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メルセデス・ベンツ新型『CLA』発表 EVは航続距離792km、ハイブリッドも「ディーゼル並み」の低燃費へ

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メルセデス・ベンツ新型『CLA』発表 EVは航続距離792km、ハイブリッドも「ディーゼル並み」の低燃費へ

第3世代CLAが登場、初のEVモデルも

メルセデス・ベンツは3月14日、新型『CLA』のEVモデルとハイブリッドモデルを欧州で発表した。今年後半に発売される予定で、EVモデルは効率性の高さを特徴とし、欧州最長の航続距離を誇る。

【画像】Cd値0.21! 優れた空力設計の第3世代モデル登場【新型メルセデス・ベンツCLAを写真で見る】 全12枚

『CLA 250+ with EQテクノロジー』は、充電1回あたりの航続距離が欧州WLTPサイクルで最大792kmに達し、高速道路での走行に限定しても約690kmを走行できるとされている。

現在は認証取得待ちの状態だが、これは欧州で販売されている他のEVを凌駕する性能だ。実際、メルセデス・ベンツのフラッグシップモデルであるEQS 450+は118kWhのバッテリーで774kmの走行が可能だが、新型CLAはこれをも上回っている。

この驚異的な航続距離は、エネルギー消費を最小限に抑えるという開発陣の努力の賜物である。搭載されているのはニッケル・マンガン・コバルト(NMC)バッテリーで、その容量は85kWhだ。

つまり、CLAは8km/kWhを超える高効率を達成していることになる。これは、多くのメーカーが次世代EVの目標ラインと捉えている数値である。

パワフルかつ高効率

CLAの優れた航続距離は、その空力設計によるところが大きい。ボディサイズは全長4723mm、全幅1855mm、全高1468mmと、現行型よりも大型化(長さ35mm、幅25mm、高さ22mm増加)しているにもかかわらず、前面投影面積を最小限に抑え、空気の流れをスムーズにするために多くの工夫が凝らされている。

例えば、車輪は現行型よりもホイールアーチの内側に配置されている。フロントバンパーの小さな吸気口(と対応するリアの排気口)が、ボディの隅の空気の流れをガイドし、アルミホイールもフラッシュフェイスデザインにより乱れを比較的抑えている。

こうした工夫の結果、空気抵抗係数(Cd値)は0.21となり、EQS(0.20)よりわずかに大きいが、テスラモデル3(0.22)よりも優れている。

新しいリアマウントの永久磁石モーターも、効率性において重要な役割を果たしている。コンパクトなパッケージで高出力を実現し、軽量なシリコンカーバイドインバーターを使用している。また、磁石をダブルV字型に配置して磁場を集中させたことで、トルク密度が向上したという。

さらに、このモーターには、通常の1段の減速ギアではなく、ポルシェタイカンと同様の2段トランスミッションが搭載されている。1段目のギア比は短く(11:1)、市街地走行での効率性と発進加速力を高めたものとなっており、2段目のギア比はかなり長く(5:1)、高速巡航時のエネルギー消費を抑えている。

CLA 250+は最高出力272psを発生し、0-100km/h加速は6.7秒とされる。

四輪駆動の『CLA 350 4マティック with EQテクノロジー』では、フロントアクスルに1段ギア付きの108psのモーターを追加し、合計出力は354psとなる。これにより、0-100km/h加速は4.9秒に短縮され、20年前のV8エンジン搭載のC 55 AMGよりも直線では速くなった。

フロントモーターは、パワーの必要のない時にはアクスルから切り離され、摩擦によるエネルギー損失を90%削減する。これにより、四輪駆動のCLAは1回の充電で最大771kmの走行が可能となる。他のEVと比較しても、後輪駆動バージョンとの差は小さい。

ブレーキは主にモーターの回生効果(最大200kWの制動力を実現)に頼っており、バッテリーの充電残量を維持する。

CLAは800Vの電気アーキテクチャーにより、最大320kWの急速充電が可能であり、わずか10分の充電で325kmを走行できる。

85kWhのバッテリーに加え、発売後まもなく58kWhのリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーがラインナップに追加される予定だ。価格は大幅に引き下げられる可能性が高いが、航続距離は約480kmに短縮されることになる。

また、AUTOCARの取材では、高性能モデルのAMG CLA 45も登場することが明らかになっている。英国企業ヤサ(Yasa)が開発した2基の軸流モーターで500ps以上の出力を発揮し、シャシーにも改良が施される見込みだ。

エンジン技術の進歩も

新型CLAにはハイブリッドモデルも用意される。パワートレインはEVモデルのフロントモーターと同じスペースに収まるよう特別に設計され、新型1.5L 4気筒ガソリンエンジンと1.3kWhの小型バッテリー、そして27psの電気モーターを組み合わせている。最高出力は前輪駆動で136psまたは163ps、四輪駆動の4マティックでは190psを発生する。

メルセデス・ベンツによると、このエンジンは「ディーゼル並みの燃費効率」を実現しているとのことで、20km/lを余裕で超えると予想される。

CLAの価格についてはまだ発表されていないが、ハイブリッドモデルとEVモデルは同程度に設定されるという。これは、バッテリー生産コストが約30%削減され、EVの全体的な価格が約15%引き下げられたことによる。

そのため、価格は4万ポンド前半から半ば(約770~870万円)のレンジで設定される見込みである。EVモデルは先行して10月頃に発売され、ハイブリッドモデルもその数か月後に発売される予定だ。

セダンに加えて、新型CLAシューティングブレークも発売される。おそらく9月のミュンヘン・モーターショーで正式発表されることになるだろう。

随所に「スター」のモチーフ

メルセデス・ベンツ初の試みとして、ハイブリッドモデルとEVモデルがCLAという車名を共有するだけでなく、内外装もほぼ同一となる。EクラスとEQEの関係のように、エンジン車とEVを完全個別で開発するという従来の戦略に終止符を打つ。

デザインにおいても今後の新しい方向性を示すものであり、ブランドのスリーポインテッドスターのロゴを強調している。

このモチーフはヘッドライトとリアブレーキライトにも採用されており、EVモデルでは142個のスターを備えたバックライト付きフロントグリルが装備される。スターはメインエンブレムの周囲を取り囲むように配置され、エンブレム自体もバックライト付きだ。米国仕様ではエンブレム外側のリングが点灯するが、これは欧州仕様ではEUの規制により禁止されている。

CLAのハイブリッドモデルは、エンジンに冷却用空気を供給するためにオープングリルを備えている。

新たな装いのインテリア

新型CLAは、ラグジュアリー志向というよりもどちらかというとスポーティな性格を強めている。例えば、フロントシートのサイドボルスターは分厚くがっしりとしており、ブラックとホワイトのアルカンターラと赤いステッチの入ったフェイクレザーを組み合わせるなど、華やかな素材が選ばれている。

ダッシュボードにはメルセデス・ベンツの最新スーパースクリーン(Superscreen)を搭載し、その中に、10.25インチのインストゥルメント用、14.6インチのインフォテインメント用、14インチの助手席用(オプション)の合計3つのデジタルディスプレイが統合されている。

最新OS『MB.OS』により、走行中にディスプレイ上で『フォートナイト』などのビデオゲームをプレイしたり、Netflixなどのサービスを利用して動画や映画をストリーミング再生したりすることができる。

また、さまざまなAI機能(ChatGPT、Google Gemini、Microsoft Bing)を組み合わせ、質問に対するより正確な回答を提供する最新バーチャルアシスタントも搭載されている。

スーパースクリーン未装着車では、助手席側のスクリーンが、アンビエントライトと連動するLEDバックライト付きのスターロゴをあしらったガラスパネルに置き換えられる。

トランク容量は405Lと、現行型CLAより55L減少している。しかし、メルセデス・ベンツでは初めて、EVモデルに「フランク」と呼ばれる容量101Lのフロント収納スペースが付いている。

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