基本的にはXC40のクーペ風モデル
執筆:Mike Duff(マイク・ダフ)
【画像】増加の一途 純EVクロスオーバー ボルボC40 欧州で競合するモデルと比較 全113枚
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)
クーペ風ボディをまとったクロスオーバーのC40 リチャージ・ツインプロは、純EVのみが用意されるボルボ初のモデル。今回試乗したのは、そのなかでもトップグレードに当たるツインモーターの四輪駆動、ツインプロ仕様だった。
C40には内燃エンジンが搭載されないものの、基本的にはXC40のクーペ風モデルといえる。ルーフラインが低められたシルエットのボディをまとい、プラットフォームもXC40と共通のコンパクトモジュラー・アーキテクチャを採用する。
XC40とC40は、ボディサイズもほぼ同じ。ホイールベースの2702mmと、全幅の1910mmはどちらも同値。全長はC40の方が6mmだけ長く、4431mmとなっている。一方で全高は1582mmで、69mmも低い。
今回試乗したボルボC40のツインプロは、前後に203psのAC同期モーターを1基づつ搭載し、主要コンポーネントをポールスター2と共有する。AWDの純EV、XC40 リチャージとも。追って、シングルモーター版も追加される見込みだ。
駆動用バッテリーの容量は78kWhあり、フロア下に敷き詰められる。急速充電器はDCで150kWまで対応。最短40分で80%の電気を蓄えることができるという。
クルマ側には11kWのAC充電システムが内蔵され、英国家庭のコンセントにつなげば約11時間でフル充電になる。航続距離はWLTP値で439kmと、充分な長さを持つ。
暴力的と感じるほどの動力性能
システム総合で407psもあるだけあって、動力性能は暴力的と感じるほど。アクセルペダルのストロークが長く、溢れんばかりのエネルギーの湧出量は調整しやすい。全体の25%程の領域を使えば、現実の交通の流れを余裕でリードできる。
それ以上踏み込むと、英国郊外の法定速度となる97km/hを余裕で超える領域まで、息を呑むような加速Gを生み出す。ツインモーターのC40の0-100km/h加速時間は4.7秒。これまでのボルボで、最も鋭い加速を実現した1台といえるだろう。
ダッシュ力には驚かされるものの、C40はスポーツカーではない。サスペンションは柔らかく、回頭させようとすると、ボディーロールやノーズダイブなどの姿勢変化が大きい。トラクションが不足気味になると、電子制御システムが即座に介入してくる。
車重は2185kgあり、濡れた路面では明らかなアンダーステアも出ていた。履いていたタイヤが、オールシーズンのピレリ・スコーピオンだったことも理由だろう。
C40にぴったりなのは、穏やかな運転。滑らかなベルギーの道路環境では、とてもしなやかで洗練された乗り味だった。車内は非常に静かで、高速道路を走らせてもAピラー付近から風切り音が聞こえるくらい。
回生ブレーキの効きを強く切り替えて、ワンペダルドライブも可能。非常にスムーズに発進し、カックンブレーキなく停止できる。
グーグルが開発したシステムを実装
ボルボC40のトピックの1つが、グーグルが開発したインフォテインメント・システムを実装すること。ダッシュボード中央に縦型の9インチ・タッチモニターが備わり、グラフィックは高精細。メニューを掘り下げれば、サスペンションなどの変更もできる。
操作系を簡素化しようというボルボの取り組みによって、C40にはハンドブレーキのスイッチすら備わらない。C40の起動もキーを持ったままクルマに乗り込み、シフトレバーでドライブを選ぶだけだ。
車内空間はクラス相応。XC40よりリアシート側の頭上空間は削られているが、大人を乗せた日常的な移動には問題ないと思う。
荷室容量は、リアシートを起こした状態で413Lある。フロントのボンネットを開けば31Lの空間が現れ、充電ケーブルを収納するのに丁度いい。
ちなみにC40では、動物の皮革を用いた、いわゆるレザー内装を選べない。オプションでも。しかし、マイクロファイバーで仕立てられたシートは肌触りも座り心地も優れる。試乗車には、ドアパネルにデニム素材のようなクロスも用いられていた。
一方で、黒いプラスティック製部品も少なくない。ダッシュボード上面はゴムコーティングされているが、筆者は1970年代のルノーが採用していた処理に近いと感じた。
シングルモーターの方がC40には好適か
巨大なグラスルーフにアダプティブLEDヘッドライト、ハーマンカードン社製のサウンドシステム、高機能な運転支援システムなどが装備されている。とはいえ、高めの価格に相応しいインテリアだと感じない人もいるかもしれない。
C40リチャージ・ツインプロの英国価格は5万7400ポンド(872万円)からだが、実際はリースプランでの利用が多い見込み。英国の場合、3年間の固定で毎月729ポンド(11万円)か、3か月更新で毎月879ポンド(13万3000円)という内容から選べる。
ツインプロのシャシー性能は動力性能を発揮できているとはいえず、追って登場予定のシングルモーターの方がC40には適している可能性が高い。価格もより手頃になるはず。XC40 リチャージと同様に。
高水準のパフォーマンスを楽しめる純EVクロスオーバーをお探しなら、ツインモニターのポールスター2という、魅力的な選択肢も英国にはある。メカニズムはC40とほぼ同等でもある。
ボルボC40 リチャージ・ツインプロ(欧州仕様)のスペック
英国価格:5万7400ポンド(872万円)
全長:4431mm
全幅:1910mm
全高:1582mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:4.7秒
航続距離:439km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2185kg
パワートレイン:ツインAC同期モーター
バッテリー:78Wh
最高出力:407ps
最大トルク:67.2kg-m
ギアボックス:−
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みんなのコメント
こんな見た目なのに速すぎw
色々な面で新しい車だし、EVに向かうボルボの一号機だから力が入っているだろう。