新しい「CLA」はすべてが刷新された超・意欲作
メルセデス・ベンツ「CLA」の初代モデルがデビューしたのは2013年のことでした。「Aクラス」と共通の前輪駆動アーキテクチャーを用いて生み出された大胆なデザインの4ドアクーペは、扱いやすいサイズでありながらヒエラルキーを超越した存在感で瞬く間に人気モデルになりました。
【画像】「えっ!…」見た目も中身も全方位的に進化! これが新しいメルセデス・ベンツ「CLA」です(30枚以上)
その後、「シューティングブレーク」の追加や2代目への進化などにより、ますます人気を高めてきた「CLA」が、ついにフルモデルチェンジのタイミングを迎えました。実は今回の新型は、“扱いやすいサイズのスタイリッシュな4ドアクーペ”ということ以外、すべてが刷新された超・意欲作。
筆者(島下泰久)はその正式発表を前に、ドイツ・ジンデルフィンゲンにあるメルセデス・ベンツの工場内で実車を観て、そして触れてきましたので、まずはそのファーストインプレッションをお届けします。
思わず身を乗り出してしまうのが、一層大胆になったそのデザインです。全体のフォルムは2023年9月に開催された「IAAモビリティ2023」でお披露目された「コンセプトCLAクラス」を現実的にしたものといえ、各部のディテールにもその要素が踏襲されています。
フロントマスクは、とてもきらびやか。グリル中央のスリーポインテッドスターはいよいよLEDが埋め込まれて光を放つようになり、その周囲にも実に142個もの星々が散りばめられてアニメーションで演出します。そしてマルチビームLEDヘッドランプも、よく見るとスターマークがシグネチャーランプとして埋め込まれており、しかも左右が連結されています。
デザイナー氏いわく、前を行く車両のミラーにその顔が写れば、すぐにメルセデス・ベンツが来たと分かるようにした、とのこと。確かに、これなら見間違えることはないでしょう。
ボディサイドに回ると、リアドア後方に新たにリアクウォーターウインドウが追加されていることに気づきます。キャビン自体も、これまでより角度の寝かされたリアウインドウがトランクリッドになだらかにつながるファストバック風に改められています。
ヘッドランプと同じくスターマークをあしらったコンビネーションランプは、こちらも左右がつなげられ、そこには特徴的なグラフィック処理が施されています。フロントマスクですぐにメルセデス・ベンツが来たと知らせ、追い抜いた後にもその存在感を見せつける、というわけですね。
この外観と同じかそれ以上のインパクトをもたらすのがインテリアです。まず視線が向かうのは、やはりその大画面。新世代のMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)スーパースクリーンは、10.25インチのドライバーディスプレイと14インチのセンタースクリーンを組み合わせたものです。
そして皆さんご想像のとおり、これまた星を散りばめた助手席側のパネルの部分には、遅れてディスプレイも設定されるとのこと。こちらも14インチということで、まさに全面スクリーン、といった趣です。
この大きな画面を活用するのは、ついに搭載されたメルセデス自社開発の車載OS“MB.OS”。その上を走る最新のMBUXには、新たにAIを用いたMBUXバーチャルアシスタントが採用されています。
「ヘイ、メルセデス」の呼びかけで起動するのはこれまでの音声アシスタントと同様ですが、その先の会話は、GoogleとChatGPTを必要に応じて切り替えて使いながら、まさに友だちと話す感覚でおこなうことができます。画面上に表示されたアバターは、内容によって動き、色などが変化して感情を表現します。
しかも対応には、ChatGPT4oやMicrosoft Bingの知識が用いられます。なんでも「ブラックホールとは何ですか? 子どもにも分かるように説明してください」といった質問にまで答えてくれるのだとか。
また、Googleの地図データを用いたナビゲーションは「今日のデートに最適なレストランはない?」なんて振りにも応える優れものなのです。
フローティングタイプのセンターコンソールも新しい「CLA」の特徴といえるでしょう。なめらかな曲面を描きカップホルダーを備えた上側はさまざまなトリムを選択でき、なかには石庭を思わせるようなものも。聞けば、インテリアのテーマは「禅」とのこと。要するにシンプルで静謐(せいひつ)な感じ、ということでしょうか。
BEV仕様が先行するも2025年終盤には48Vハイブリッドが登場
驚きは見た目だけには留まりません。メカニズムもまさに一新されています。
実は新しい「CLA」は、BEV(電気自動車)が先行してデビューするのです。車体には新開発の次世代BEV向けプラットフォーム“MMA”が用いられ、グレードによってリア1モーター、もしくは前後2モーターが用意されます。
前者の「CLA250+ with EQ Technology」は最高出力272ps、最大トルク335Nmで、リアモーターには2段ギアを搭載。0-100km/h加速は6.7秒です。
そして後者が「CLA350 with EQ Technology」。前後2モーター合計で最高出力354ps、最大トルク515Nmを発生し、0-100km/h加速は4.9秒となります。
いわゆるNMC系とされるバッテリーの容量はいずれも85kWh。航続距離は「CLA250+ with EQ Technology」の場合で694~792kmに達します。さらに少し遅れて、出力密度はやや下がるものの価格は大幅に安いLFP系の58kWh仕様も登場します。BEV普及につながる廉価グレードの設定が期待できそうです。
そして、実は少し遅れて、2025年終盤には48Vハイブリッド車が投入されます。システムは小型軽量な1.5リッター直列4気筒ターボエンジンに、電気モーター内蔵の8速DCT(デュアルクラッチ式トランスミッション)を組み合わせたもの。20kWのモーター出力と容量1.3kWhのバッテリーが相まって、エンジンを始動させることなく100km/hまで加速することができるそうです。
なお、こちらに用意される4WDモデルは、後輪をモーターで駆動するのではなく機械式4WDになるそうです。駆動方式のバリエーションがこれだけ広いクルマは、そうそうないですよね。
グレード名はまだ未定のこのハイブリッドモデルの場合、ラジエーターグリルは冷却用の穴が開いたものになり、142個の星がなくなる代わりに輪郭に照明が仕込まれます。
またラゲッジスペース容量は、いずれも405リットルで変わりませんが、BEV版には101リットルのフロントトランク、いわゆる“フランク”が備わります。
ただし、異なるのはそれくらい。いずれも変わらない「CLA」であるというのがメルセデス・ベンツの主張です。従来はBEVを「EQシリーズ」として別立てにしていましたが、その方針は「Gクラス」のBEV版である「G580 with EQ Technology」以降、転換されたというわけです。
* * *
今回、実車を見るだけでなく実際に触れてみて感じたのは、あらゆる部分におけるクオリティの高さでした。
例えば、スターマークが印象的な前後のランプ類などは、細部に至るまでしっかりつくり込まれていて、安っぽさなどとは無縁です。内装についても、ハード樹脂が露出している部分は普段、手の触れる範囲にはほとんどなく、すべてがコダワリのマテリアルで覆われています。
醸し出す雰囲気は、さながら小さな「Sクラス」。そうなると走りっぷりが気になるところですが、こちらについても遠からず印象をお伝えできそうですのでお楽しみに。
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デザイナー替えて欲しい。