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日産「サクラ」発表 軽の最新EVで、電気自動車は普及するのか? 内装/装備編

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日産「サクラ」発表 軽の最新EVで、電気自動車は普及するのか? 内装/装備編

サクラ、eKクロスEV その違い

執筆:Hajime Aida(会田肇)

【画像】日産サクラ デザイン/内装【細部まで見る】 全128枚

2021年1月、菅義偉首相(当時)の施政方針演説において「2035年までに新車販売の100%を電動化する」ことが示された。それ以降、日本においても電動化へシフトする動きが急速に強まりつつある。

それを受けて、2022年に入ると各社からはEVが相次いで投入されることが発表され、そしてついにその動きは軽自動車にまで及んだ。

5月20日、日産と三菱が待望の軽自動車EVを発表し、夏に発売すると発表したのだ。

まずはその概略を説明しよう。

両車ともハイト系ワゴンのスタイルを採用する軽自動車EVだが、コンセプトは大きく違う。

日産は車名をまったく新しい『SAKURA(サクラ)』とし、同社EVの新たなラインナップとした。対する三菱は、従来からある「eK X(クロス)」の流れを汲む中での追加モデル『eKクロスEV』としている。

そのため、サクラはデザインとしても上位モデル「アリア」とも重なるデザインイメージを持たせてまったく新しいEVであることを強調。

その一方でeKクロスEVは、外観にルーフレールを準備するなどeKクロスのSUV風デザインを引き継ぎ、EVながら“eKファミリー”の一員であることを訴えている。

つまり、EVのパワートレイン系こそ同じでありながら、両車は立ち位置を変えることで、それぞれの個性を訴求しているのだ。

今回はその中で発表前のサクラ(プロトタイプ)にテストコース内で試乗することができた。それを引き合いに、試乗した感想などをレポートしていこうと思う。

こう見えて、ボディはほぼ新設計

この日の事前試乗会は、あいにくの雨が降りしきる中で実施された。

会場には日産のEV 3兄弟として、サンライズカッパーのボディ色に身をまとったリーフやアリアも並べられていた。

特にサクラとアリアはフロントグリルやヘッドライトの意匠をかなり近いデザインとしており、そのイメージからは“ミニ・アリア”という印象も受ける。

グレード構成は最上位の「G」を筆頭に、最量販グレードと見込まれる「X」。それに最廉価な「S」の計3グレードがラインナップされた。ただ、「S」はビジネス用途となるせいか、カタログには掲載されていない。

なので実質的には、フル装備の「G」と、装備を絞り込んで身近な価格帯とした「X」の2グレード構成と考えていいだろう。

サクラの造形は一見して、ガソリン車のデイズをベースにバッテリーを搭載したようにも見える。

が、それは違った。

プラットフォームこそ同じであるものの、ボディはほとんどが新設計となっているのだ。商品企画担当者に聞くと、デイズと共通化しているのは、フロントウインドウと左右ドアミラー、各ドアグリップぐらいだという。

シートに座ってみた 室内の空間は?

バッテリーはリーフにも採用したエンビジョンAESC製とし、バッテリー総電力量は20kWhで最高出力は47kW(64ps)。

このバッテリーを車体のほぼ中央に配置した。

セルは車体の形状に対応しやすいユニバーサルスタックとなっており、これにより後席のフロア面はセルを薄くし、前後シート下部分は厚くすることにも対応できたという。

実際に後席に座ってみると、フロアにバッテリーが収まっているとは思えない十分なスペースを実感できた。

運転席周りもデイズと比べて遜色ないスペースが確保されていた。驚くのは広々とした中に施された高品質感だ。

ダッシュボードのデザインはサクラ専用のオリジナル設計で、横に広がる直線的なデザインが広がり感を演出。表面にはファブリックが巻かれ、触ればわずかな弾力も伝えてくる。

硬質なプラスチック素材が使われる軽自動車が当たり前の中で、これだけでもこれまでの常識を超える高品質ぶりを実感できるだろう。

装備/インフォテインメントの注目点

ステアリングもダッシュボードの横の広がりと合わせ、横一のモノスポークデザインを採用。これはアリアと共通のイメージも表現しているという。

また、オプションで「ホットプラスパッケージ」を装備すれば、ステアリングヒーターや前2席のシートヒーターを装備できるのも見逃せないポイントだ(※軽自動車初のリアLEDフォグランプも装備できる)。

メーターやナビゲーションを含むインフォテイメント系装備も、統合型インターフェースとしてEVらしさを強調する。メーターパネルには7インチの液晶ディスプレイを採用し、ここでは速度計などの基本表示以外に、プロパイロットの作動状況やナビゲーションの方面案内までもサポート。

そして、9インチの大画面を持つナビゲーション本体とも一体化することで、一体感のある美しいデザインと高い機能性をもたらしているのだ。

サクラではシフト系もEVらしさを追求した。

角型のシフトノブはアリアにも通じるデザインで、その横にはアクセルペダルだけで車速を自在にコントロールできる「e-Pedal Step(eペダル・ステップ)」のスイッチも配置された。

実はこのスイッチは、続報の試乗編で試す各ドライブモードのいずれでも動作させられる。

たとえば普段はeペダルをONにしていても、不要になったらいつでもOFFにできるのだ。これが実にわかりやすく、eペダルをより積極的に使いたくなるはずだ。

この続きは「試乗編」で。

日産サクラ 価格(補助金)/スペック/発売日

日産サクラは2022年夏頃の発売を予定。価格は下記のとおりだ。

生産工場となる水島製作所で開催されたオフライン・セレモニーで日産の内田誠 社長は、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金を活用した場合、「実質購入価格はメイングレードで約180万円台」と説明している

価格:(S)233万3100円(X)239万9100円(G)294万300円
全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1655mm
最高速度:130km/h
0-100km/h加速:-
バッテリー総電力量:20kWh
航続可能距離:180km
CO2排出量:0g/km
車両重量:1070~1080kg
パワートレイン:モーター1基
最高出力:47kW(64ps)/2302-10455rpm
最大トルク:195Nm(19.9kg-m)/0-2302rpm
最低地上高:145mm
乗車定員:4名

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みんなのコメント

3件
  • 兵庫県公用車これでいい。
  • メーカーさんには申し訳ありませんが、EVの普及が遅れている日本国内に於いて、EVを普及させる為には2つの事が必要だと思います。
    先ずは、全国民に試乗して貰う事です。
    乗ったらその違いは明らかです。
    加速性能、走行性能、静寂性、コストの安さ、現在発売されている軽自動車とは全く違います。
    もう1つは、中国で低価格なEVが爆発的に売れています。
    日本人の殆んどの人達が乗った事が無い様ですので、沢山のオプションを付けて高く売る様な事はしないで、必要最低限な装備を標準仕様として、沢山の人達に買って貰える様な価格帯にする事だと思います。
    ガソリン価格上昇、スタンドが減少しているので、近所の足セカンドカーとして、検討する人達の為にも。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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