世界最高のハイブリッド技術による驚異の燃費をさらに改善させ、スタイリッシュなエクステリアデザインまでも得た、トヨタ新型「プリウス」。ただ発売から半年が経過し「強い傾斜のAピラーがあるので乗り込むのが大変(頭をぶつける)」や「左右の見通しが悪い」など、ユーザーからは先代プリウスのほうがよかったとする意見も挙がっている。
これらは個人の見解であり、筆者としてもだからといって先代プリウスのほうがよかったとは思わない(むしろ先代はいらないけど新型なら欲しい)が、新型が「絶対的正義」ではないのは、そうだと思う。
「HVの象徴」が安くなってきたぞ!! 先代プリウスの賢い買い方と狙い目グレード
またプリウスは人気車種であるために先代モデルであっても中古車買い取りで高めの査定となりやすく、中古車を探している人にお薦めしたい筆頭モデルのひとつ。ただ、先代プリウスであればなんでもいいわけではなく、いくつかのポイントをおさえることで、より高い下取り価格となる可能性がある。中古車買い取り業者がこっそり教えてくれた、先代プリウスを購入する際に抑えてほしいポイントをご紹介しよう。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA
狙うのは、高年式の「Sツーリングセレクション」
先代プリウスは、2015年に登場。クルマづくりを根本から見直したTNGAの採用第一弾モデルとして、強みだった燃費性能に加え、走りのよさも目指したモデルだ。37.2km/L(JC08モード、2WD標準モデル)と、驚異的な燃費性能を誇り、それまでFFのみだった駆動方式には、後輪をモーター駆動するE-fourを新設定、雪国のユーザーにも選んでもらえるようになった。
2018年に登場した後期型で、(前期型の)刺々しかったエクステリアが落ち着いたデザインに。また、動力用バッテリーをリチウムイオンバッテリーに統一し、ニッケル水素電池を廃止した。2020年の年次改良では、クリアランスソナーとアクセサリ―コンセントが全車標準装備、2021年の年次改良では、8インチのディスプレイオーディオを新採用、バックガイドモニターを標準装備した。このように先代プリウスは、毎年のように使い勝手が向上し続けていたため、できるだけ高年式の後期型プリウスを狙いたいところだ。
中古車買い取り業者によると、先代プリウスを購入する際におすすめのグレードは、「Sツーリングセレクション」だそう。このSツーリングセレクションは、先代プリウスでもっとも人気のあったモデルであるため、中古車の流通数も多く、良質の個体を探しやすいとのことだ。
2018年12月にマイナーチェンジをした先代プリウス。エクステリアの刷新に加えて、駆動用バッテリーをリチウムイオンバッテリーへ変更している
シンプルでスタイリシュな先代プリウスのインテリア。新型プリウスよりもAピラー傾斜が立っているので、乗り降りする際に頭をぶつけることは少ない
[usedcar-search brand_cd="1010" body_cd="2" car_cd="10101040" keyword="プリウス" limit=30]
先代プリウスは、まさに今が「買い時」!!
先代プリウスの7月下旬時点の中古車相場は、前期型の2018年製造車が約128万円~263万円(260台)で、後期型となった2019年製造車は約165万円~295万円(400台)、2020年製造車が約170万円~310万円(314台)、2021年製造車が約190万円~310万円(216台)といったところ(良質の個体を選ぶため走行距離は3万km以内とした)。2年落ち、3年落ちといった高年式車だと、まだまだ相場が高いようだ。
ただ、前出の買い取り業者によると、先代プリウスの中古車相場は、新型登場の影響もあって、昨年9月頃から100万円近く下落をしており、先代プリウスは、まさにいまが買い時とのこと。マイチェン前の安い個体を探し出すという手もあるが、そのぶん、今度はリセールで損幅が大きくなってしまうことが考えられる。多少高くとも、2020年以降の後期型、かつ低走行の高年式中古車を手に入れたほうが、あとで得をする可能性が高くなる。
●「プリウス、2018年式、3万キロ未満」 ※前期型
●「プリウス、2019年式、3万キロ未満」 ※後期型
●「プリウス、2020年式、3万キロ未満」 ※後期型
●「プリウス、2021年式、3万キロ未満」 ※後期型
●「プリウス、2022年式、3万キロ未満」 ※後期型
2023年1月に登場した、新型プリウス(60系)。エクステリアデザインを刷新し、燃費の良さはそのままに、見た目はスポーティに進化した
売却のポイントは「5年落ち年内に手放す」と「どこに売却するか」
中古車相場は、海外への輸出事情に大きく左右される。先代プリウスも海外へ多く輸出されており、昨年の事例では、バングラデシュに多く輸出されていたそうだ。中古車の輸入に関しては、各国それぞれ独自の規制がかけられており、バングラデシュの場合は「製造年5年落ちまでのクルマ」とされている(今年2023年だと2018年製造車までが輸出できる)。この規制を超えたクルマは、ロシアやケニアへと向かうことになるが、こうなると相場は一気に下落してしまう。そのため、先代プリウスの場合は、バングラデシュの規制にかからない、製造年5年落ちまでで売ることが、リセールをよくするポイントだ。
たとえば、2020年製造車を手に入れて、「製造年5年落ち」期間が切れる2025年内に売りに出すことができれば、カーライフコスト(買値から売値を引いた金額)は有利となる。さきほども触れたが、古くて安い個体を手に入れるよりも、売却時のことも考えて、多少高くとも高年式のクルマ選びができるとよいだろう。
また、中古車相場は日々変動するため、相場を毎日チェックする買取店とそうではない買取店とでは、買取価格に差が生じる。大手の買取店でも、中古車相場を毎日追いかけているとは限らない。面倒でも、複数の買い取り店で査定してもらい、より高い価格で買い取ってくれる店を探してほしい。
先代プリウス後期型にモデリスタ製エアロキット「モデリスタエレガントアイススタイル」を装着した例。メッキと造形で、別のクルマのようなスタイリングをつくり込んでいる
◆ ◆ ◆
新型プリウスの人気も高いが、燃費のよさや価格の安さに優れる先代プリウスも、まだまだ有望な一台。ぜひ本稿を参考にして、お得に先代プリウスを楽しんでほしい。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
謎の「白バイコスプレおじさん」 違反じゃないの? 「警察”風”」の白バイクに青ユニフォームが話題に… 法的にはどうなる? 元警察官が解説
ホンダ「新型軽バン」発表! 斬新「“黒すぎ”ボンネット」&めちゃカッコイイ“デカール”設定! 新型N-VAN e:用「純正アクセ」10月発売
【リコール】レクサス、トヨタ スバル25車種23万台超リコール
超豪華ミニバン「コロンブス」が凄い! V12エンジン&「4列シート」搭載! もはや「新幹線」レベルの車内で“新大陸”に出発か!?
100万km超えでもまだ活躍! さらに輸出されて寿命をまっとう! 日本製トラックの耐久性が想像の斜め上だった
みんなのコメント
過走行低年式でもトヨタなら海外では大人気。
安いのを買って乗り潰して海外輸出専門業者に出せばいい。