手に入れるなら3代目発表の前
text:John Evans(ジョン・エバンス)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)
新しい3代目グリフィスが復活する日は、いつになるだろう。まずは工場の準備から、といった段階のようだ。一進一退する3代目ほどの話題ではないものの、先駆者となる2代目への注目は、英国では従来から高いままだ。
2代目グリフィスの値段は、3代目とのつながりに価値を見出した人々によって急速に高まった。だが、3代目のリリースが伸びている今、少し落ち着きを取り戻している。冬の時期は、コンバーチブルの価格も下がりやすい。
新しいグリフィスがモタモタしている今こそ、2代目グリフィスを賢明な価格で入手できる最後のチャンスかもしれない。3代目グリフィスは、9万ポンド(1197万円)の価格が見込まれている。
2代目なら、英国では1万5000ポンド(199万円)も支払えば、状態の悪くないグリフィスを見つけることができる。レストアされたクルマなら、2万ポンド(266万円)くらいから。
3万5000ポンド(465万円)出せば、ベストといえる状態のグリフィス・オーナーになれる。5万ポンド(665万円)の値段が付いた、低走行距離で最終ラインモデルのSEも見つけた。
前のオーナーによって愛情を注がれ、しっかり維持されてきたグリフィスなら、手に入れた時より価値が下がることはないだろう。主要な部品も、新品に交換してあるはず。
グリフィスのボンネットの下には、初めは243psを発生するローバー製の4.0L V8エンジンが納まっていた。トランスミッションはローバー製のLT77型5速MTで、GKN製のLSDを介して後輪を駆動する。
整備は手間でも、得られる喜びは大きい
電気系統はレンジローバー用ルーカス製のものを、そっくり移植。助手席側バルクヘッドにバッテリーが収まり、やたらと沢山のハーネスが付いている理由でもある。
ECUにヒューズボックス、ヒーターパイプも同じ場所に押し込まれている。弱気な人が見たら、尻込みしてしまいそうだ。
FRP製のボディは、アウトリガーの付いたスペースフレーム・シャシーにマウント。タイヤが跳ね上げた泥や小石がボディやシャシーにこびりつき、やがて腐食を促す。見つけるのは難しい。ボディを取り外さずにアウトリガーを交換する場合、英国では2000ポンド(26万円)は必要になる。
1992年に排気量4.3Lへスイッチし、最高出力は284psへと増強。その中の25台は、ビッグバルブ・シリンダーヘッドが組まれている。ガソリンエンジンの新車に触媒コンバーターを義務付けた法規の導入前で、トルクもサウンドも素晴らしい。
1993年にしばらく生産がストップするが、5.0LのV8エンジンを搭載して復活する。最高出力は344psへ引き上げられた。このユニットはモデル終了まで採用され続けている。2002年、特別グレードのSEによって、2代目グリフィスは幕を閉じた
多くのグリフィスは、フロントが15インチ、リアが16インチのホイールを履く。一部は前後ともに16インチの場合もある。
5.0Lの場合、トランスミッションはボルグワーナー製のT5。リバースの位置がボルグワーナー製は右の後ろ、ローバー製は左の前だから、見分けがつく。
エンジンは基本的に丈夫で信頼性も高い。手を焼くのは、電気系統とダンパーやブッシュのヘタリ、シャシーの腐食。良好な状態を保つには、週末のかなりの時間を費やすことになるだろう。しかし、得られる喜びもまた、かなりのものだ。
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
カムチェーンからの異音に注意する。16万kmほどで交換が必要。カムシャフトは8万km毎の交換。
ロッカーカバー・ガスケットと、サンプカバーからのオイル漏れを確認する。5.0Lエンジンの初期ロットでは、クランクに不具合が出ていた。マニフォールドから排気ガスが漏れていないかも確かめる。
油圧や水温は常にチェックしておきたい。ラジエターが詰まったり、冷却ファンが止まることがある。
トランスミッション
5速MTは堅牢だが、定期的なフルード交換は必要。後期型のT5ミッションの場合、リバースの噛み付きへ注意する。初期のGKN製デフはノイズが大きい。後期型のソールズベリー製デフは、フルードが漏れやすい。
サスペンションとステアリング
タイヤ毎にボディを押し下げ、サスペンションのバウンドの有無を確かめる。ボールジョイントの状態も確認したい。
タイヤの偏摩耗がひどい場合、クラッシュの後遺症とも考えられる。アライメント修正では対応しきれないことも。
電気系統
ECUやバッテリー、ルーカス製ハーネスへ、水の侵入がないか確かめる。すべての電装系装備の動きも確認する。ボディの歪みでハーネスが擦れる場合がある。アーシングの不具合も起きがち。
シャシー
センターフレームからサイドシルへと伸びる、アウトリガーの状態を確かめる。アウトリガーから前後へ、さらにスチール製のセクションが伸びている。そこへ泥や石がこびりつき、上側からサビてくる。
シートベルト・アンカーが固定される場所でもあり、腐食により安全性が損なわれる可能性も。アンダーシールをドライバーで突けば、サビの進行を確かめられる。
ボディ
波打ちや割れ、部分的な塗装が施されていないか確かめる。フロントガラス根本の、水密性も確認したい。
専門家の意見を聞いてみる
デビッド・ハザーソール TVRCC代表
「13年前に、1998年式のTVRグリフィスを購入しました。初め3万500kmの走行距離でしたが、今では13万3500kmを刻んでいます。日常の足として乗っていますし、トラブルはほぼありません」
「深刻な不具合が発生しても、新しいものを作れるほどサポート体制は整っています。ブリストルアベニューの古い工場でも、修復ビジネスが進められています」
「TVRグリフィスは、複雑なクルマではありません。トルク・ウエイト・レシオを考えれば、評価する価値は充分にあります」
知っておくべきこと
英国のウェブサイト、TVRカークラブは、グリフィス初心者には最適な情報源。地元のクラブや専門家からアドバイスを仰ぎ、購入の参考としたい。状態の良いグリフィスの情報も手に入る。
いくら払うべき?
1万7000ポンド(226万円)~2万2999ポンド(304万円)
1995年式のグリフィス500を見つけた。専門ショップでの整備履歴が揃い、エンジンは9万3300kmでオーバーホールを受けている。主要な補機類も交換されているようだ。
2万3000ポンド(305万円)~2万7999ポンド(371万円)
グリフィス500が何台か。2001年式で10万4600kmの走行距離、整備に8000ポンド(106万円)が投じられたクルマで、価格は2万5990ポンド(345万円)。
2万8000ポンド(372万円)~3万1999ポンド(424万円)
例えば1993年式、パワーステアリングへコンバージョンされた走行距離10万9400kmのグリフィス500で、2万9000ポンド(385万円)。
3万2000ポンド(425万円)~5万ポンド(665万円)
コンディションのかなり良いグリフィス500が中心。レアな2001年式SEで、6万4000kmの走行距離が3万2500ポンド(432万円)。3万2000km程度の極上コンディションの1999年式も英国では見つけた。
英国で掘り出し物を発見
TVRグリフィス500 登録:1997年 走行:9万9700km 価格:2万500ポンド(272万円)
専門ショップによって整備され、整備記録の内容も良い。2011年に新しいアウトリガーへ交換されている。新しいクラッチにデフ、エンジンマウント、サスペンション・ブッシュが取り付けられている。オイル漏れも修理済みとのこと。
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みんなのコメント
シャシー全部取り替えなんてあったな。