgと、他の軽セダンが600kg台後半~700kg台前半となっているのに比べて重めです。

そもそもN-ONEの価格帯はN-WGNよりも高めなほどで、ハイトワゴン(N-WGN)に対するセダンタイプ(N-ONE)的に捉えると、キャラクターを見誤ります。ホンダ軽自動車のルーツ的存在ある「N360」をモチーフにしたタイムレスデザインからもわかるように、かつて流行った“パイクカー”のようにスタイリングを愛でるクルマなのです。

初代N-ONEのボディをほぼそのまま使い、ヘッドライトやテールレンズで進化を表現したエクステリアや、プレミアムな価格帯、月販2000台という控えめな販売目標も、そうしたコンセプトによるもの。軽ハイトワゴンのメカニズムを利用したパイクカーと捉えると、「オリジナル」「プレミアムツアラー」「RS」という3グレードが用意されることも腑に落ちてくるのでした。

N360風なキビキビ感があるのはベーシックな「オリジナル」

往年のN360のテイストを感じたのはNAエンジンのオリジナルでした。ターボエンジンに対してローギアードな変速比を与えられ、制御でもエンジン回転を少々高めにキープする味つけで、キビキビとした印象。タウンスピードでアクセルを少し踏み足して再加速するときなど、日常の気持ちよさが感じられる味つけです。シフトポジションでSレンジを選べば、アクセル操作に対するトルクもリニアさを増して、より元気よく走ることができるのもN360的キャラクターを感じさせました。

「プレミアムツアラー」はダウンサイズターボ風の走り

一方、ターボとCVTの組み合わせとなるプレミアムツアラーの走りは1.3Lエンジンのダウンサイジングターボ的でした。CVTをハイギアード気味にセッティングすることで、ブースト(過給圧)の立ち上がりがスムースで、排気量がアップしたかのようなフィーリングを生み出しています。道路の継ぎ目などでは、55偏平の15インチタイヤを履いているとは思えないほどマイルドな乗り心地でで、ワンランク上のリッターカー的な印象です。もっとも、アクセルを全開にしたときの加速感、連続した段差を超えたときの容量不足感というのは、軽自動車であることを実感させるものでしたが…。

ターボのブースト感がダイレクトに感じられる「RS」の走り

そして、軽自動車として初めて「6速MTとターボエンジンを搭載するFF車」となったRSグレード。同じターボエンジンといってもプレミアムツアラーよりエンジン音がキャビンに入ってくる印象で、ブーストの立ち上がり方もちょっと違う印象を受けました。CVTよりもアクセル操作に応じてダイレクトにターボが働いている、いかにもターボエンジンに乗っている感覚です。ステアリングホイールもグリップ部分にディンプル加工が施された専用品で、「S2000」譲りのシフトノブを使った6速MTは、EP3「シビックタイプR」を思い出させるインパネシフトとなっているのもホンダのスポーツグレードらしさを感じさせるものでした。

新型N-ONEは各グレードで明確にキャラクターをわけた作り込みがなされていました。趣味性の強い、ある意味でユーザーを限定する軽自動車といえます。つまり、N-ONEを高価であるという批判はナンセンス。そのキャラクターに惚れ込んで選ぶモデルが、N-ONEなのです。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

※写真
1、2枚目:RS
3、4枚目:プレミアムツアラー

こんな記事も読まれています

トヨタが「大逆転ワールドチャンピオン」に! 最後の最後でドラマがあった!? トヨタ会長「感動という共感が生まれる」 WRCで「マニュファクチャラーズ」獲得、ラリージャパンもトヨタ優勝
トヨタが「大逆転ワールドチャンピオン」に! 最後の最後でドラマがあった!? トヨタ会長「感動という共感が生まれる」 WRCで「マニュファクチャラーズ」獲得、ラリージャパンもトヨタ優勝
くるまのニュース
市川團十郎×佐藤琢磨、同い年のふたりが歌舞伎とレースに共通点見出す。白熱するトークの裏で11歳の新之助が大物ぶりを発揮!?
市川團十郎×佐藤琢磨、同い年のふたりが歌舞伎とレースに共通点見出す。白熱するトークの裏で11歳の新之助が大物ぶりを発揮!?
motorsport.com 日本版
日産が新型「車中泊ミニバン」発売! 巨大ベッド&高性能四駆を搭載した「4人乗りセレナ」がスゴい! 車高アップで走破性高めた新モデルとは?
日産が新型「車中泊ミニバン」発売! 巨大ベッド&高性能四駆を搭載した「4人乗りセレナ」がスゴい! 車高アップで走破性高めた新モデルとは?
くるまのニュース
ポルシェの超レアな限定車「911ダカール」がついに生産終了!最後の1台は斬新なカラーリングで驚愕
ポルシェの超レアな限定車「911ダカール」がついに生産終了!最後の1台は斬新なカラーリングで驚愕
VAGUE
総長のビュイックで練習し、運転免許を取得!?|長山先生の「危険予知」よもやま話 第30回
総長のビュイックで練習し、運転免許を取得!?|長山先生の「危険予知」よもやま話 第30回
くるくら
コンパクトバッテリーで小型軽量化!「18V XR ブラシレス・インパクトドライバー」がデウォルトから12月上旬発売
コンパクトバッテリーで小型軽量化!「18V XR ブラシレス・インパクトドライバー」がデウォルトから12月上旬発売
バイクブロス
2024年新型イプシロン登場で高らかに復活したランチア!! 10年前は消滅の噂が絶えない大ピンチだった[復刻・2013年の話題]
2024年新型イプシロン登場で高らかに復活したランチア!! 10年前は消滅の噂が絶えない大ピンチだった[復刻・2013年の話題]
ベストカーWeb
ポルシェがサーキットで最高のパフォーマンスを発揮する、モータースポーツテクノロジー
ポルシェがサーキットで最高のパフォーマンスを発揮する、モータースポーツテクノロジー
LE VOLANT CARSMEET WEB
ドゥカティ スクランブラー・アイコン試乗「初めての大型車にもアリ!? 軽い車体に元気なエンジン、日常的な速度域が楽しい」
ドゥカティ スクランブラー・アイコン試乗「初めての大型車にもアリ!? 軽い車体に元気なエンジン、日常的な速度域が楽しい」
モーサイ
トリッキーなステージに苦戦の声「どれも本当に過酷」「ハードでもオーバーヒート」/ラリージャパン デイ3コメント
トリッキーなステージに苦戦の声「どれも本当に過酷」「ハードでもオーバーヒート」/ラリージャパン デイ3コメント
AUTOSPORT web
斬新なのは顔だけじゃない! キアの3列シートSUV最強『EV9 GT』発表…ロサンゼルスモーターショー2024
斬新なのは顔だけじゃない! キアの3列シートSUV最強『EV9 GT』発表…ロサンゼルスモーターショー2024
レスポンス
EUROCARBODY 欧州のエンジニアが選んだ1位はホンダN-VANe
EUROCARBODY 欧州のエンジニアが選んだ1位はホンダN-VANe
Auto Prove
「個人的な想いは捨ててきた」と勝田。ラリージャパン最終日で、タイトル防衛のための葛藤を明かす
「個人的な想いは捨ててきた」と勝田。ラリージャパン最終日で、タイトル防衛のための葛藤を明かす
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツ CLEカブリオレにボディを拡大したAMG53 4MATIC を追加
メルセデス・ベンツ CLEカブリオレにボディを拡大したAMG53 4MATIC を追加
Auto Prove
「永遠に有料…?」 とっくに無料化されている“はず”の道路たち なぜまだお金とるの?
「永遠に有料…?」 とっくに無料化されている“はず”の道路たち なぜまだお金とるの?
乗りものニュース
トヨタ本気の「小さな高級車」に驚きの声! めちゃ豪華な「本革×本木目」内装を採用! 小型車に「クラウン品質」取り入れた“直列6気筒エンジン”搭載モデルに反響あり!
トヨタ本気の「小さな高級車」に驚きの声! めちゃ豪華な「本革×本木目」内装を採用! 小型車に「クラウン品質」取り入れた“直列6気筒エンジン”搭載モデルに反響あり!
くるまのニュース
結局さぁ……日産[GT-R] とヒョンデ[IONIQ5 N]って結局どっちが良いの??
結局さぁ……日産[GT-R] とヒョンデ[IONIQ5 N]って結局どっちが良いの??
ベストカーWeb
直6のMシリーズが欲しいならE34型「M5」が狙い目! BMWのヤングタイマーで最高の1台を600万円で手に入れられる!?
直6のMシリーズが欲しいならE34型「M5」が狙い目! BMWのヤングタイマーで最高の1台を600万円で手に入れられる!?
Auto Messe Web

みんなのコメント

62件
  • それにしても高い…"(-""-)"
  • それでどういった層の人が買うんでしょうか?
    MT希望の声を聴いたのでしょうが、ネットで
    6MTあれば買う!と言ってる人の9割は実際
    買わない人でしょうし・・・・
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

173.5217.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.8261.9万円

中古車を検索
N-ONEの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

173.5217.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.8261.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村