■無骨なイメージを払拭!オフロードだけでなくオンロードも良!
意外なことだらけで腰を抜かしかけました。ジープ・ラングラーをドライブするのは数年ぶりでしたし、まして激しいアップダウンのある降雪路など、はじめての経験だったのです。許された試乗はわずかではありましたが、2018年にデビューした新型ジープ・ラングラーをドライブして、あらためてのクルマの素性と個性の源を確認したのです。試乗を行った場所は北海道千歳でした。
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ここであらためて、ラングラーのアウトラインを紹介しておきましょう。ラングラーが誕生したのは1987年です。それ以来、9年~11年周期でフルモデルチェンジを繰り返してきました。新型は4代目になります。
といっても、ラングラーのスタイルは1987年に突然現れたのではありません。1941年に誕生したジープが源流のようです。1941年にデビューしたジープデビューは、いわば軍用車の4×4でした。戦車同様に、密林や湿地帯を突き進むために開発されたのです。そのジープが1987年にラングラーと名前を変えました。78年以上の歴史を積み重ねがあると言ってもいいかもしれませんね。いまでは、フィアット・クライスラー・オートモーティブ(FCA)の傘下に組み込まれています。
驚くのは、キャラクターに一切のブレがないことです。その当時の、道無き道を突き進むというスタイルをまったく変えていないのです。踏破性を最大の武器に地球上を駆け回ってきたといっていいでしょう。そのタフなオフロード性能はいまでも一点の曇りもないのです。
その踏破性能は、外観からでも容易に想像できることでしょう。ドアは蝶番がむき出しです。ドアだけでなく、フロントウインドーや屋根も、取り外すことも可能です。
駆動方式はもちろん、パートタイム式の4×4。セレクトレバーを操作することで、一般道のドライブ用に適した2輪駆動と、悪路を走るときに適した高速型4WDと、そしてもうひとつ、岩場や泥濘地を走る時の低速型4WDが選べるのです。
もし密林を走り切らなければ生きていけないとしたら、僕が選ぶのは以下の4台のうちのいちだいになるでしょう。トヨタ・ランドクルーザー、メルセデスGクラス、レンジローバー、そしてこのジープ・ラングラーです。そうです、世界トップクラスの踏破性が武器なのです。
ただし、時代は変化するものなのです。ラングラーは踏破が特徴ですから、アスファルトを走るのは苦手だと思っていました。河原や森林でキャンプを楽しむキャンパーや、岩場を走ることを楽しむトライアラーたちだけが喜ぶのであって、たとえば街中などを走るのは苦手なのだろうと思っていたわけです。ですが、今回の試乗で目から鱗がこぼれ落ちました。オンロード性能も優れていたのです。
■最新装備に優しい乗り心地、荒い乗り心地は過去のこと
試乗したのは、3車種ラインナップされるうちのひと、V型6気筒エンジンを搭載し、5ドアボディのアンリミテッドでした。これには、交差点等で一旦停止しているときの無駄にガソリンを消費しないためのアイドルストップ機能も装備されているのです。これは環境にも貢献します。
スマートフォンと連動し、各種情報が得られるアップルプレイも装備されていますし、ですからカーナビやオーデュオも充実しています。無骨なキーを鍵穴に差し込んでエンジンをかける必要もありません。キーレスエントリーなのです。リアのバックビューモニターも装備しています。駐車場での取り回しに役立つ、バックソナーやリバースアシストも組み込まれています。装備は高級ラグジャリー乗用車のようなのです。
そんなですから、走り味も無骨ではありません。乗り心地は想像を10倍超えて、優しい印象でした。もちろん高級セダンのようにフワフワな乗り味ではありませんが、軍用車から想像するような脳天を突き刺すような荒い乗り心地ではまったくないのです。これなら、都会の高級ホテルに乗りつけるのも不快ではなさそうです。
冒頭で僕が、腰を抜かしかけたと言ったのはそのことです。密林を踏破するほどのタフな性能を秘めていながら、都会の高級ホテルをもテリトリーとするなんて、まさに世界のすべての場所を走りきることができるのですね。感動しました。
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