■現実にはないはずの「プリウスクーペ」だけど「違和感なし」!
2023年の刷新で大幅にスタリッシュになったトヨタの5代目「プリウス」を、インド人のカーデザイナー、Vishnu Suresh氏の手によって、2ドアクーペ化されたイメージCGが製作されました。
現実にないはずの「プリウスクーペ」をさらにカスタマイズしているものの、まるで違和感がない完成度の高さからSNSなどでは話題に。果たして実現する可能性はどれほどあるのでしょうか。
【画像】「えっ…!」これがトヨタ「プリウスクーペ」です!? 画像で見る(30枚以上)
通算5代目になる名門ハイブリッドカーのプリウスですが、2023年(1月から12月)に年間登録車販売台数ランキングで6位と大健闘するなど、今も高い人気を誇っています。
そんなプリウスをもとに、インド人デザイナーのVishnu Suresh氏が制作した今回のイメージCGには、新型プリウスの特徴であるヘッドライト形状やボディ全体のシルエットがしっかりと反映されています。
ただ、サイドドアは4枚から2枚となっており、標準の5ドアハッチバックのスタイルから、ルーフ後端がなだらかに下げられたシューティングブレークのようなスタイリングへと変更されています。
また、フロントバンパーの大開口エアインテークやサイドホール、極端に膨らんだ前後のフェンダー、ワイドフェンダーから溢れんばかりに幅広となった推定21インチサイズの大径タイヤ&ホイール、ギリギリまでローダウンされた車高なども特徴的。
リア周りには、大口径の4連マフラーエンド、リアバンパー中央にはF1やGTカーでもお馴染みのリアフォグランプを配置しており、過激な改造が施されたカスタムカーとなっています。
新型プリウスは、もともと4ドアクーペ風にも見せているスタイルですので、2ドアクーペという企画はあっていいように思います。
実際、筆者(くるまのニュースライター 河馬兎)が新型プリウスの取材会に参加した際、トヨタ関係者に「新型プリウスでクーペ版をつくる可能性はありますか」と質問したところ、次のような回答がありました。
「お客様からの反響があって需要が高まれば、いずれ開発することはあるかもしれません」
もしかしたら、トヨタ社内でもそうした企画が一度は構想されたのかもしれないなあと、話を聞いた筆者は感じました。
■使い勝手を重視する現代のユーザーに2ドア車は「難しい」!?
ただ、単に「需要があれば」ということとなると、新型プリウスクーペの実現は、難しいように思います。
2ドアクーペは、4ドアよりも伸びやかなデザインにできることで、優雅なスタイリングを楽しむことができるのが魅力。
しかしながらその格好良さゆえ、日常の使い勝手はどうしても劣る面があります。
2ドアクーペはサイドドアが長く(大きく)なることで、ドア操作が重たくなることのほか、大きいために開け閉めの際に苦労します。
隣のクルマにぶつからないように気を付ける必要があるのでなおさらです。
そして後席に座るには、前席を前へ倒して潜り込む姿勢になることなど、デメリットが多いのも事実なのです。
運転をしたり、止まっている姿を眺めるぶんには魅力的なのですが、駐車場などの狭い場所では、使い勝手は最悪といえるかもしれません。
筆者も少し前まで2ドア車を所有していましたが、こうした問題に絶えず気を遣っていました。
道路事情が厳しく、クルマに使い勝手を求める現在の日本市場では、2ドアクーペのカッコ良さを望む声よりも、不便さへの拒絶反応のほうがずっと大きいかもしれません。
とはいえ、ライバルのホンダは、シビックをベースにしたクーペモデル「PRELUDE Concept(プレリュード コンセプト)」を「ジャパンモビリティショー2023」に参考出品し、近い将来の市販化構想も明らかにしたことで大いに話題を呼びました。
ホンダではプレリュード コンセプトについて電動化モデルであると公表しており、最新のハイブリッドシステムを搭載していると予想されます。
もしプリウスクーペが実現すれば、ガチのライバル車として互いに盛り上がりそうな予感がします。
※ ※ ※
2024年1月に開催された東京オートサロンでは、プリウスクーペ風の2ドアコンセプトカーが出展されていました。
群馬自動車大学校のGAUS カスタマイズ科が公開した「650vision」です。
こうした実物のクルマを見た人々による「欲しい!!」との声が大きくなれば、プリウスクーペが誕生する可能性はゼロではないかもしれませんね。
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