初のフルモデルチェンジを受けたホンダ N-ONE。使いやすく心地良い車内空間に加えて、FF軽乗用車で初となる6速MT搭載車も用意するなど、注目点が多い1台だ。
「タイムレスデザイン」のエクステリアは継承
新型N-ONEを開発するにあたり、初代N-ONEのユーザーを調査すると、このクルマに対して(ペットにそうするように)特別な愛情を注ぐ人が多いことがわかった。それを踏まえ、開発コンセプトは「車と楽しむ暮らしのために、末永く愛せるクルマを」に定められた。そしてこれを実現すべく、さまざまな部分を意識したという。
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エクステリアのデザインテーマは「タイムレスデザイン」の継承だ。初代N-ONEを含め、エクステリアデザインのルーツを遡るとホンダ N360に行き着く。そして台形、丸、四角といったデザイン要素を組み込んだデザインは多くのユーザーに愛されたため、新型でもキープコンセプトとしたという。
しかし、細部は確実にブラッシュアップされており、印象的な丸いライトはリングタイプのデイライト兼ターニングランプを組み込んだフルLED灯体とし、テールランプユニットもスマートフォンのアプリのアイコンをイメージして光源を配置するなど、今風の機能と要素が埋め込まれている。
車内も大きく進化している。運転席に座るとスッキリとしとしたインパネに目を奪われる。広く運転に集中できる空間を実現するために無駄を徹底的に削ぎ落としている。これにより乗員側への張り出しを最小限に抑えることができ、助手席は成人男性が足を組んで座れるほどのスペースを確保している。
大きく見やすい速度計の右側には3.5インチのカラー液晶が組み込まれ、RSではGメーターやターボのブーストを表示できるなど、グレードにより表示内容が変えられている。
エンジンとCVTは第2世代のNシリーズのものに変更。VTECを備える自然吸気エンジンにはCVTが組み合わされる。一方、電動ウエイストゲートバルブ付きのターボエンジンにはCVTかS660と同じギアレシオの6速MT(FF軽自動車初)が組み合わされた。ちなみにCVTにはアクセル開度に応じて素早くリニアに反応し、従来よりもGの立ち上がりを早くするなどの効果があるGデザイン シフト制御を採用。さらにブレーキ操作ステップダウンシフト制御も用いて、スピードダウン時にエンジンブレーキを強めたり、コーナーで回転数を維持することで力強く再加速できるようにした。
足まわりはダンパーの動きをスムーズにして乗り心地を向上させるサイドフォースキャンセルスプリング、リニアなハンドリングを実現するEPS新制御ロジック、ハンドリングと操縦安定性に寄与するアジャイルハンドリングアシスト、ロールを低減する前後スタビライザーをFF車の全モデルに採用するなど、確実に進化させている。
まずはターボのRS(6速MT)で走ってみる。気になったのはシフトレバーの位置だ。MT車、CVT車問わず、シフトレバーはハンドルのすぐ左隣に配置されており、ハンドルからシフトレバーへ、またはその逆でも持ち替えやすいというメリットがある。だが、フロアシフトのMTに慣れた身には違和感がある。コストや製造プロセスといった視点で考えるとMT車だけフロアシフトに、というのは難しいことは重々承知しているが、ショートストーロークで適度にコシがあり、せっかく操作しやすく仕立てたシフトレバーが少しもったいなく思えた。
ターボエンジン車のフットワークは「RS」、CVTの「プレミアムツアラー」ともに軽い。2600rpmで最大トルクを発生すため、ゼロスタート時や中速域からの加速シーンでもエンジンが騒々しくなることはなく動力性能も十分。快適でとても乗りやすかった。走行中の車内は静かで、エンジンの振動もよく抑えられている。これは遮音機能付きフロントガラスや適所に配置された遮音材、液封エンジンマウントなどが効いているものと思われる。
続いてNAのベーシックグレード「オリジナル」に乗ってみる。こちらは加速時などにややエンジンが騒々しくなるものの、体重70kg以上の男性3人と撮影機材を載せた状態でも、一般道での走行や高速道路への合流といったシーンでも動力性能に不足は感じなかった。なお、新型N-ONEは全グレードに全車速追従タイプのACCレーンキープアシストなどがパッケージされたや先進運転支援技術の「ホンダセンシング」が標準装備される。
N-ONEで悩ましいのは、グレード選びだ。スポーツ志向のRS、上質感を味わいたいのであればプレミアムかプレミアムツアラー、シンプルだが必要なものは揃っているオリジナル、というように各グレードにそれぞれの魅力がある。ホンダではこれらをグレードという上下の関係性ではなく、各々に異なる個性を与えたと考えているそうだ。果たしてどの個性が自分に合っているのか。それを見極めるためには30分でもいいのでN-ONEと同じ時を過ごしてみることをオススメすしたい。(文:Motor Magazine編集部 小泉優太/写真:井上雅行)
ホンダ N-ONE RS 主要諸元
●全長×全幅×全高=3395×1475×1545mm
●ホイールベース=2520mm
●車両重量=840kg
●エンジン=直3 DOHCターボ
●総排気量=659cc
●最高出力=47kW(64ps)/6000rpm
●最大トルク=104Nm(10.6kgm)/2600rpm
●駆動方式=横置きFF
●トランスミッション=6速MT
●WLTCモード燃費=21.6km/L
●タイヤ=165/55R15
●車両価格(税込)=199万9800円
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