2021年4月に開催された上海モーターショーで、RAV4ベースのクラウンクルーガーやミニバンのクラウンヴェルファイアが発表された。
「クラウン」の名を冠したこの2モデルがいずれもFF車であること、さらに一部の新聞報道もあったことで、「次期型クラウンはFF化か?」という噂が出ていることはすでにベストカー本誌のスクープでも取り上げている。
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そうなると、現行型クラウンは最後のFR車ということになるのかもしれないのだ。TNGAの採用や6ライトウィンドウのスタイリッシュなデザインによって刷新された意欲作の現行型クラウンだが、新車セールスでは苦戦を強いられている。
国産高級セダンの代名詞で、セダン不振のなかでも販売台数が順調だったクラウンでさえも、ユーザーの「セダン離れ」にはもう持ちこたえられない状況となっているのかもしれない。そこで、2018年6月に登場し、3年目の初の車検サイクルを迎えた現行型クラウンの中古車事情を紹介する。
文/萩原文博
写真/TOYOTA、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】FRはいつまで続けられる!? 現行クラウンを画像でチェック!!
■現行クラウンは基本コンポーネンツを一新した意欲作
15代目の現行型クラウンは2018年6月に登場した。トヨタのクルマ構造改革である「TNGA」を採用し、プラットフォームやパワートレーンなどを一新し、ボディの高剛性化や低重心化を実現することで、意のままのハンドリングとフラットな乗り心地を実現した。
さらに、新たなモビリティライフを提案する初代コネクティッドカーという新しい挑戦を行った意欲作となっている。
向上した走行性能に合わせて、外観デザインも6ライトウィンドウを採用したスポーティなデザインへと一新。インテリアも8インチと7インチのディスプレイを連携させた新開発のダブルディスプレイを採用し、初代コネクティッドカーらしい先進性をアピールしている。
現行クラウンはTNGAプラットフォームによる走りと、初代コネクテッドカーという先進性をアピールしている
6ライトウインドウ採用による少し前からの流行りにもなっているクーペフォルムのボディライン
搭載するパワートレーンは、2.5L直4ガソリンエンジン+モーターを組み合わせたハイブリッドシステムをはじめ、2L直4ガソリンターボエンジン&8速AT、そしてトヨタブランド初搭載となった3.5L V6エンジン+モーター&10速ATのトランスミッションを組み合わせたマルチステージハイブリッドシステムの3種類を用意。
パワートレーンは3タイプ。2Lターボ、2.5Lハイブリッド、3.5Lハイブリッド
駆動方式は2WD(FR)を中心に2.5ハイブリッド車にのみ4WDを用意している。また3種類のパワートレーンには標準モデル、走りに磨きを掛けたRS、そして豪華仕様のG-エグゼクティブがそれぞれ設定されている。
クラウン G-エグゼクティブは新車価格700万円を超える
さらに、安全装備では、運転支援システムは第2世代となる予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備。
歩行者検知(昼間・夜間)・自転車運転者検知(昼間)を行う衝突回避支援または被害軽減を図る「プリクラッシュセーフティ」をはじめ、前方車両の追従走行を支援する「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」、レーダークルーズコントロール使用時に同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援する「レーントレーシングアシスト(LTA)」など、5つの機能をパッケージング。
また、コネクティッドサービスとして、T-Connectサービスを3年間無料で提供している。
■時代に合わせて年次改良もされている
現行型クラウンは2020年4月に一部改良を行い、T-Connect SDナビゲーションシステムにSmart Device LinkやApple CarPlay/Android Autoといったスマートフォン連携機能を追加し、スマホアプリをナビに表示して操作することが可能となった。
また、一部グレードを除きドアトリム&インストルメントパネルの加飾に合成皮革を採用し上質感を高めた。
そして、2020年11月にも一部改良を行い、体調急変などドライバーの無操作状態が継続している場合、徐々に車両を減速させ自車線内に停車。早期救命救急をサポートする「ドライバー異常時対応システム」などの機能を追加した最新の「トヨタセーフティセンス」を搭載。
さらに、ダブルディスプレイを廃止し、12.3インチのワイドディスプレイを採用しインストルメントパネルのデザインを変更している。
2020年の一部改良でT-Connect SDナビゲーションシステムを採用。インパネもコンベンショナルなデザインに変更されている
それでは、現行型クラウンの中古車事情を見てみよう。
■現行クラウンのオススメは?
現在、現行型クラウンの中古車は約940台流通している。2020年4月の時点では、約510台だったので、約1.8倍となっている。
中古車の平均価格は約424万円で、需要期直後の2021年4月が約435万円。そして2020年4月の時点では約465万円だったので、現行型クラウンの中古車の平均価格は約1年で約40万円。直近の2カ月で約10万円の値落ち幅を記録している。
流通している中古車の平均走行距離は約2万kmまで伸びており、中古車の価格帯は約258万~約830万円となっている。1年前の価格帯は約289万~約788万円だったので、最安値は約30万円下がったことになる。
中古車の年式を見てみると、その理由がわかる。現行型クラウンの中古車の最も多い年式は約62.6%を占めているデビューイヤーの2018年式。次いで24.7%の2019年式となり、2020年式はわずか5.4%となっているのだ。
この年式の分布を見ても現行型クラウンの新車販売が苦戦しているのがわかる。一般的に人気の高いモデルはデビューしてからの中古車の流通台数の増減は少ないもの。しかしクラウンはデビューイヤーをピークに翌年は半減、さらに翌年は半減という厳しい状態となっているのだ。
流通している現行型クラウンのグレード構成を見てみると、最も多いのが2.5ハイブリッドRSアドバンスで約293台。価格帯は約329万~約749万円。
続いては2.5ハイブリッドRSの約111台で、価格帯は約300万~約569万円。そして2.5ハイブリッドS Cパッケージが約110台で、価格帯は約278万~約469万円となっていて、人気の2.5ハイブリッド車もかなりお買い得となっている。
中古車ならクラウン S(ハイブリッド)もかなりお買い得
そのなかで値落ち幅が大きくて特にオススメなのは、中古車が約60台流通している3.5ハイブリッドRSアドバンス。新車時価格は2.5ハイブリッドRSアドバンスの597万9000円よりはるかに高い710万7000円だが、3.5ハイブリッドRSアドバンスの中古車の価格帯は約349万~約830万円となっており、450万円以下の中古車が約21台となっている。
クラウンRSアドバンス。中古車では3.5ハイブリッドも値落ち率が大きいので、狙い目だ
これは税金の高い大排気量エンジンが敬遠されるためであるが、より滑らかな加速性能と静粛性が高い3.5ハイブリッドのラグジュアリーさは格別だ。今後、初の車検サイクルを向けるクルマが増えると、中古車相場はさらに活発な動きを見せるので、まさに買いのタイミングを迎える。
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