新型アルファード/ヴェルファイアを穴が開くほど見ていてふと気が付いた。テールランプの下に小さなスイッチが付いているのだ。一体このスイッチは何? そこには、まさにトヨタの真骨頂を思わせる繊細な気配りが隠されていた!
文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ、ベストカーWeb編集部
超小型隠しボタンの機能はいったい? 新型アルファード/ヴェルファイアの気配りにマイッた
■バックドアをクルマの横から開けられる!
ボディ横からバックドアが開けられるパワーバックドアスイッチ
新型アルファード/ヴェルファイアは、テールランプがスマートになった。30系アルヴェルは人間が両腕を持ち上げたようなゴツさを感じさせたが、新型(40系)は鳥が羽根を広げたような優雅さがある。ヴェルファイアには流行の横一直線LEDまで入っていていうことなしだ。
で、そのテールランプを眺めていたらふと気づいた。アルファードにもヴェルファイアにも、ボディサイドに回り込んだ部分に、小さな二つのスイッチがあるのだ。最初はトヨタお得意の「エアロスタビライジングフィン(後述)」かと思ったが、押すと明確にへこむからスイッチに違いない。
こいつはいったい何者か? 正解を教えよう。実はこれ、リアのドアを開く「パワーバックドアスイッチ」なのだ。新型アルヴェルは、巨大なバックドアをクルマの横に立って開けられるのである。
これはミニバンオーナーなら誰でも「便利!」と感じるに違いない。普通、ミニバンの荷室から荷物の出し入れを行うとき、ユーザーはバックドアの後ろに立って操作を行う。広いスペースでやるならいいが、背後に壁がある自宅やスーパーの駐車場などでは、バックドアと壁にはさまれそうになるのだ。ドアが上まで全開してしまい、壁や天井にぶつけてしまうこともある。
トヨタはこの不便さを解消させようと、通常のバックドア中央部に加えて、ボディサイドにも開閉スイッチを付けたのだ。2つのスイッチのうち、ひとつはドアを開くもの。もうひとつは開閉中のドアを任意の位置で止めるためのものだ。
実際に使ってみると、こいつが実に使い勝手がいい。狭い場所でバックドアを開かなければならないとき、壁との距離を目で確認しながらドアの開き方を決められるからだ。
スイッチはほんのりと点灯するから、暗闇でスイッチを探す面倒もない。聞けばトヨタは、この米粒にも満たない明りを得るために、国土交通省から後尾灯に関する認可まで取得し直したというのだから、その労力はハンパではない。
■ほぼすべてのトヨタ車に付いている「エアロスタビライジングフィン」
30系アルファードのテールレンズにある「エアロスタビライジングフィン」
さて、小さなスイッチの秘密は分かったが、記事中に出てきた「エアロスタビライジングフィン」とはなんだろうか。
なにやらスポーツカーの特別装備のような語感だが、実はこの装備、2010年頃から後のトヨタ車(レクサス車を含む)にはほぼすべて付いている。
あなたがもしトヨタ車ユーザーなら、テールレンズやドアミラーの付け根をチェックしてほしい。車種によって大小はあるが、米粒を長くしたような突起が付いているはずだ。
この「エアロスタビライジングフィン」、一般的には「ボーテックスジェネレーター」という。飛行機の主翼や新幹線のパンタグラフ、レースカーの車体などに付いているものと機能は同じだ。
走っているクルマの周囲の空気の流れは、車体との距離によって圧力やスピードが異なるのだが、車体のごく近くを流れる空気は車体からはがれにくい特性を持つ。その「はがれにくさ」は空気抵抗となって運動性能や燃費に影響を及ぼすため、トヨタはその影響を抑えようと考えたのだ。
「エアロスタビライジングフィン」は、ボディ近傍を流れる空気を意図的にかき回し、渦を作る。その結果、空力特性が改善し、燃費向上や騒音低減に無視できない効果を発揮するのだ。 求める要件によってサイズや数が異なるため、トヨタ車では車種ごとに「エアロスタビライジングフィン」のサイズや数が違っている点が面白い。街を走るトヨタ車を見かけたら、ぜひともチェックしてほしい。
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