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なぜ中国人はセダンが好き? 日本では人気低迷も シルフィやシビックが好調な理由

掲載 更新 16
なぜ中国人はセダンが好き? 日本では人気低迷も シルフィやシビックが好調な理由

■中国の四輪新車販売台数は世界第1位!

 世界の自動車市場において、北米・欧州・日本は重要な市場といわれていましたが、最近では中国の新車市場が急速に成長しており、世界最大規模となりつつあります。

このまま日本へ? 日産 新型「シルフィ」の後席快適性がハンパない!

 そんな中国市場では、日本や北米で人気が落ち込んでいるセダンが好調な販売を見せているといいます。なぜ、中国ではセダンが人気なのでしょうか。

 日本自動車工業会が公表する主要国の四輪車販売台数において、乗用車の販売台数順位は1位が中国、2位がアメリカは変わらずですが、中国は2144万4180台、アメリカは471万5005台となっており、1500万台以上の差があるのです。

 その中国の市場において、絶大な人気を誇っているのが2019年に新型が登場した日産のセダン「シルフィ」で、2019年年間販売台数では46万2671台を記録しました。

 なお、モデル末期を販売していた2018年の中国市場でも47万5696台を記録するなど、新しい・古いに関係なく、シルフィ自体が高い人気を誇っていることがわかります。

 新型シルフィのボディサイズは全長4641mm×全幅1815mm×全高1450mmとなり、日本仕様の全長4615mm×全幅1760mm×全高1495mmと比べて一回り大きいサイズです。

 実際に中国市場で、新型シルフィを購入したユーザーには若年層も多く、先代モデルよりも向上した質感が好評だといいます。

 また、シルフィ以外にもトヨタ「カローラ」やホンダ「シビック」、「アコード」といった日本でも馴染みのあるセダンが人気です。

 中国市場でセダンが人気の背景には、中国のユーザーが重視する後席の広さや内装の高級感という要素がセダンには組み込まれているといい、かつ日本メーカーのモデルは「装備が充実しているのに値段が安い」「日本のブランドゆえ信頼できる」ということで支持されています。

 なお、新型シルフィには機能面にも支持される理由があるようです。シルフィはコネクティビリティが充実しており、オーディオなどのボイスコマンドはもちろん、接続したスマホへの音声入力などにも対応しています。

 中国でのシルフィ人気について日産の担当者は次のように話します。

「2006年に中国市場への投入以来、シルフィは中国の家族をターゲットとして、業界をリードする空間の快適性、燃料効率、信頼性でニーズを満たしています。

 さらに、マーケティングによってシルフィのコアアドバンテージを強調することで、中国の家族層においてユニークな製品の位置づけを確立しました。

 これらの理由から、シルフィは中国での自動車市場の激しい競争のなかで支持いただいております。

 また、コネクティビリティの部分において、中国では漢字の関係で文字入力が煩わしい事情もあり、SNSなどの入力にも音声変換がよくつかわれます。

 中国でより多くの支持を集めるために、そういった事情をしっかり反映させているのです」

※ ※ ※

 このように、後席の広さや内装の高級感を重視する中国のユーザーのニーズを満たしていることやブランドの信頼性が確立されていること、加えて国内事情を踏まえたコネクティビリティ機能による利便性も持っていることが、中国におけるシルフィの人気に繋がっているようです。

■ホンダも「シビック」「アコード」が好調な中国

 日産と同様に、日本と比べてセダンの販売が海外で好調なのがホンダです。

 日本市場では、フラッグシップモデル「レジェンド」を始め、北米市場でも人気の高い「アコード」や「シビック」など幅広いセダンのラインナップを持っていますが、セダン人気が落ち込んでいることもあり、販売台数では芳しくありません。

 しかし、中国市場ではシビックの2018年の販売台数が20万台を超え、日本の同時期と比べて20倍差になります。

 2019年7月の新車販売台数は前年比9.4%増の11万5950台と好調。直近の2020年5月、6月でもシビックだけでも2万台を超える人気です。

 また、同じくセダンの「アコード」も中国市場で設定されている「スポーツハイブリッド」がユーザーから高評価を受けているといいます。
 
 ホンダの担当者は、中国市場のセダン人気について次のように話します。

「中国では、北米同様にシビックやアコードが人気です。その要因としては、セダンそのものが人気なのもありますが、両車の質感の高さが好評だとも聞いています。

 他車でも他国と比べて高級感ある内装を中国市場向けに設定しているという話もあるので、恐らくいまの中国人のニーズが『セダン×高級感』というところにあるのではないでしょうか」

※ ※ ※

 日本市場ではかつてほどの勢いがないセダンですが、北米市場でも2018年にフォードがセダンの販売から撤退する方針を明らかにするなど、日本と同様にセダンの人気に陰りが見えてきています。

 そんななか、世界の新車販売台数とともに、セダンの人気が高い中国市場では、車名の後に「L(ロングの意味)」が付けられた専用モデルが各メーカーから出ているなど、今後も中国市場ではほかの市場とは異なる動きが続いていきそうです。

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みんなのコメント

16件
  • むしろミニバンやワゴンばっかり走ってるのは日本とインドくらいなもんだよ。

    中国人の運転見ればミニバンじゃ役不足なのはすぐ分かる。ヨーロッパ行っても同様。走行性能でミニバンはセダンに遠く及ばない。
  • 中国は「面子」重視の国であり、面子を保つ車(≒見栄を張れる)車がセダンだということ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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