現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜ車のメーター「時速180キロ」まで? 昔は「あこがれ」も今では「200キロ超え」が普及? 時代とともに変化する「速度計表示」とは

ここから本文です

なぜ車のメーター「時速180キロ」まで? 昔は「あこがれ」も今では「200キロ超え」が普及? 時代とともに変化する「速度計表示」とは

掲載 178
なぜ車のメーター「時速180キロ」まで? 昔は「あこがれ」も今では「200キロ超え」が普及? 時代とともに変化する「速度計表示」とは

■180km/hメーターは「昭和の遺産」だった?

 クルマに装備されるスピードメーターは、速度が出すぎていないかを確認するという大切な役割を持ちます。
 
 そんなスピードメーターですが、国産車(普通車)ではほとんどが180km/hの表示です。一体なぜなのでしょうか。

【画像】カッコよすぎ! 「昭和のメーター」が良かった! 画像で見る(63枚)

 日本では一部の高速道路で最高速度が120km/hの区間がある程度で、180km/hのメーター表示を活用する場面はサーキット走行をしない限りありません。

 しかし、多くの輸入車では200km/h以上の値を示せるようになっていることがよくあります。

 スポーツモデルともなれば300km/h以上まで刻まれているものも珍しくありませんが、国産車では未だにほとんどの車種が180km/hが上限となっていることに理由はあるのでしょうか。

 日本自動車工業会の担当者はスピードメーターについて以下のように話します。

「昭和50年代から60年代にスピードリミッターに関する議論がなされているため、その頃かと思います。180km/hの規制は自工会による規制ではなく、あくまでも各社の判断による制限なのです。

 議論を行った当時(昭和50年代から60年代)の規格に基づいたものにはなりますが、高速道路で6%勾配(最大勾配)を走行した場合を平坦走行性能に換算すると、180km/hになるためです」

 当時はクルマの性能が日を追うごとに向上し、出せる速度も上昇していました。これに対して安全面から一定速度以上出せないようにするスピードリミッターの導入が検討され、実際に設定されたのが1970年代でした。

 これと並行してメーターに関してもさまざまな議論がなされたといいます。

 先出の担当者の話によれば、180km/hという速度は、最高速度100km/hだった当時の高速道路において、上限6%(現在は12%)と定められた勾配を走行する際に求められる性能が、平坦路での速度に換算すると180km/hと同等になることから、という理由で決定されたようです。

 一方で、あくまで各社が自主規制として180km/hに設定していただけで、法律や協会によって表示値に厳しい規制があったというわけではありません。

 そのため、輸入車の多くが当時でも200km/h以上の表示としていたことが多く、海外製の日本車(いわゆる逆輸入車)では正規販売されるクルマであっても240km/h表示のメーターパネルを装備したままのクルマもありました。

 さらに当時は販売店オプションやチューニングショップなどで、200km/hを超える表示の輸出向けメーターパネルなどが「フルスケールメーター」として販売されていたこともありました。

 この自主規制が今でも引き継がれており、現在新車で販売中の多くのクルマでも変わることなく180km/hのメーターとなっているようです。

 これについて、一部のクルマ好きからは、180km/h以上出せる性能があるにも関わらず、表示では制限されてしまっていることについてむず痒い思いをする人も少なからずいます。

 また、「40年以上前の自動車規格に基づいた数値を今も使わなくてもいいのでは」という意見もあるようです。

 とはいえ一昔前と違い、2000年代中ごろから国産車でも徐々に200km/hオーバーを表示できるモデルが増えてきました。

 2006年に登場したレクサス「LS」や、2008年登場の日産「GT-R」では260km/h以上のメーターパネルを装備。

 現在ではレクサス「RC」などの高級クーペやマツダ「ロードスター」、スズキ「スイフトスポーツ」などのスポーツカーでは200km/hを超えたメーターを装備していることから、昔とは違いある程度許容されてきています。

 さらに近年では、先進運転支援システムの標準装備化など、クルマ自体が多機能になったことに伴い、メーターもデジタルメーターの普及が進みました。

 スピードメーターは液晶パネルと一体化し、アダプティブクルーズコントロールなどの車両情報とともに表示。雰囲気を高めるため、アナログ風の計器デザインをもつクルマも多いですが、多くはデジタル表示となりました。

 かつて、200km/hを超えるメーターにハイパフォーマンスの期待を寄せて感動していたことは、もはや過去のものとなりつつあるようです。

※ ※ ※

 なお、2019年にはスウェーデンのボルボが「2020年以降に販売する全車の最高速度を180km/hに制限にする」と発表。メーターも180km/hが上限となっています。

 日本特有と思われた180km/hメーターですが、意外な広がりを見せています。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
ベストカーWeb
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
ベストカーWeb
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

178件
  • 走る棺桶のスクラップといわれる貧乏軽なんか80キロまでなんだし、貧乏軽は120キロまでのメーターで十分、国産車なんかのパワーや燃費では180キロまでで十分
    パワー、燃費、安全性を求めるなら高級外車である
  • 貧乏軽は100キロ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村