電動化に向けたベストアンサー? 最高のハイブリッドSUV
クルマの電動化が進む中、PHEV(プラグインハイブリッド車)は現代に最適なベストアンサーと考えることもできる。
【画像】電気だけでも走れるハイブリッドSUV【スズキ・アクロスPHEV、BMW X5などを写真で見る】 全108枚
英国をはじめとする欧州諸国では、最短で2030年から内燃エンジン車の新車販売が禁止され、ハイブリッドもそこから逃れることはできない。しかし、その期限はまだ少し先であり、実用的なSUVボディと組み合わせれば、多くの人にとって汎用性の高い現実的な選択肢となり得るのではないだろうか。
通勤などの日常生活ではゼロ・エミッションのEV走行が可能で、いざという時や遠出の際にはエンジン走行が可能という安心感がある。PHEV購入時の奨励金もあるが、気の早い英国ではそうした金銭的インセンティブもすでに廃止されつつある。それでも一定の優遇措置が得られること、購入費用はさておきランニングコストを節約できることから、PHEVの存在価値は大きい。
バッテリーやモーターを搭載するため、乗員スペースや荷物の積載量を確保しやすいSUVが特に有利だ。また、コンパクトなクロスオーバーからラグジュアリーな高級車まで、形やサイズもさまざまである。もちろん、電気とピストンを組み合わせたこれらのマシンは、部品追加に伴う重量増にもかかわらず、驚くほど快活に走ることができる。
今回は、電動化まっしぐらの英国で販売されているハイブリッドSUV(PHEV)の中から、英国編集部のお気に入りの10台を紹介する。スペックや価格は現地仕様に準ずる。
1. BMW X5 xドライブ45e
BMW X5 xドライブ45eの最大の魅力は、クリーミーで滑らかな3.0L直列6気筒エンジンである。このエンジンは電気モーターと連動して、驚くほどのスピードと驚くべきランニングコストを実現する。この組み合わせで394psという驚異的なパワーを発揮する一方、電気モーターによる十分なトルクも得られるため、街中の移動にも爽快感がある。24kWhのバッテリーのおかげで、最大87kmを電気だけで走行することができる。
その他、重量増はともかく(2435kgのわがままボディ)、走りは標準のX5と同じように感じられる。つまり、SUVの基準からすると、楽しい運転ができるのだ。たくましい6気筒ターボガソリンは、電気モーターとうまく調和してスムーズで力強い加速を実現し、ハンドリングはこれほど大きなクルマでありながら驚くほど軽快だ。
また、バッテリーのパッケージングにより、3列目シートと荷室容量が若干減少するものの、実用性は十分に高く、インテリアの高級感も美点のその1つ。そして静粛性の高さ、柔らかさを含んだ乗り心地は英国編集部イチオシのポイントである。
2. ボルボXC90リチャージT8
XC90の魅力は年数を重ねても衰えることはなく、むしろより良くなっている。このクラスの多くの他車とは異なり、本当に使いやすい7人乗りSUVであり、インテリアはスタイリッシュで魅力的だ。XC90は最近バッテリーをアップグレードしたことで、電気のみで60km強を走行できるようになった。
BMWほどダイナミックな走りはできないし、2.0Lガソリン(スーパーターボ)と電気モーターの組み合わせは、6気筒の洗練性に欠ける。しかし、400psをわずかに下回るパワーは十分に有効で、0-100m/h加速5.4秒という驚異的な加速力を誇る(これより遅いスポーツカーはたくさんある)。クールなスカンジナビアン・センス、静かな室内、しなやかな乗り心地が、心拍数とストレスレベルを下げてくれる。
3. トヨタRAV4 PHEV/スズキ・アクロスPHEV
この2つの日本製SUVは、異なるエンブレムを付けているが、実質的には同じものである。RAV4 PHEVとスズキ・アクロスPHEVは、トヨタの2.5Lベースのプラグインハイブリッド・パワートレイン、TNGAプラットフォーム、広々としたインテリア、そして18.1kWhバッテリーによる電気走行など、さまざまな要素を共有している。
市販のPHEVでは、メーカー公称値の性能をそのまま発揮できるクルマは稀だが、この2台はほぼ仕様書通りの性能を実現している。英国編集部によるスズキ・アクロスPHEVの試乗では、77kmもの距離を電気のみで走行することができたのだ。家庭用充電器さえあれば、ガソリンエンジンを使う機会はほとんどないだろう。
しかし、そのパワートレインをフルに使ってみると、パンチのある加速に驚かされるとともに、非常に低燃費であることに気づくはずだ。駆動用バッテリーを使い切っても、17km/l半ばという燃費を簡単に実現できる。さらに、ハンドリングは安定感に満ちていて、乗り心地も落ち着いている。
英国では4万5000ポンド(約770万円)を超える車両価格に頭を悩ませる人もいるかもしれないが、税制優遇は、特に法人ユーザーにとっては魅力的だろう。ただし、RAV4が6.6kWの充電が可能なのに対し、アクロスは3.3kWに制限されていることに注意したい。
4. ヒョンデ・サンタフェ
ヒョンデ・サンタフェには、純エンジン、フルハイブリッド、PHEVなど豊富なパワートレインが用意されているが、その中でも高速道路のロングドライブや毎日の通勤・通学、子供の送迎に最も適しているのはPHEVだ。
合計出力265psと十分なパワーがあり、停止状態から勢いよく加速する。正確なハンドリングと適度な快適性も備えており、これほどリラックスして運転できるクルマも少ないだろう。懸念があるとすれば、EV走行距離がわずか50kmに制限されていることから、英国では手厚い税制優遇が受けられない(先述のトヨタRAV4 PHEV/スズキ・アクロスPHEVに劣る)という点だ。
それでも、同クラスのガソリン車やディーゼル車よりはメリットがあるし、スマートで広々としたインテリアには高級感もある。ヒョンデのプレミアム志向はどうやら見当違いではなさそうだ。また、装備も充実しており、3列目シートは子供用ではあるものの、子育て中のファミリーが必要とするスペースは十分確保されている。その他、優れた製造品質や、5年間の長期保証(個人ユーザー)といった魅力も捨てがたい。
5. ボルボXC60 T6
XC90と同様に、ハンサムなXC60にもPHEVが用意されている。標準車との最大の違いは、18.8kWhバッテリーの採用で、欧州WLTPサイクルのEV走行可能距離は80km弱とされる。これによって、快適なXC60でさらに静かな移動が可能になり、英国の税制優遇も手厚いものとなる。
合計出力400psを発揮するフラッグシップモデルのT8もあるが、その価格は7万ポンド(約1200万円)に迫る勢いだ。ベターなのはT6で、BMW X3などのライバルが目指している高度なコーナリング性能よりも快適なクルージングを優先したモデルである。モーターとバッテリーはT8と同じなので、電気だけで移動するときの洗練性は上位モデルと変わらない。
6. ランドローバー・レンジローバー・スポーツP440e
3代目となるレンジローバー・スポーツの中で最もダイナミックなP440eは、驚くなかれ、これまでで最高のモデルである。魅力の中心となっているのは、ブランド最新の電動パワートレインで、3.0L直6ターボチャージャー「インジニウム」とトランスミッション内蔵の電気モーター、38.2kWhの大型バッテリーを組み合わせている。
その結果、電気のみで走行できる距離は113kmに達し、多くのオーナーにとってBEVが必要なくなるほど十分な性能を発揮する。
広々とした豪華なインテリアには、高級素材がふんだんに使われ、先進技術も満載。走行中は、兄貴分レンジローバーと同じように静かで快適だが、四輪操舵とアクティブアンチロールを追加することで、俊敏性と走る楽しさをさらに高めている。決して安くはないが、人生において最高のものに出会える機会はめったにないのだ。
7. メルセデス・ベンツGLE 350de 4マチック
メルセデス・ベンツ最新のディーゼルベースのPHEVの1つであるGLE 350deは、6万5000ポンド(約1120万円)という大変高価な乗り物だが、その大きな駆動用バッテリーと98kmというクラストップの電気走行距離(欧州WLTP)のおかげで、裕福なドライバーに注目される価値がある。税制優遇と合わせて、次々のランニングコストは想像以上に低く押されられる。
英国編集部の試乗では、EVモードとハイブリッドモードで特に、パワートレインのレスポンスとドライバビリティが良く、洗練された走りが印象的だった。「レンジエクステンダー」的な2.0L直4ディーゼルエンジンは、バッテリーが空になると、重い車体を動かすのに少し苦労する。しかし、実際の電気航続距離はメーカー公称値に非常に近いところまで伸びるので、エンジンを使うことはあまりないかもしれない。
乗り心地や静粛性は非常によく、電動パワートレインの重量増を感じさせないハンドリングは、ややソフトだがダイレクト感が薄い。
一方、GLE 350deは牽引車としても魅力的である。ブレーキ付きトレーラーで最大2.7トンを牽引可能とされているが、これはライバルのPHEVよりもはるかに優秀だ。
8. プジョー3008ハイブリッド
最近のフェイスリフトで、個性的なフロントエンドと装備が追加され、プジョー3008の魅力はさらに高まった。中身は大きく変わらず、これまで通り快適性と洗練性が適度にブレンドされており、アグレッシブに走っても落ち着きを保っている。
PHEVは従来通り、シングルモーターを搭載した225psの前輪駆動車と、ツインモーターを搭載した300psの四輪駆動車の2種類から選択することができる。最も合理的なのは前者で、装備の充実した上級グレード「アリュール」で4万ポンド(約690万円)を切る価格設定は、比較的短い53kmの電気航続距離とのトレードオフである。
走行中は、エンジンと電気モーターがうまく統合され、スムーズな走行が可能で、スピードもそこそこ出せる。プジョーのトレードマークであるiコックピットの小径ステアリングホイールと高い位置にあるメーターには慣れが必要だが、3008のスマートなデザインと適度な広さのインテリアは、予想以上に高級感があり、それでいて気楽に楽しむことができるだろう。
9. キア・ソレントPHEV
キア・ソレントPHEVは、数少ない7人乗りのPHEVの1つであり、キアらしく法外な価格はついていない。家族連れの倹約ドライバーにとっては、これはもう決まりなのかもしれない。
1.6Lターボのガソリンエンジンと、やや強力な電気モーター、そして13.8kWhのバッテリーを使用している。キアの公称では、電気だけで最大56km走行できるとされる。EVモード、ハイブリッドモードのどちらも走行性能は良好で、活発なドライビングスタイルとは言い難いものの、少なくとも十分な安心感を持ってハンドリングを楽しむことができる。
標準装備は下位グレードでも充実しており、インテリアは実に広々としている。内装材の質感は、欧州のライバル車には及ばないかもしれないが、実用性の高さではソレントに勝るものはないだろう。3列目のシートに大人がゆったりと座れる7人乗りSUV(しかもPHEV)は、そう多くはない。
10. フォード・クーガ・プラグインハイブリッド
3代目となった人気SUV、フォード・クーガはついに電動パワートレインを導入した。しかし、電気航続距離は48kmをわずかに超える程度で、このクラスのPHEVとしてはかなり限定的だ。ライバルとの比較の際、電気航続距離が魅力となるケースは少ないだろう。
クーガは、そのアドバンテージを欧州フォード特有のアプローチで追及している。甘美なステアリングと良好なボディコントロールを持ち、かなりスポーティで、しかし快適な乗り心地を実現している。
2.5Lのアトキンソンサイクル・ガソリンエンジンと電気モーターの組み合わせは、圧倒的なパフォーマンスを発揮するわけではなく、トランスミッションがその性能を邪魔しているように見える。それでも、0-100km/h加速10秒と、この手のクルマとしては競争力があり、ドライバビリティも問題ない。洗練性も驚くほど高い。
実用性は比較的高く、価格設定も多くのユーザーにとって現実的。このように、クーガはこれまでと同様にセンスが良く、お勧めできるクルマである。
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みんなのコメント
で、PHEVを買ったのだけど、補助金もあるし、
充電が不足すればガソリンでも低燃費で走行できる。
自動車税や重量税も免税。不満は無い。
電気自動車は週末ショッピングモールでの充電待ちを見ると可哀想に思う。
2年後には水素だろうな。
充電設備に順番待ちしてる血走った眼のBEVオーナーは哀れですね