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MG 4 EV 詳細データテスト 安価ながら高い完成度 後輪駆動の楽しさあり 快適性にも進歩あり

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MG 4 EV 詳細データテスト 安価ながら高い完成度 後輪駆動の楽しさあり 快適性にも進歩あり

はじめに

MG 4は、MGモーターのシフトチェンジを代表するモデルだ。中国の大手メーカーであるSAICのサブブランドとなって久しいMGは、近年ではEVの拡充を図っている。まずまずの成功を収めてきているが、それは航続距離の長さと、うまい価格設定によるものだ。

【画像】写真で見るMG 4 EVとライバル 全15枚

言い換えるなら、最近のMG車は合理的な選択肢にすぎないということだ。航続距離と価格を除けば、よくて平均レベルだし、とにかく安いからというのが一番の購買動機になっているというのが現実だ。

もちろん物価高の昨今において、クルマにかけるコストを抑えることの利点は大いにある。しかし、すべてが横並びになりつつあるとすれば、多少なりとも楽しいほうのクルマを選びたくなるのが人情というものだ。

そんな状況が、今回のテスト物件から変わろうとしている。今後のMGが送り出そうとしているクルマたちは有望株揃いだと期待されているが、その第1弾がMG 4 EVなのだ。初試乗ではなかなかの好印象だった。さらに昨年、これよりずっと高価なフォルクスワーゲンID.3と比較してみて、この上ない電動ハッチバックであることがよくわかった。

となれば、今度は単体で、ロードテストの俎上に載せてみたくなる。データを厳密に計測しても、ライバルの上を行くことができるのか、確かめてみようではないか。

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

これまでMGは、ZSやMG 5の電動モデルを用意してきたが、MG 4はそれらと異なり、EV専用設計だ。市販車にはじめて用いられる新開発プラットフォームのMSPは後輪駆動ベースで、ホイールベースは2650~3100mm、バッテリーは40~150kWhに対応。高性能モデルは、フロントにモーターを追加し4WD化する。

バッテリーはフロアに統合され、構造体の一部を担う。厚さは110mmに収められ、ハッチバックやセダンを低く感じられるクルマに仕立てることに寄与する。

おもしろいことに、MGはこのアーキテクチャーを800Vシステムやバッテリー交換方式にも対応するよう設計したと説明する。それは、ニオがドイツではじめようとしているものと同様だ。

当面のところ、MG 4はさほど野心的ではない、中型ハッチバックとしては妥当なクルマにすぎない。400Vシステムで、バッテリーはグロス51kWh/ネット50.8kWhのリチウムイオンと、グロス64kWh/ネット61.7kWhのニッケルコバルトマンガンが用意されている。

また、シングルモーターの後輪駆動のみの設定で、スタンダードモデルが170ps、ロングレンジ仕様が204ps。中国ではムーランの名で販売され、パワートレインの選択肢は少し広がり、エントリー仕様と、2モーターのハイパフォーマンス仕様が加わる。

欧州市場へは、エントリー仕様はともかく、MGが本来のスポーティなブランドイメージを復権しようというなら、449ps・4WDの最上位モデルは導入の可能性がある。それなら、サイバースターコンセプトとして提案された来るべき電動ロードスターと並んでも収まりがいいはずだ。

競合モデルはクロスオーバー寄りのものが多いが、MG 4はよりハッチバックらしいデザインを採用した。4287mmの全長は、フォルクスワーゲンID.3とクプラ・ボーンの兄弟や、キア・ニロEVよりわずかに短い。もっとも似通っているのはルノー・メガーヌEテックだが、シトロエンE-C4やプジョーe−2008ともターゲットはバッティングする。プジョー308とヴォグゾール・アストラのEV版が発売されれば、それも競合となるだろう。

ライバルひしめくこのセグメントにおいて、MG 4は個性を主張する必要がある。そこでスタイリングは、これまでやや独創性に欠けていたSAIC傘下のMGとは大きく変化したものとなった。小径ホイールは安価なクルマのイメージを感じさせるが、大きなヘッドライトや多用されたプレスライン、テールライトやスポイラーが一体化した黒いユニットなどは、たしかに主張の強いものだ。

内装 ★★★★★★★☆☆☆

SAIC傘下での再出発以来、MGは安価なクルマのブランドに位置づけられ、インテリアはかつて金属やレザーをふんだんに使っていた頃より、コストカットしても見栄えのいいものにするためのチャレンジを行ってきたようだ。。その方面で上手なのはダチアだが、MGも研鑽を重ねている。そうして、MG 4ではMG 5とまったく違うものとなった。

MG 4のキャビンが魅力的なのは、ドライビングポジションがよく考えられているからだ。SUVが幅を効かせるなかにあって、これは紛うことなきハッチバックで、着座位置は低く、脚を伸ばして座るポジションで、ステアリングコラムの調整幅は大きい。テストしたSEグレードのシートやトリムはファブリックで、ややベーシック感があるが、丈夫そうで、まったくいやなものではない。

プラスティック部は全体的に硬く引っかかる感触もあるが、ダッシュボードとアームレストにはわずかながらソフトな部分もある。ほぼ全てがそこそこソリッドで組み付けはしっかりしており、スイッチ類にはそこそこ重みのある手応えが感じられる。

奇妙にして残念だったのは、ドアパネルには柔らかいビニールが張られているのに、肘を乗せることもあるドアの上部にはテクスチャーの入ったプラスティックで覆われていること。硬くて落ち着かず、爪が引っかかることもある。

初見では、エアコン操作は画面上の小さなボタンでしかできないのかと思った。スマートフォンをミラーリングした際などには消えてしまうので、どうするのかと詳しく見ていくと、ステアリングホイール上のボタンを、温度と風量を調整できるよう設定することができるのがわかった。

小物入れはまずまずよく備わっていて、センターコンソールには長めの収納があり、真っ当なサイズのグローブボックスと、だいぶ浅いドアポケットがある。

サイズ的にはBセグメント以上・Cセグメント未満で、後席はフォルクスワーゲンID.3ほど広くない。しかし、短いボンネットと長いホイールベースにより、一般的なCセグメントハッチよりスペースがある。

しかも、リアシートは上向きに角度がついているので、多くのEVより快適な着座姿勢が取れる。現実的にみて大人にもすすめられる空間だ。

荷室容量は363Lで、Cセグメントハッチに予想する程度の広さだが、フロアはフラットではない。トロフィー仕様はフロアパネルが二重底になり、充電ケーブルの収納スペースが生まれている。

走り ★★★★★★★★☆☆

多くのEVメーカーがそうであるように、MGは150kW、すなわち204psのモーターをMG 4に積んだが、トルクはルノー・メガーヌEテック・エレクトリックやクプラ・ボーンより低く、ルノーよりやや重く、0-97km/h加速は両車よりやや遅い。

その差はコンマ秒単位で、7.1秒というのはファミリーハッチバックとしては十分以上に速い。トラクションコントロールを切ってもホイールスピンなしに発進したので、ウェットコンディションが悪影響を与えたとは思えない。

MG 5のトラクションコントロールシステムが腹立たしいほど不器用だったのに対し、MG 4のそれはもっと上等で、ほとんどの場合にその作動ぶりは気づかないほどかすか。事実、あまりにも放任主義的だと感じるドライバーもいたほどだ。

EVではしかたないことだが、高速道路の速度域や、充電量が減少した時にはパフォーマンスに衰えが感じられるが、それでも常に完璧なほど適切だ。0-161km/hはボーンよりほんのわずか遅いが、それでも電子制御リミッターが作動するまでかなり強力な加速を見せる。

回生ブレーキのレベルは4段階。ロー/ミディアム/ハイと、センサーの情報を用いて状況に応じた適切な減速具合を決定するアダプティブモードが用意される。その最後の選択肢は、ちょっとばかり無駄な努力をしているように感じられる。ワンペダル運転やコースティングができるモードはない。

回生ブレーキのモード選択は、インフォテインメントシステムのメニューで行う。それについてじつに腹立たしいのは、メニューがいくつかの階層の下にあることで、しかも始動するたびにデフォルトのミディアムモードに戻ってしまうことだ。もっと楽にアジャストできて、選んだモードを維持するようにしてほしい。

フットブレーキにも不満がある。ブレーキのフィールはノーマルとスポーツの2モードから選べるが、硬いほうのセッティングにしてもやや効きにムラがある。スタンダードなほうはフィールがソフトでトラベルが長く、あからさまに面食らうようなものになってしまっている。であるのに、回生ブレーキと同じく、始動すると常にノーマルモードに戻ってしまうのだから、困ったものだ。

制動性能自体は、掛け値なしにかなりいい。寒いヘヴィウェットなコンディションでも、113km/hからの制動距離は、湿り気味の路面で計測したルノーの競合モデルより8.6m短かった。ブレーキングも完璧にコントロールされ、ロックする気配すらなかった。

使い勝手 ★★★★★★☆☆☆☆

インフォテインメント

MGのマルチメディアシステムは、かなりベーシックなタッチ画面式インターフェイスを用いる。とくにほめるところはないが、使い方を見極めるのは簡単だ。

画面の反応はまずまず早いが、かなり強く突かないといけない。また、ボタンや文字には小さめのものもある。ホーム復帰と音量調整は実体ボタン。ショートカットのヴァーチャルボタンの列も配置されるが、エアコンパネルともども、スマートフォンをミラーリングすると消えてしまうのは腹立たしいところだ。

Apple CarPlayもAndroid Autoも有線接続式で、前席にはタイプAとタイプC、後席にはタイプAのUSBポートが設置されている。

テスト車はSEグレードで、ナビゲーションが標準装備されるのは、さらに上位機種のトロフィーグレード。別の機会にそれを試してみたが、わざわざ追い金して手に入れる価値のあるものではなかった。案内はまずまずわかりやすく、使いやすいが、渋滞情報はGoogleマップにかなわない。

燈火類

LEDヘッドライトは標準装備で、そこそこ光が強く、自動ハイビームの信頼性も高い。トロフィー仕様ではアップグレード版となるが、マトリックスLEDの設定はない。

ステアリングとペダル

ドライビングポジションは、やや左へオフセット。これはホイールアーチの張り出しによるものだ。フットレストが必要以上にワイドなこともあり、ロングドライブで脚を伸ばす余地はない。

操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆

本格的なEVの時代になろうとしつつあるなか、各社は前輪駆動派と後輪駆動派に分かれようとしている。ルノーやステランティス、キアなどは、小型EVを前輪駆動化して、前後を結ぶケーブルをなくし、シングルモーターをフロントに積んで荷室の深さを稼いでいる。内燃エンジンのFFモデルとより多くのコンポーネンツをシェアするのも、狙いのひとつだ。

いっぽう、違う選択をしたのが、フォルクスワーゲンや今回のMG。そこには独自のパッケージングの利点と、ハンドリングの優れたクルマに仕立てることができるポテンシャルがある。

それらのアドバンテージは、多くのドライバーにとってはさほど明確に感じられるものではないかもしれない。しかし、それを求めるドライバーにとっては大きな意味がある。MG 4の場合、ステアリングはうれしくなるほど、モーターの瞬間的なトルクに損なわれずに済んでいる。コーナーで、引っ張られるのではなく押し出される感覚は、いつだって楽しいものだ。

左右の前輪の間にエンジンもモーターも不在なので、スペースいっぱいに舵角を取れるため、回転径は驚くほどタイトになる。ロックトゥロック2.8回転と聞いたらかなりスローなステアリングに思えるが、そうではない。それだけ大きくタイヤが切れるということだ。ただし、奇妙な見た目のステアリングホイール越しに、もう少しフィードバックが感じられたらうれしいのだが。

スポーティさのマイルドな後輪駆動EV、具体的に言えばクプラ・ボーンと比べれば、MG 4はサスペンションが比較的ソフトで、より大きなボディの挙動を許容する。結果として、クプラよりややクルマとの距離が大きく、抑えは足りない感触となっている。

しかし、それに自分を合わせることはすぐにできて、英国のゴツゴツした道も意に介せずいなしてしまうことに気づく。

MGパイロットと銘打たれたドライバーアシスタンスシステムは、良いところも悪いところもまぜこぜといった感じ。エントリーグレードのSEでもACCと車線追従機能は標準装備だが、その出来はかなりプア。しかも、一般的なクルーズコントロールに切り替えることはできない。

ACCはビクビクとギクシャクした動きを見せ、車線追従はレーンの端ギリギリまで流れたかと思うと、ドライバーとコントロールを争うように作動する。反面、レーンキープアシストは、全体的に運転を邪魔せず、自動緊急ブレーキにもなんら問題はなかった。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

ドタバタしているうえにもがくような乗り心地のMG 5は、ソフトなサスペンションと厚いサイドウォールがあれば快適というわけではないことを示した。ありがたいことにMG 4は、そこがうまくできていた。全体的に、路面の穴は角を丸めた感触となり、バンプはスムース。一般的なパッシブサスペンションとしては、これ以上を望むのは難しいだろう。

サスペンションからのノイズはライバルより大きく、路面状況によっては反響音や振動に少し苛立ちを覚える。しかし全体的には、かなりコンフォートなクルマだ。

テスト車は、初期生産車にあったような過度の風切り音には悩まされずに済んだ。ただし静粛性は、ルノーやクプラ、プジョーの競合モデルのほうが多少よかった。

多くの安価なクルマとは異なり、背が高いドライバーが座ってもシートは悪くない。クッションは長さがあり、角度もいい感じ。とはいうものの、シートにはコストカットの痕跡も見られる。上級グレードのトロフィーでさえ、ランバーサポートの調整が効かないのだ。横方向のサポートにも欠け、SEグレードでは、エアコンの使用を控えたいEVには必要性の高いシートヒーターが備わらない。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

テストしたロングレンジSEは2万9495ポンド(約487万円)で、ルノー・メガーヌEテック・エレクトリックの近いグレードであるエキリーブルより7500ポンド(約124万円)も安い。シトロエンe−C4は3万1995ポンド(約528万円)と近い価格帯だが、航続距離はかなり短い。充電回数が頻繁になるのを気にしないなら、2万6995ポンド(約445万円)のスタンダードレンジもある。

7年保証というのも魅力的に思えるが、走行距離は13万kmが上限。バッテリー保証を追加するプランもない。多くのメーカーは8年後で80%の充電量を保証しているが、MGは通常保証期間内で70%とやや見劣りする。

公称135kWという急速充電は、このクラスでは競争力のあるもので、実測ではピークで139kWをマークした。これは充電量50%まで続き、そこからは徐々に低下していった。10~90%の所要時間は35分と、公称値よりやや早かった。

ただし、旧型の50kWチャージャーでは受け付けないことがあった。こうした充電器はかなりの数が使われているので、実用面では深刻な問題だ。

テスト中の気温はほぼひと桁台で、エネルギー効率向上の助けにはならなかった。4.8km/kWhを上回るのは難しく、計算上の航続距離は298km止まり。しかし、もっと温暖な天候では5.8km/kWhをマークし、それなら357kmの走行が可能だ。公称値の6.0km/kWhに近い数値で、クプラやキアのライバル車にも迫る。

寒さによって露呈したMG 4ならではの問題はほかにもあった。エアコンの温度設定がかなり不正確で、ほかのクルマと同じように暖房を効かせるには、設定温度を4℃ほど高くする必要があった。

スペック

レイアウト

MG 4は、新開発のモジュラー・スケーラブル・プラットフォーム(MSP)を採用する初のモデル。今後、MGブランドのEVは全車がMSPを使用する予定だ。

フォルクスワーゲンのMEBと同じく、バッテリーパックはフロアの構造部と一体化し、モーターはリアに1基搭載。その結果、前後重量配分は49:51とわずかにリア寄りとなった。

パワーユニット

駆動方式:リア横置き後輪駆動
形式:同期電動機
駆動用バッテリー:リチウムイオン(ニッケル・コバルト・マンガン)・400V・64.0kWh(グロス値)/61.7kWh(ネット推定値)
最高出力:204ps/-rpm
最大トルク:25.4kg-m/-rpm
最大エネルギー回生性能:-kW
許容回転数:-rpm
馬力荷重比:121ps/t
トルク荷重比:15.1kg-m/t

ボディ/シャシー

全長:4287mm
ホイールベース:2705mm
オーバーハング(前):841mm
オーバーハング(後):741mm

全幅(ミラー含む):2060mm
全幅(両ドア開き):3580mm

全高:1504mm
全高:(テールゲート開き):2000mm

足元長さ(前):最大1085mm
足元長さ(後):最大705mm
座面~天井(前):最大915mm
座面~天井(後):最大710mm

積載容量:363~1177L

構造:スティールモノコック
車両重量:1685kg(公称値)/1692kg(実測値)
抗力係数:0.29
ホイール前・後:7.0Jx17
タイヤ前・後:215/50 R17 95V XL
コンチネンタル・プレミアムコンタクトC
スペアタイヤ:なし(パンク修理剤)

変速機

形式:1速リダクションギア
ギア比
リダクション比:-
1000rpm時車速:-km/h
113km/h/129km/h時モーター回転数:-rpm/-rpm

電力消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:4.8km/kWh
ツーリング:4.3km/kWh
動力性能計測時:3.2km/kWh

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):7.9km/kWh
中速(郊外):-km/kWh
高速(高速道路):-km/kWh
超高速:-km/kWh
市街地:-km/kWh
混合:6.0km/kWh

公称航続距離:452km
テスト時航続距離:298km
CO2排出量:0g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動機械式、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.8回転
最小回転直径:10.6m

ブレーキ

前:290mm通気冷却式ディスク
後:280mmディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:電動式(センターコンソールにスイッチ配置)

静粛性

アイドリング:-dBA
全開走行時(145km/h):73dBA
48km/h走行時:62dBA
80km/h走行時:65dBA
113km/h走行時:69dBA

安全装備

ABS/ESP/LKA/AEB(歩行者・自転車検知機能)
Euro N CAP:5つ星
乗員保護性能:成人83%/子供80%
交通弱者保護性能:75%
安全補助装置性能:78%

発進加速

テスト条件:ヘヴィウェット路面/気温3℃
0-30マイル/時(48km/h):3.1秒
0-40(64):4.2秒
0-50(80):5.5秒
0-60(97):7.1秒
0-70(113):9.2秒
0-80(129):12.0秒
0-90(145):15.7秒
0-100(161):21.0秒
0-402m発進加速:15.7秒(到達速度:145.2km/h)
0-1000m発進加速:29.0秒(到達速度:169.1km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
ルノー・メガーヌEエック・エレクトリック・テクノ(2022年)
テスト条件:湿潤路面/気温14℃
0-30マイル/時(48km/h):3.2秒
0-40(64):4.3秒
0-50(80):5.4秒
0-60(97):6.9秒
0-70(113):8.6秒
0-80(129):10.7秒
0-90(145):13.4秒
0-100(161):16.8秒
0-402m発進加速:15.3秒(到達速度:154.5km/h)
0-1000m発進加速:28.5秒(到達速度:164.5km/h)

キックダウン加速

20-40mph(32-64km/h):2.2秒

30-50(48-80):2.4秒

40-60(64-97):2.9秒

50-70(80-113):3.8秒

60-80(97-129):4.9秒

70-90(113-145):6.4秒

80-100(129-161):9.0秒

制動距離

テスト条件:ヘヴィウェット路面/気温3℃
30-0マイル/時(48km/h):10.2m
50-0マイル/時(80km/h):28.3m
70-0マイル/時(113km/h):55.1m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.02秒

ライバルの制動距離ライバルの発進加速
ルノー・メガーヌEエック・エレクトリック・テクノ(2022年)
テスト条件:湿潤路面/気温14℃
30-0マイル/時(48km/h):11.8m
50-0マイル/時(80km/h):32.0m
70-0マイル/時(113km/h):63.7m

結論 ★★★★★★★★☆☆

MG 4 EVは、テクノロジーの境界線を乗り越えるものではないかもしれない。しかし、競合メーカーは間違いなく、このクルマを脅威だと見なすはずだ。というのも、多くの点でよくできていて、ほかの電動ハッチバックに目移りしないほどの値付けがされているからだ。

シャシーの洗練度はクプラ・ボーンに匹敵し、快適な乗り心地と後輪駆動らしく楽しいバランスをもたらしてくれる。そのサイズをうまく使って、広い室内スペースと概ね快適な設えを実現している。航続距離や効率、充電速度は、圧倒的ではないものの、競争力は十分だ。

プレミアム系モデルのフィーリングを求めないのであれば、MG 4で非難すべき点は根本的な問題ではなく、小さな不満がいろいろあることだ。

中でも大きいのは、ACCの出来がひどいこと。インテリアのクオリティにも、いくら安価でも見過ごせない問題が散見される。とはいえ、わずかな使い勝手面のクセや、ささいな洗練性の欠如は、数日乗れば気にならなくなる程度だ。

MG 4はシンプルに、ライバルたちは太刀打ちできないプライスであり、そのわりにはよく練られた電動ハッチバックだ。

担当テスターのアドバイス

イリヤ・バプラートMG 5は、新車市場でもっとも好きになれないクルマだ。コスパはいいが、どう走っても楽しくない。ところが、同じ会社が作った今回のクルマは、さまざまな点で競争力があり、走りが楽しく、驚きのコスパ。欧州のメーカーもウカウカしていられない。

マット・ソーンダース2モーター仕様も開発されているが、スポーティなモデルはもっとシンプルなものかもしれない。後輪駆動のままモーターのパワーをもう少し上げて、LSDとスポーツシートを加え、ステアリングとサスペンションをタイトに仕上げれば、MGの名に恥じないドライバーズカーなEVが出来上がるはずだ。

オプション追加のアドバイス

そうそう間違ったグレード選びは、しようと思ってもできない。ロングレンジモデルを見送る理由はほぼないし、トロフィー仕様は価格上昇分を正当化できる実用的な装備を満載している。ボディカラーは、テスト車の冷蔵庫みたいな白より華やかな色を選びたい。

改善してほしいポイント

・ACCは今のシステムを捨てて、新開発してほしい。
・エネルギー効率の改善を。
・インテリアにはもう少しボタンがあってもいい。

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