BMW3シリーズが間もなくマイナー?チェンジという噂があるけど、大幅な変更というより6気筒のシルキーシックス復活というのがメイントピックのよう。今回試乗したのは現行モデル(F30系)の2.0Lターボディーゼルを搭載する320Dツーリング。これがなんとカタログ燃費を超える省燃費をみせる走りだった。 <スタッフブログ 編集部髙橋明>
ディーゼルは東京のようなゴーストップを繰り返す環境より、淡々と一定速度で走る環境だと燃費がいい。100km/h巡航時、エンジンは1500rpm。室内にはエンジ音が全く聞こえないので、ガソリン車なのか、ディーゼルなのかさっぱりわからない。同乗したタカハシの家族は誰一人として気づかない。面白いことに、後日乗せた編集部員、ジャーナリストも気づかない。
欧州では、特にドイツではアウトバーンの発達もあり移動距離が長く、長時間移動するケースが多々あるらしく、ディーゼルが好まれている。日本の自動車メーカーも国内にディーゼル投入はしないけど、欧州ではディーゼル搭載グレードを設定するのが常識だ。あるメーカーの広報部長は「カタログにディーゼルモデルがないとうだけで、見向きもしない人が多い。だからディーゼルはマストアイテムですね」という話も聞く。
カタログ燃費は、みなさん御存じのJC08モードというモード試験方法で、想定したモードに沿ってメーカーのスペシャリストドライバーによるテストがローラー上でテストされる。このモードテストの内容が実際の運転環境と違うという指摘を受けつつ、モード変更を何度となく繰り返している歴史がある。欧州やアメリカでもテストモードがあるものの、日本のモードより実際の数値近いデータが得られるというが、体験したことはない。
320Dはカタログ燃費19.4km/L。これはJC08モード値。国産車メーカーは燃費を気にするユーザーが多いため、とにかくこの数値に拘る。したがって、燃費スペシャルグレードがあったりするわけで、実際の燃費との乖離は話題にもなる。どんな日本車でもカタログ燃費を実用燃費で超えることがないのはそのためだ。逆に欧州車では欧州の燃費試験を視野にいれJC08モード対策はされていないのが一般的。だから、欧州仕様のまま輸入されJC08モードで試験される。そのため、このようなことが起こるわけだ。
この320Dをタカハシはとくに燃費を気にすることもなく、普通に実用的に走らせた結果20.4km/Lまで記録している。しかも2名乗車で。写真は撮り損ねたが20.0km/Lの証拠は撮った。一名乗車で燃費運転すればもっと伸びるかもしれない。
このツーリングは冒頭書いたように静か。30km/hぐらいまでの市街地ではゴロゴロとしたエンジン音が聞こえるので、知っていればディーゼルらしい音と言うかもしれないが、知らなければ「音がしている」というレベルでうるさくもなく、単に音が出ているだけ。それも車速が上がるとエンジン音は小さくなり、聞こえなくなる。ロードノイズなどが大きくなるからだろうが、シフトアップも1200から1300rpmで上のギヤへシフトするので、ほんの数十メートル走るだけでガラガラ音は聞こえなくなる。BMWはプレミアムモデルだから、車内が静かなのは当たり前だ。
乗り心地も滑らかでしっとり、しなやかな乗り味と静かな室内。380Nm という大トルクがあるからどの車速からでも瞬時に加速し、パワー不足など微塵も感じない。サーキット走行してみたくなる衝動が起こる滑らかディーゼルなのだ。
価格は528万円から573万3000円。ボディサイズは全長4625mm×全幅1800mm×全高1460mm、ホイールベース2810mm。ラゲッジ容量は495Lから1500Lとなっている。
2015年の後半は欧州からディーゼルモデルが多数出ると噂されている。どれもポスト新長期規制をクリアしている。一時尿素水を使ったクリーンディーゼルが出ていたが、いまはDPFフィルター、NSCなどで有害物質の除去をしており、尿素水の補充などの手間がなくっている。
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