レクサスの新型SUV「LBX」を、河西啓介が解説! スターティングプライスが300万円台から、と、言われているコンパクトSUVとは。
ヤリス・クロスよりワイドでグラマラス
登場が噂されていたレクサス初のコンパクトクロスオーバー、「LBX」がついに正式発表された。5月22日、リアビューのシルエットとフロントマスクの一部が写ったティザー写真が公開されていたが、本日(6月5日)その全貌がプロトタイプとして世界初公開された。
予てから“トヨタ「ヤリス・クロス」のレクサス版”と、伝えられてきた新型LBXだが、プレス向け資料でもヤリス・クロスとおなじコンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)をベースにしていることが明らかにされている。ボディサイズは全長4190mm×1825mm×前高1560mm、ホイールベース2580mmで、いわゆるBセグメントに位置づけられる。
全長はヤリスクロスとほぼ同じだが、幅はLBXのほうが60mm広く、高さは20mmほど低い。その数値から分かるとおり、外観写真を見るとLBXはよりワイドでグラマラスなプロポーションになっている。
レクサスブランドのアイデンティティとなっているスピンドルグリルについては、「LBXでは採用されない」との噂もあったが、確かに明確な“枠(グリル)”はないものの、ラジエーターは上下を圧縮したスピンドル(糸巻き)形状にまとめられ、その上側に配された左右ヘッドランプをつなぐスリットと一体化された新デザインが採用されている。これはレクサスの新たなフロントフェイスとして「ユニファイドスピンドル」と呼ばれる。ちなみに「ユニファイド(unified)」とは統合、一体化などという意味である。
リヤビューは左右のランプを一文字につないだ、SUVモデルの兄貴分たるNX、UXとの共通性を感じさせるデザインだ。LBXはライセンスプレートをバンパー下部に配し、リアドアのセンターに「LEXUS」のロゴを目立たせることでよりプレミアム感を演出している。また真後ろから見たときの、ワイドなアンダーボディに小さなキャビンを載せた台形フォルムが、ボディの小ささを感じさせない堂々とした印象を与える。
外観を見る限り、姉妹車と言えるヤリスクロスよりかなり“プレミアム”な印象を与えることに成功しているLBXだが、インテリアに関しても抜かりがないようだ。「COOL」、「RELAX」、「ELEGANT」、「ACTIVE」「URBAN」とそれぞれのキーワードに沿ったインテリアテイストを持つ5つのグレードが用意され、たとえば「COOL」ならブラックの本革とスウェード調素材を組み合わせた内装、「ELEGANT」なら白を基調としたモダンな雰囲気の内装というように、それぞれの世界観が演出されている。さらに顧客の好みで細かくカスタマイズでき、33万通りのバリエーションの中からオリジナルのコーディネートに仕立てられる「Bespoke Build」というオーダーメイドシステムも用意されるという。
チャレンジングなモデルであることは間違いないLBXのパワーユニットには、ヤリスクロスと同じ1.5L直列3気筒エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムが設定される。トランスミッションもヤリスと同じCVTとなるはずだ。駆動方式は前輪駆動の2WDと4WDが用意される。
基本的なパワートレーンはヤリス・クロスと共用しながら、着座位置を下げたドライビングポジションや拡大されたトレッドなどから察するに、走りについてはよりスポーティーな味付けがなされていると想像できる。
またレクサス・ブランドに相応しい乗り心地や静粛性を実現するため、ボディ、シャシー、サスペンション、ブレーキなど、細部に至るまで徹底的に見直したと謳われている。もちろん予防安全や運転支援システムに関しても、最新スペックの「Lexus Safety System+」を備えている。
「LBX」という車名について、事前の予想では「Bセグメント」の「クロスオーバー」という意味では? と、言われていたが、資料によれば「Lexus Breakthrough X(cross)-over」を意味するという。
確かにLBXはレクサス史上もっともサイズの小さいモデルであり、300万円台後半からと噂される価格についても、現行レクサスとしてはもっとも安価だ。チャレンジングなモデルであることは間違いない。
車名に込められた“ブレイクスルー”とは、資料にも記される「これまでの高級車の概念を変える、コンパクトサイズながらも走りやデザインも上質であるサイズのヒエラルキーを超えたクルマをつくりたい」ということを意味する。有り体に言えば、自動車の世界では昔からある「小さな高級車」という価値観に則ったものとも言える。
LBXの発表が“小さなクルマの本場”、イタリアで行われたというのもこのコンセプトを意識してのことだろう。レクサスは1989年、北米における高級車市場をターゲットとしたブランドとして始まり、現在も主力となる市場は北米および中国だ。だがこのLBXの主戦場はコンパクトカーの人気が高く、レクサスにとってこれからの伸長を目指す欧州市場である。
すでに欧州メーカーからもライバルたるコンパクトクロスオーバーは数モデルが登場しているが、Bセグメントにおいて“プレミアム”を謳うモデルは意外に少ない。LBXが欧州でレクサスの販売を押し上げる可能性は大いにある。
同様にコンパクトカー需要の高い日本においてもLBXの登場を待ち望む層は少なくないだろう。2005年の日本市場参入から20年近くにわたり、「レクサス=高級車」というイメージづくりを行ってきた結果、現在とくに若者層を中心に欧州ブランドと並ぶ(場合によってはそれ以上の)“憧れのブランド”として認知を得ることに成功している。
プラットフォームを共有するヤリスクロスよりかなり割高だとはいえ、“手の届くレクサス”として注目度は相当に高いはずだ。果たしてレクサスの狙う、LBXによるブレイクスルーは叶うのか? 2023年秋以降と発表されている発売を待ちたい。
文・河西啓介 編集・稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント
ちょっと贅沢だとは思うけど、買ってやろうかなと思ってる親バカです。