このクラスで最もパワフルなモデル
フォード・トランジット・シリーズは、英国フォードにとっての売れ筋モデル。2021年では、英国で最も多くを販売したモデルとして、記録を残したほど。ブランドにとって、とても重要な意味を持っている。
【画像】純EVになったトランジトットとキャンパーのナゲット 欧州で増加中 電動商用車も 全69枚
欧州では、自動車の電動化が急速に進んでいる。クルマを使う各企業も、環境に優しいというイメージを醸成したいと考えている。フォードを代表するトランジットは、純EVである必要が出てきた。そこで誕生したのが、E-トランジットだ。
電動だからといって、能力を抑制しないのがフォード。駆動用モーターの最高出力は上位グレードで269psもあり、E-トランジットは現在英国で売られているこのクラスのバンとして、最もパワフルなモデルとなっている。
ちなみに、1つ下のグレードでも183psある。最大トルクは、どちらも43.8kg-mとたくましい。
現在の純EVを俯瞰してみると、商用車として最高出力を2段階から選べるモデルは少ない。さらにボディスタイルは25種類が用意され、その独自性を際立たせている。
ホイールベースは、ショート、ミディアム、ロングの3種類。ルーフ高も2種類あり、車両総重量は4.25tまで、3段階に分かれている。シングルキャブのトラックもある。英国で購入できる純EVの商用車としては、最も幅広い選択肢が用意されている。
コイルのリアサスに12インチ・モニター
多くの要求に答えてくれそうなE-トランジットだが、選べないコンポーネントとなるのが、駆動用バッテリー。実容量で68kWhの一択で、航続距離は最長315kmが得られる。市街地での配送などなら、基本的にまかなえるだろう。
もし充電が切れても、最高115kWの急速充電器にまで対応。最短34分で、残量15%から80%まで蓄えられるから、お昼休憩に済ませることも可能だ。
駆動用バッテリーとモーターは、リアアスクル側の底部に搭載されている。バッテリーは重いものの、E-トランジットの最大積載量は1758kgまで対応。車両総重量が3.5tのモデルの場合、1tの荷物を運ぶことができる。
純EV化されたE-トランジットだが、見た目は内燃エンジンで走るトランジットと基本的に変わりない。車体の下側まで覗き込めば、リアサスペンションがコイルスプリングに変わっていることに気付ける。ディーゼル版は、リーフスプリングだった。
ドアを開くと、通常のトランジットとの違いは大きい。マスタング・マッハEと同じ、12.0インチのタッチモニターがダッシュボードに奢られている。
フォードがシンク4と呼ぶ、コネクティビティ対応のOSで作動し、エンターテインメントやナビ、天気情報などを提供してくれる。このOSは、無線通信でのアップデートも可能だという。
最も運転を楽しめるフォード社製バン
さて、実際に運転してみよう。欧州の商用車の定番といえるトランジットは、大きさを感じさせない運転のしやすさが特長といえる。それは、純EVとなってさらに伸ばされた印象を受けた。
駆動用バッテリーはシャシー下面にボルトで固定され、重心が低く安定感が増している。コイルスプリング化されたリア・サスペンションのおかげで、足取りも良好に感じた。
さらに、駆動用モーターはパワフル。エントリーグレードの183ps版でも充分に速く感じるが、269ps版なら、青信号からのスタートダッシュで周囲を驚かすこともできるだろう。
もちろん速く走ると、バッテリーも減る。ノーマル・モードでの勢いの良い走りは爽快だが、プロドライバーなら、エコ・モードを利用した運転を心がけた方が良いかもしれない。最高出力を制限し、航続距離を伸ばすことができる。
スリッパリーという、滑りやすい路面用のモードもある。パワーデリバリーとトラクション・コントロールを適切に調整することで、安全性を高めてくれる。
シャシーバランスに優れており、E-トランジットは最も運転を楽しめるフォード社製バンかもしれない。全体的な印象は淡白だが、純EVならではの静けさがもたらすものだとも思う。
エンジン音がないぶん、風切り音やロードノイズがうるさいのでは、と想像するかもしれないが、そんなことはない。試乗車は最終の試作車だったが、内装の組み立て品質は高く、キシミ音もしなかった。
価格は内燃エンジン版の2台分
回生ブレーキの制御は、他ブランドの純EVとは少々異なる。ダッシュボード中央のセレクターに用意されたLボタンを押すと、制動力が非常に強くなり、アクセルペダルの踏み加減だけで停止できるワンペダル・ドライブも可能になる。
また、ブレーキペダルをタップするように1度や2度、ポンポンと踏むことで、回生ブレーキの強さを調整できる。ステアリングホイールのパドルでの方が直感的かもしれないが、E-トランジットも機能性は良い。
E-トランジトットは利便性にも優れる。最大2.3kWまで外部給電が可能で、冷蔵庫や電動工具、照明などを利用できる。駐車時には、俯瞰で車両の周囲映像を大きなモニターに投影してくれ、経験を積んだドライバーでも重宝するはず。
車両価格は割高で、ざっくりいうと1台のE-トランジトットで2台の内燃エンジン版トランジトットを買えてしまう。だが、メルセデス・ベンツの純EV商用バン、eスプリンターより安い。走りも速く好感触だから、訴求力は高いといえるだろう。
フォードE-トランジトット 269ps リーダーL2 H2(欧州仕様)のスペック
英国価格:5万3330ポンド(約826万円)
全長:5531mm
全幅:2447mm
全高:2112mm
最高速度:136km/h(予想)
0-100km/h加速:7.0秒(予想)
航続距離:315km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2500kg(予想)
パワートレイン:AC非同期モーター
駆動用バッテリー:68.0kWh(実容量)
最高出力:269ps
最大トルク:43.8kg-m
ギアボックス:−
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?