現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > お蔵入りしたのが残念! 発売されなかった超イケてるオープンカー3選

ここから本文です

お蔵入りしたのが残念! 発売されなかった超イケてるオープンカー3選

掲載 更新 11
お蔵入りしたのが残念! 発売されなかった超イケてるオープンカー3選

■お蔵入りしたかっこいいオープンカーを振り返る

 自動車が発明されてからしばらくは、キャビンに屋根が無いのが当たり前でした。これは黎明期の自動車が馬車の延長線上にあったからです。

マツダ「コスモスポーツ」が45年ぶりに復活!? ワイド過ぎる「COSMO VISION」の正体とは

 その後、開閉式の幌が取り付けられるようになり、ドアが取り付けられ、車体全体を覆うボディによって室内はより快適になりました。

 一方で、屋根が開くオープンカーもつくり続けられ、日本でも数多く登場しました。オープンカーは開放感あふれるドライブが可能で、一度経験すると病みつきになること間違いなしです。

 オープンカーが一気に普及したきっかけは1989年にユーノス「ロードスター」が発売されたことで、世界中のメーカーもマツダに追従してラインナップも豊富になりました。

 しかし、なかには完成度が高かったにも関わらず、発売されなかったオープンカーも存在。そこで、お蔵入りしたのが残念なほどイケてた国産オープンカーを、3車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「スポーツ360」

 1963年にホンダは、同社初の4輪車として軽トラックの「T360」を発売。このT360と並行して軽自動車のオープンスポーツカーである「スポーツ360」の開発もおこなっていました。

 実際に1962年の第9回全日本自動車ショウ(東京モーターショーの前身)のホンダブースには、赤いカラーリングのスポーツ360が展示され、来場者から好評を博したといいます。

 スポーツ360は軽自動車ながら4キャブレターの360cc直列4気筒DOHCエンジンを搭載したエポックメイキングなモデルで、このエンジンはT360にも搭載されました。

 しかし、T360に続いて「S500」が発売されましたが、スポーツ360はお蔵入りとなってしまいました。

 その理由として、国が主導して国際競争力強化のために自動車メーカーの再編をおこない、統廃合や新規参入を制限するという特定産業振興臨時措置法案(通称、特振法)の施行が迫っていたためで、ホンダは軽自動車メーカーに固定されるのを回避する必要がありました。

 さらに、当時は日本市場でスポーツカーのニーズは未知数で、海外への輸出も想定するとスポーツ360のボディでは小さすぎるという判断もあったようです。

 結局、特振法は廃案になりましたが、スポーツ360は発売されることなくプロトタイプも行方不明となり、現存していませんでした。

 そこで、ホンダ社内の有志により、スポーツ360の復刻プロジェクトが立ち上がりました。

 スポーツ360の復刻にあたり写真やOBの証言など資料をつなぎ合わせ、残っていた一部の図面から部品を製作し、エンジンはT360から流用して、ボディもSシリーズから流用できるパーツ以外は新規で製作。

 こうしてスポーツ360の復刻モデルが完成し、東京モーターショー2013のホンダブースで「S660コンセプト」と共に展示され、51年前と同じく来場者の注目を浴びることになりました。

●トヨタ「FT-86 オープンコンセプト」

 2012年に誕生したトヨタ「86」はスバルと共同開発された2ドアFRクーペで、2021年10月28日には車名が「GR 86」となった2代目が登場。

 86という名は「AE86型 カローラレビン/スプリンタートレノ」に由来しており、初代がデビューした際には世界的にも希少なコンパクトFRスポーツカーということから大いに注目されました。

 そして、2013年にスイスで開催された「ジュネーブショー」のトヨタブースに、86をベースにしたコンセプトカー「FT-86 オープンコンセプト」が展示され、再び話題となりました。

 基本的なデザインは86と同様で、ルーフは電動のソフトトップを採用。オープン時のスタイリングも違和感なく86のキャラクターにマッチしており、細部まで完成度が高かったことから、いつ発売されても不思議ではありませんでした。

 その後、同じく2013年に開催された「東京モーターショー」では、FT-86 オープンコンセプトの右ハンドル仕様を展示されたことから、発売への期待がさらに高まります。

 しかし、86のオープンモデルは結局販売されることはなく、現在に至ります。

●日産「370Z NISMO ロードスターコンセプト」

 もうすぐ日本でも日産新型「フェアレディZ」の正式発表が控えていますが、歴代モデルと同様に主要なマーケットはアメリカです。

 アメリカではスポーツカーにオープンカーを設定するのが一般的で、現行モデルのシボレー「コルベット スティングレイ」や「カマロ」、フォード「マスタング」にもコンバーチブルがラインナップされています。

 そこで、フェアレディZも4代目の「Z32型」からオープンモデルを設定し、5代目の「Z33型」、6代目の「Z34型」にも受け継がれました。

 なかでもZ34型は2009年に北米で「370Z ロードスター」として発売され、その後、日本市場でも「フェアレディZ ロードスター」として投入されましたが、2014年に国内販売を終了。

 その後も北米市場では370Z ロードスターの販売を継続し、さらに2015年の「シカゴモーターショー」にはハイパフォーマンスモデルの「370Z NISMO ロードスターコンセプト」が出展されました。

 基本的なコンセプトはクローズドボディの「370Z NISMO」に準じており、最高出力355馬力を発揮する3.7リッターV型6気筒エンジンを搭載し、強化されたサスペンションとブレーキ、専用デザインのカーボン製リアスポイラー、レカロ製バケットシートなどが装着されていました。

 既存の370Z ロードスターをベースとしていたことから当然のように完成度が高く、370Z NISMO ロードスターの登場も時間の問題と期待されていましたが、結局は市販されることはなく、2018年には北米市場でも370Z ロードスターの販売を終了。

 新型「Z」でロードスターが復活するかは、今のところ明らかになっていません。

※ ※ ※

 オープンカーで走るのに最適なシーズンは春と秋ですが、意外と冬にオープンカーで走るのも気持ちがいいものです。

 防寒対策は欠かせませんが、最近のオープンカーは風の巻き込みが抑えられており、シートヒーターを装備しているもモデルもありますから、冬でも昔のモデルよりかなり快適になっています。

 いずれにしても1台でふたつのボディ形態が楽しめるオープンカーは、大いに魅力的なモデルといえるでしょう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日産『パトロール』が横浜ゴムの「GEOLANDAR X-CV」を新車装着
日産『パトロール』が横浜ゴムの「GEOLANDAR X-CV」を新車装着
レスポンス
ルーベンスの息子、エドゥアルド・バリチェロがWECデビュー。アストンマーティンでLMGT3参戦へ
ルーベンスの息子、エドゥアルド・バリチェロがWECデビュー。アストンマーティンでLMGT3参戦へ
AUTOSPORT web
やっぱ[SUV]は[マツダ]でしょ!! てか[現行]の[カタログ]見てもほぼ売れっ子だった件
やっぱ[SUV]は[マツダ]でしょ!! てか[現行]の[カタログ]見てもほぼ売れっ子だった件
ベストカーWeb
クルマ好き永遠の憧れ「速度無制限のアウトバーン」! 「速すぎて危なくない?」「いつでも全開走行?」ドイツ在住ジャーナリストが真実を語る!!
クルマ好き永遠の憧れ「速度無制限のアウトバーン」! 「速すぎて危なくない?」「いつでも全開走行?」ドイツ在住ジャーナリストが真実を語る!!
WEB CARTOP
マツダ「CX-60」の乗り心地が改善! 商品改良に加え、新グレードと特別仕様車の追加設定も。【新車ニュース】
マツダ「CX-60」の乗り心地が改善! 商品改良に加え、新グレードと特別仕様車の追加設定も。【新車ニュース】
くるくら
「新幹線で当日配送」佐川急便とJR東海、三井不動産のホテル間荷物輸送サービスを2025年1月開始へ
「新幹線で当日配送」佐川急便とJR東海、三井不動産のホテル間荷物輸送サービスを2025年1月開始へ
レスポンス
「スランプってなんですか?」 スランプの対処法をレーシングドライバーに直撃したら一般人じゃ考えられない「強メンタル」揃いだった
「スランプってなんですか?」 スランプの対処法をレーシングドライバーに直撃したら一般人じゃ考えられない「強メンタル」揃いだった
WEB CARTOP
約250万円! ホンダ新型「フリード」最安グレードは「買い」!? シエンタ最安モデルよりも「40万円以上高い」理由とは
約250万円! ホンダ新型「フリード」最安グレードは「買い」!? シエンタ最安モデルよりも「40万円以上高い」理由とは
くるまのニュース
ランボルギーニがクリスマス映像を公開、『レヴエルト』で帰郷した主人公と再会したのは…
ランボルギーニがクリスマス映像を公開、『レヴエルト』で帰郷した主人公と再会したのは…
レスポンス
WRC王者カッレ・ロバンペラがGT3デビューへ。ドバイ24時間でポルシェ911 GT3 Rをドライブ
WRC王者カッレ・ロバンペラがGT3デビューへ。ドバイ24時間でポルシェ911 GT3 Rをドライブ
AUTOSPORT web
「赤ちゃんが乗っています」「ペットが乗っています」のステッカー、なんのためにあるの?
「赤ちゃんが乗っています」「ペットが乗っています」のステッカー、なんのためにあるの?
くるくら
日産校が「現代のケンメリ」カスタムカーを公開へ! 美しい「旧車デザイン」×斬新「トモアキブルー」採用! 「スカイライン」ベースの「NEO SKYLINE」をオートサロンで披露
日産校が「現代のケンメリ」カスタムカーを公開へ! 美しい「旧車デザイン」×斬新「トモアキブルー」採用! 「スカイライン」ベースの「NEO SKYLINE」をオートサロンで披露
くるまのニュース
真のカローラファンには納得いかん! 「カローラの威光」はわかるけど明らかに「らしくない」派生モデル4台
真のカローラファンには納得いかん! 「カローラの威光」はわかるけど明らかに「らしくない」派生モデル4台
WEB CARTOP
日産の新しい「小さな高級車」登場に「気になりすぎる」の声、『ノートオーラ AUTECH SPORTS SPEC』は高いか、安いか
日産の新しい「小さな高級車」登場に「気になりすぎる」の声、『ノートオーラ AUTECH SPORTS SPEC』は高いか、安いか
レスポンス
ホンダの大型スポーツツアラー「NT1100」がアップデート! ウインカー内蔵ヘッドライトと流線型ボディで「よりシャープなルックス」に
ホンダの大型スポーツツアラー「NT1100」がアップデート! ウインカー内蔵ヘッドライトと流線型ボディで「よりシャープなルックス」に
VAGUE
TAKUMA KIDS KART”ACADEMY”は、今年からピカピカのニューマシン投入。白熱のレースを福田胡央が制す「お父さんとお母さんに感謝」
TAKUMA KIDS KART”ACADEMY”は、今年からピカピカのニューマシン投入。白熱のレースを福田胡央が制す「お父さんとお母さんに感謝」
motorsport.com 日本版
駐車料金「10万円です」そんなはずじゃ!? 気づかず高額請求の「落とし穴」とは コインパーキングに潜む「誤認誘導」を見破るテクニックとは
駐車料金「10万円です」そんなはずじゃ!? 気づかず高額請求の「落とし穴」とは コインパーキングに潜む「誤認誘導」を見破るテクニックとは
くるまのニュース
勢いに乗るリアム・ローソン。次なる野望は母国ニュージーランドでのグランプリ開催「実現させるためには何だってやるよ」
勢いに乗るリアム・ローソン。次なる野望は母国ニュージーランドでのグランプリ開催「実現させるためには何だってやるよ」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

11件
  • スポーツカーやセダンだけでなく、昔のシティーカブリオレみたいに、ワゴンやSUV等の普通車にもオープンタイプのバリエーションが増えると自動車業界が活気づくと思います。
  • Zはベースがあるので完成されてるように見えます
    価格はSTにプラス100万ぐらいでしょうから600万超えるぐらい

    オープンカーとしての走り ニスモとしての走り
    どちらもしっかり楽しめる人はかなりのオープン上級者
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

456.6519.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

50.0379.8万円

中古車を検索
フェアレディZ ロードスターの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

456.6519.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

50.0379.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村