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NSXの前奏曲!今明かされる『ホンダHP-X』の全貌【#02プロジェクトがスタート】

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NSXの前奏曲!今明かされる『ホンダHP-X』の全貌【#02プロジェクトがスタート】

ピニンファリーナにチャンス到来

1983年に本田宗一郎、藤沢武夫が取締役を退き、久米是志が社長となり、ホンダにとっても新しい時代を迎える。それはピニンファリーナにとってもチャンスであった。早速、フィオラバンティらは日本へ赴き、コンサルティングの長期契約を更新した。

【画像】1984年トリノ・ショーで発表されたコンセントモデル『ホンダHP-X』 全15枚

そこで、「彼らが構想中のミッドエンジン、ツーシーターのコンセプトモデル構築の発注を受けた」とフィオラバンティは後年、語っている。ここにHP-Xプロジェクトがスタートしたのである。ちなみにHPはホンダとピニンファリーナ、Xは『eXperimental』を意味している。

ホンダからすると、本格的に未来のNSXプロジェクトがスタートしたのは、1982年2代目プレリュードの大ヒットを見てのことであるようだ。このプレリュードの成功により、ホンダマン達の内部でくすぶっていた本物のスーパーカーを作ろうという『種火』に、本格的な火がつくことになる。そしてホンダからのアクションが始まった。

レオナルド・フィオラヴァンティの回想

レオナルド・フィオラヴァンティは、以下のように回想する。

「彼らが私たちに提供してくれたのはエンジンだけでした。フォーミュラ2用のハイパフォーマンスユニットです。ピニンファリーナはグルリアスコ工場で、そのニーズに合ったシャシーを設計しました。

当初はランチア・モンテカルロのような、市販モデルをベースとしたミディアムレンジの車格を想定していたものの、よりハイパフォーマンスなトップエンドモデルへのプランへと変貌していったのです。私はダラーラ社とコンタクトを取り、コンペティションモデルにふさわしいシャシーの開発を行いました」

そのフォーミュラ2用エンジンとは、1980年ホンダがF2復帰のために開発した2リッター V6DOHCエンジンであった。

ピニンファリーナはこのようなエンジニアリング要件をベースに、スタイリングのコンセプト確定へと進んだ。そこで重要なことは、ピニンファリーナの重要なクライアントであるフェラーリとは全く異なったアプローチを行うということであった。

F1でお互い強力なライバル同士の両社であるから、ここでピニンファリーナとしては、フェラーリのイメージを引きずった提案をするわけにはいかない。そもそも、ピニンファリーナとしてホンダとのコラボレーションを行うこと自体とてもナーバスなことと考えており、あくまでホンダへの提案は決してフェラーリのラインナップにかぶることはないと繰り返し説明していたという。

一般的なものと真逆にするユニークなコンセプト

『2シーターのミドマウントスポーツカーであり、幅広く、低いボディ、空力を考えてウェッジシェイプ』という要件が前提とすれば、革新的な新しい提案をするのはそう簡単なことではない。

しかし、さすがはフィオラバンティである。ハイパフォーマンスの市販スポーツカーで重要なのは、良好な空力特性を持つことに加えて、エンジンの放熱である。そこでこのソリューションに深く関連するエアインテーク類の構造を、フェラーリにみられる一般的なものと真逆にするというユニークなコンセプトを考案した。

それは、ボディ表面の風圧をダクト類でコントロールするのではなく、ボディとインナーボディとの間の風圧を効果的にコントロールするという考え方だ。また、ダウンフォースを得るのは突起したスポイラーではなく、グランドエフェクトでコントロールするというコンセプトも同時に生み出した。

であるから、ボディサーフェイスは極めてクリーンで、ある意味で無機質なイメージを醸し出す。エンジニアである彼ならではの発想といえるであろう。しかし、言うは易く行うは難し。そう簡単なことではない。エンジニアリング的なアイデアを活かしつつも、スポーツカーとして目の前にいる顧客に対して情緒的にもアピールしなければならない。未来人に向かってUFOを売るのではないのだから……。
(つづく)

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みんなのコメント

1件
  • ********
    NSXは発売当時、後ろにエンジンがある前奏曲(プレリュード)と呼ばれていた。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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