フルモデルチェンジで、5代目に
執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
【画像】レクサスRX 細部まで見る【現行4代目と新型5代目】 全184枚
6月1日。レクサスは、ラグジュアリーSUV「RX」をフルモデルチェンジして世界初公開した。
日本仕様の発売は、2022年秋ごろを予定している。
レクサスのSUVラインナップを大きい順に並べると、「LX」「RX」「NX」「UX」(EVのRZを除く)となり、「RX」は上から2番目のミドルサイズとなる。
1998年に登場した初代と2003年に発表された2代目は、日本では「トヨタ・ハリアー」として発売。2009年にデビューした3代目からは、日本でもレクサスRXとして販売され、ハリアーは別モデルとなった。
現行型は、2015年に公開された4代目となる。
レクサスRXは、これまでに95の国と地域で累計約350万台を販売し、2005年にはラグジュアリーSUV初のハイブリッド車「RX400h」を発売するなど、レクサスの中核SUVとして進化を遂げてきた。
ラグジュアリーブランドのレクサスゆえ、ライバルは、メルセデス・ベンツGLE、BMW X5、アウディQ5、ジャガーFペイスなど、輸入プレミアム・ブランドの中型SUVとなるだろう。
そんなライバルがひしめく、激戦区のマーケットに挑む新型。
“動きの穏やかさ”、“風格”といった歴代RXがアメリカで支持された特長を、あえてイメージチェンジするような、ちゃんと走るクルマ、つまり新世代レクサスのクルマに生まれ変わったという。
スピンドルボディに 3列7人乗りは?
新型レクサスRXのボディサイズは、プロトタイプのものだが全長は4890mm、全幅は1920mm、全高は1695mm。ホイールベースは2850mm。
従来型と比べて全長は同じだが、25mm広く、10mm低い(地域/仕様による)。ホイールベースは、実に60mmも延長されている。
まず外観では、レクサスの象徴であるスピンドルを、立体の塊で表現し「スピンドルボディ」という新たな表現へと進化させた。バッテリーEVのレクサス「RZ」と同じテーマである。
ボディ色をノーズの「L」マーク下端まで下げ、グリルにグラデーションを与えて“塊”の強さを強調。ボディとグリルの境界を融合させ、冷却機能と両立しながら、新たなアイデンティティと独自の表現に挑戦した。
サイドビューは、フード先端を上げ、バックウインドウ後端を下げることで、水平的で低重心な姿勢に。また、Aピラーの付け根を後ろに下げて、キャビンの重心がリアにあるようなスタンスを表現した。
クォーターピラーは、4代目から取り入れたフローティングピラーを踏襲しながら、より立体的になり、リアまで回り込む。
リアビューでは、横方向にぬけたシンプルな構成とすることで、力強い低重心の構えを実現。リア・コンビランプは一文字のようなシグネチャータイプを採用した。
なお、現行型に設定される3列7人乗りのロングボディ仕様は、新型RXでは採用されないようだ。
内装 Aピラー/ルーフをずらした効果
インテリアは、人間中心の思想を進化させた新たなコクピットの考え方「タヅナ・コンセプト」に基づいてデザイン。
人が馬を操る際に使う「手綱」に着想を得て、ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを連携させ、視線移動・煩雑なスイッチ操作をすることなく、運転に集中しながらナビ/オーディオなどの制御ができるという。
インパネは水平的な広がりを感じさせるもので、メーターフードからドアトリムまでおおらかにつながる造形。開放的な広がりと、乗員全員が包み込まれる空間を実現している。
センターディスプレイは大型のタッチディスプレイ(14インチ)となり、多くの機能をディスプレイ内のソフトスイッチに集約。スイッチのサイズや形、レイアウト、表示情報などにこだわり、直感的に操作できる配置・形状を追求した。
また、フロントシートは、Aピラーやルーフ前端を後方に配置したことで、開放感のある座席に。リアシートは、前後カップルディスタンスを12mm拡大し、フロントシートバックを薄型化することでゆとりある空間を得た。低床化に加えて、スカッフやセンターピラーカバーなどの形状工夫により、前・後席ともに、乗降性を向上させている。
荷室は、バックドアトリムの薄型化やローディングハイトの30mm低減により、荷室長を50mm延長。スーツケース(77L/63L)を各2個で計4個、または、9.5インチのゴルフバッグを4個収納可能とした。
パワートレインは4種 ダイレクト4も
新型RXのパワートレインは、発表時の段階から豊富に設定。まずは、グレード名とともに紹介しておこう。(日本仕様のパワートレインは、現段階ではアナウンスなし)
RX500h Fスポーツ・パフォーマンス(2.4LターボHEV & ダイレクト4)
フロントは、2.4L直4ターボとモーター。リアは高出力モーターの「eアクスル」を組み合わせる新ハイブリッドシステムを採用。
アクセル踏み込み時、エンジン過給遅れを前後のモーターがアシスト。さらに「ダイレクト4」という前後輪の駆動力配分制御により、クルマの姿勢までもコントロールする。
EVの「RZ」に続く採用となった「ダイレクト4」は、緻密な四駆制御で気持ちのいい走りを実現できる、電動化時代のレクサスの走りを象徴するテクノロジー。新型RXの技術面のトピックとなるだろう。
バッテリーは高出力なバイポーラ型ニッケル水素電池を採用。本グレードは、Fスポーツの仕様に加えて、パワートレインまで強化した高性能モデルになるという。
RX450h+(2.5L PHEV & E-Four)
これに関しては後述する。
RX350h(2.5L HEV & E-FourまたはFF)
フロントは2.5L直4にモーターを組み合わせたシリーズパラレル・ハイブリッド。
リアにモーターを組み合わせた4WD(E-Four)とリア・モーターのないFWDモデルを用意。いずれも高出力なバイポーラ型ニッケル水素バッテリーを搭載している。
RX350(2.4Lターボ & AWDまたはFF)
2.4L 直4ターボエンジンに、高トルク型ダイレクトシフト8速ATを組み合わせた。
駆動方式は電子制御(湿式多板クラッチ)4WDと、四駆システムを廃したFWDモデルを用意。いずれもエンジンはTNGAの高速燃焼システムに加え、センター直噴システムやターボと触媒の近接配置などで、年々厳しくなる世界の排気・燃費規制への対応を図っている。
プラグインハイブリッドRX450h+登場
今回、注目しておきたいパワートレインは、「RX450h+」に搭載されるプラグインハイブリッドだ。
高熱効率な2.5L直4エンジン、大容量・高出力のリチウムイオン・バッテリー(総電力量18.1kWh)に加え、モーターを前後に搭載する。
クラストップレベルのEV走行可能距離(数値は未発表)と十分なパワーを両立した。
4WDシステムには、モーター駆動式の「E-Four」を採用。前後トルク配分を100:0~20:80の間で制御する。
また、リチウムイオン・バッテリーを床下に配置して低重心化も図り、安定した質感のある走りを実現している。
走行モードは、「EV」「オートEV・HV」「HV」「セルフチャージ」の4つが任意で選択可能だ。
「HV」ではエンジンとモーターの併用で高い加速性能を実現。「オートEV・HV」では、先読みエコドライブ(先読みEV・HVモード切りかえ制御)により、ナビで目的地を設定することで、駆動用電池の残量や、道路の属性・特性に応じて自動的にEV走行とHV走行を切りかえてエネルギー効率の良い走りを行う。
リアを新開発 GA-Kプラットフォーム
新型レクサスRXでは、GA-K改良プラットフォームを採用。軽量化と低床化により、重心高を現行型から15mm下げている。
前述のように全長は従来同値ながら、ホイールベースを60mm延長し、トレッドを前15mm/後45mmずつ拡幅。ヨー慣性モーメントを低減させるパッケージとした。
サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット式、リアは新規開発のマルチリンク式を採用。アッパーアームの配置・形状の工夫により、ボディサイドメンバーが室内側へ張り出すことなく、広い室内スペースを確保した。
マルチリンク式の採用に併せて、GA-Kプラットフォームのリア部分は新開発。加えて、車両加減速、操舵旋回時のサスペンションからの入力をしっかりと支える、ねじり剛性の高いリアボディの骨格配置も追求した。
また、リアサス、及びリアサスペンションメンバーの取付け部は、高い着力点剛性を確保している。
さらに、主要骨格部材の最適な材料置換に加え、フロントフェンダーのアルミ化や、Bピラーには世界初となる安全性・軽量化を両立した2GPa(ギガパスカル)級のホットスタンプ材を採用するなど、車両重量を90kgダウン。重心高の低減や操縦安定性の向上に寄与している。
装備/ADASについて
レクサスでは、世界トップレベルの先進安全技術をより早く開発し、多くのクルマに普及させていくことが重要という考えのもと、新型RXにも「レクサス セーフティシステム+」を採用した。
運転状況に応じて適切な操作サポートを行うプロアクティブ・ドライビングアシストや、オプションで装着できるドライバ-モニターとの連携で、プリクラッシュセーフティ、レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)、レーンデパーチャーアラート、ドライバー異常時対応システムなどと連動して、運転をサポートする。
高度運転支援技術「レクサス チームメイト」では、アドバンストドライブ(渋滞時支援)やアドバンストパーク(リモート機能付き)を採用している。
さらに、OTA(オーバー・ジ・エア)でのアップデートで常に最新のソフトウェアに更新が可能となったり、ドアのアンラッチ機構をスイッチによる電気制御のeラッチシステムに置き換えたり、専用のアプリをインストールすればスマートフォンをデジタルキーとして使用できる。
新型レクサスRXのパワースペックなどは現時点では未発表。秋の発売に向けて、明らかにされていくだろう。
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みんなのコメント
御冗談が過ぎます!!
相手にしてもらえないぞ