スズキの人気軽自動車である、「スペーシア」と「ワゴンR」。両車には、どのような特徴があるのでしょうか。
スズキのスーパーハイトワゴン「スペーシア」 現在、スズキの軽自動車で一番売れているのがスペーシアです。対して、2番手のワゴンRは、スズキの軽自動車販売をけん引してきたモデルです。
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ワゴンRは、1993年の初代モデル発売以来、20年以上の長い歴史を持つクルマで、2007年から2014年の軽自動車新車販売台数で、常にトップ3にランクインするほど人気の車種でした。
しかし、2013年に「パレット」の実質後継車として発売されたスペーシアが、じわじわと人気を集め、2016年から2017年はワゴンRとスズキの軽自動車新車販売台数においてトップ争いをするようになります。
そして、2018年軽自動車新車販売台数(1月から12月)では、スペーシアが2位(15万2104台)、ワゴンRが6位(10万8013台)となり、5万台の差を付けてスペーシアがスズキの新車販売台数1位に輝きました。
2019年現在もスペーシアの人気は高く、2019年上半期(1月から6月)の新車販売台数では、スペーシアの8万9750台に対して、ワゴンRが5万1377台と、約3万台の差がついています。
そんなスズキを代表する2台を燃費性能や室内空間、価格といった項目で比較していきます。
燃費性能(JC08モード、以下同様)では、ワゴンRが軽ワゴン車No.1の33.4km/L(HYBRID FZ・HYBRID FX 2WD車)という数値を発揮しています。それに比べてスペーシアは30.0km/L(HYBRID G 2WD車)と、ワゴンRにあと一歩及びませんでした。
ワゴンRとスペーシアは、「マイルドハイブリッド」を搭載しています。マイルドハイブリッドとは、モーターの力でエンジンをアシストするハイブリッドシステムで、具体的には発進時や加速時にエンジンをモーターがアシストします。同じハイブリッドシステムなのに燃費値に差があるのは、車両重量がスペーシアの850kgに対してワゴンRは790kgと60kg差があることが理由です。
軽自動車は、決められた規格(全長3400mm、全幅1480mm以下、全高2000mm以下)が存在するために、どのモデルも全長と全幅は規格内び目一杯のサイズで開発されます。そのなかで、モデルの個性を出す部分が全高です。
現在、軽自動車のボディサイズはワゴンRが該当する全高1600mm以上の「ハイトワゴン」と、スペーシアが属する全高1700mm以上の「スーパーハイトワゴン」に大きく分類されます。
もうひとつの特徴としては、室内空間です。ワゴンRは、軽ワゴンのなかでNo.1といわれる2450mmの室内長を誇っています。
スペーシアは、室内長2155mmとワゴンRと約300mmの差が存在。しかし、前述の全高に関連する室内高では、ワゴンRが1265mmのところ、スペーシアが1410mmと150mm程度高くなっており、体感的にはスペーシアの方が広く感じます。
使い勝手面では、ワゴンRとスペーシアのどちらともシートアレンジが多彩となっており、荷物の大きさや量などによって適した形に変えることが可能です。リヤシートはどちらともワンタッチで折りたたむことができるため、女性でも力を必要とせずに、シートをフラットにすることが可能です。そのほか、後席ドアの開閉方法も大きな違いがあり、ワゴンRはヒンジ式ドアなのに対して、スペーシアはスライドドアを備えています。
また、安全性能や運転支援では、両車ともにスズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」が備わっています(一部オプション)。その基本パッケージで、スペーシアには「後退時ブレーキサポート」や「後方誤発進抑制機能」、「標識認識機能」などが設定されていますが、ワゴンRにはありません。
両車のモデルラインナップは、ワゴンRが「FA」(107万8920円から120万2040円)、「HYBRID FX」(117万7200円から139万4280円)、「HYBRID FZ」(135万円から159万3000円)です。
スペーシアは、「HYBRID G」(127万4400円から145万4760円)、「HYBRID X」(146万8800円から158万9760円)となり、ワゴンRがスペーシアに比べて少し安くなっています。
クルマを選ぶときに、その車種の人気を考慮して選ぶのもいいですが、性能や乗り心地などもじっくり加味して検討すると、後で後悔しないクルマ選びができます。
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