現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > オペル日本再上陸はほぼ白紙か!? キムタクドラマで超絶売れたヴィータはどうなる!? 実現が厳しいワケ

ここから本文です

オペル日本再上陸はほぼ白紙か!? キムタクドラマで超絶売れたヴィータはどうなる!? 実現が厳しいワケ

掲載 27
オペル日本再上陸はほぼ白紙か!? キムタクドラマで超絶売れたヴィータはどうなる!? 実現が厳しいワケ

 ドイツの自動車メーカー「オペル」が、再上陸すると発表したのが、2020年のことだ。それから3年の歳月が経過したが、音沙汰がない状況が続いている。一体、オペルの再上陸はどうなったのか? 

文/大音安弘、写真/Opel

オペル日本再上陸はほぼ白紙か!? キムタクドラマで超絶売れたヴィータはどうなる!? 実現が厳しいワケ

■オペルとはどのような自動車メーカーなのか? 

 かつては先進的なデザインでも注目を集めていたドイツの自動車メーカー「オペル」は、90年代にコンパクトカー「ヴィータ」が人気となるも、2006年には、日本市場から撤退を発表。

 今や日本の街角で見かけることもなく、その存在も忘れられようとしている。

 しかし、2020年2月、突然の沈黙を破り、日本再上陸を発表し、日本の自動車ファンを驚かせた。あれから3年、オペル再上陸の今を追った。

 現代の日本では、自動車マニアだけが知るといっても過言ではないオペルだが、オペルの歴史は、かなり古い。

 1862年に創設されたアダム・オペル社を原点とする。当初は、ミシンや自転車のメーカーとして成功。しかし、その自転車のヒットが、多くのライバル参入を招くことになった。

 大会社となったオペルが活路を見出したのが、自動車だったのだ。小さな自動車メーカーだったルツマンのパテントと生産設備などを買収し、自動車事業に参入。

 ただ簡素で古臭いルツマン車の販売は失敗に終わるも、1900年にフランスのダラック社と契約を結び、ライセンス生産を開始。

 先進的なダラックは、ドイツ市場で受け入れられ、これがオペルの自動車メーカーの基礎となり、ドイツの最大手自動車メーカーへと成長していく。

 しかし、1926年にアメリカからの圧力で、ドイツでの輸入車関税が廃止させれたことで、大量生産される低価格のアメリカ車が上陸し、ドイツ自動車メーカーは大きな打撃を受けた。

 この危機に対してオペルは、極めて冷静に対処。欧州進出に熱心だったGM(ゼネラルモーターズ)との提携を決断した。

 1929年には、GM資本を受け入れた新組織となったが、1931年には、創業家であるオペル一家から全株式を譲り受け、GMの完全子会社となっている。その後は、第二次世界大戦で、GMが一時的に経営権を失ったこともあったが、

■2000年のキムタク名ドラマで話題に!! 日本でのオペルの立ち位置とは

 GMのグローバル戦略の下、欧州戦略の要として、欧州地区を中心に販売を展開してきた。

 いっぽうで日本でのオペル車の販売は、なんと1927年より輸入を開始している。しかし、時代によりインポーターが移り変わった背景もあり、安定した輸入が行われるようになったのは、ヤナセがインポーターとなった1993年のこと。

 1995年より導入を開始したコンパクトカー「ヴィータ(本国名:コルサ)」は、国産車とも競える150万円台からという低価格と充実装備に加え、翌年からは右ハンドル車も設定したことから人気に。

 そして、2000年に放映されたTVドラマ「Beautiful Life ~ふたりでいた日々~」で、癖のある美容師(木村拓哉)と恋に落ちるハンディキャップを持つ図書館司書(常盤貴子)の愛車として登場。

 けなげなヒロインを支える迷惑役を演じで、再び注目を集めた。残念ながら、このヴィータが日本でのオペル最大のヒットとなった。

 2000年には、日本ゼネラルモータース(日本GM)がインポーターとなる。これを機に、ヤナセに加え、日本GMもディーラーを展開し、取り扱うようになる。

 さらに当時、富士重工業(現SUBARU)が、GMグループに加わったことで、ミニバンを持たないスバルに向け、「オペル ザフィーラ」のOEMとなる「スバル トラヴィック」が提供された。

 仕様が異なるとはいえ、日本にもザフィーラは正規導入されており、それよりも排気量が大きいトラヴィックの方が安価であったため、ザフィーラの販売不振を加速させることにもなった。

 既に日本での販売が低迷していたオペル車は、GMの経営悪化の影響も受け、2006年に日本撤退を決断することに至った。

 その後のオペルは、欧州地区向けブランドとして生き残りを図るが、2009年のGMの敬遠破綻より、危機を迎える。

 なんと会社の売却が検討される事態となったが、最終的にはGMの下のまま、経営再建に取り組んだ。

 その後、2012年にフランスのグループPSAと資本提携及び業務提携を行うことで、経営改善を図った。その縁により、グループPSAは、オペルとそのバッチエンジニアリングである英国ブランド「ボグゾール」などの事業を買収。

 グループPSA傘下で策定された新事業計画「PACE!」の中には、新たな海外展開も含まれていた。

 その結果、2019年12月、フランスのグループPSAは、2021年夏をめどとした日本へのオペル再導入に動くことを公表。

■2024年以降も厳しい!? オペル日本市場への再上陸の可能性は消えた? 

写真は、日本導入予定だったBセグメント「モッカ」。このほかに、「Bセグメントコンパクトカーコルサ」、CセグメントSUV「グランドランド」、MPV「コンボライフ」が導入予定だった

 年明け早々の2020年2月18日には、日本法人であるグループPSAジャパンは、都内にて記者発表会を実施。改めて日本導入についてのアナウンスが行われた。

 発表会場では、最新型の「コルサ」も披露し、再導入への強い意気込みを見せていた。

 その計画では、初年度にBセグメントコンパクトカー「コルサ」、MPV「コンボライフ」、CセグメントSUV「グランドランドX」の3車種の導入することを発表。

 さらに電動化モデルの追加だけでなく、順次、他車種も展開していくことが予告された。

 新たな動きがあったのは、2021年8月4日のこと。オペル日本語版WEBサイトがオープンされ、同時にオペル車の発売とディーラー展開が、2022年上半期となると改めた。

 さらに初期導入モデルが、BEV仕様を含めた「コルサ」、CセグメントSUV「グランドランド」に加え、BセグメントSUV「モッカ」に修正。MPV「コンボライフ」は、導入が遅れることが明かされた。

 この時点で、導入が1年送りされた理由については「当初の想定を超える新型コロナウィルスの感染拡大と半導体の供給不足などの外的要因」と説明されていた。

 当初の導入予定より約1年を迎えた今、オペルの日本公式サイトのアップデートはなく、その後を伝える公式アナウンスも一切ない状況だ。

 グループPSAとフィアットクライスラーオートモビルズの合併により、オペルのインポーターとなるステランティスジャパンに確認したところ、「何も進展はなく、少なくとも2024年の導入はない」との回答を得た。

 独自に情報を収集してみたが、当初は、本国よりオペル担当者が来日し、オペル再導入に向けて動いていた。

 しかし、想定外となるコロナ禍を迎え、全方位で進展が望めない状況となり、担当者は帰国せざるを得ない状況となったと聞く。そして、コロナ明けの今、導入そのものの先行きにも暗雲が立ち込めてきた。

 まずは為替による輸入車の価格上昇だ。ステランティスジャパンが導入する全てのブランドで、度々の価格改定が実施。全ブランドで、価格帯の上昇が見られた。

 そのため、既存の購買層との乖離も起きており、販売自体の厳しさを増している。そのため、現在の乗用車8ブランドの中でも、より明暗が分かれてきてもいる。

 正直、ブランド拡充よりも販売の立て直しが急務なのだ。さらにオペル自身も、2023年6月に、オーストリア・ウィーン工場の閉鎖を発表。

 オペル側は、ギアボックス生産を行っている工場であるため、EVシフトの時代に、将来性がないということを理由とするが、これはオペルブランド自体の将来が大きく見直されているとも受け取れる。

 また日本での正規ディーラーを担うのは、地場の自動車販売店であるため、自動車が売れない時代に生き残りを掛けた経営投資にはシビアだ。

 一度、撤退したブランドでの挑戦は、リスキーだと判断している面も感じる。正直、オペルの再導入は、儚き夢と終わってしまうだろうと見ている。

[articlelink]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
AUTOSPORT web
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
くるまのニュース
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
AUTOSPORT web
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
AUTOCAR JAPAN
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
Auto Messe Web
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
AUTOSPORT web
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
約10年ぶりに“メイド・イン・イングランド”に!? 新型「ミニ・コンバーチブル」が“ミニの聖地”で生産開始
約10年ぶりに“メイド・イン・イングランド”に!? 新型「ミニ・コンバーチブル」が“ミニの聖地”で生産開始
VAGUE

みんなのコメント

27件
  • tak********
    迷惑役?

    名脇役かな?


    文章の構成も駄目だし、誤字脱字が多すぎてとてもプロのライターが書いた記事とは思えないw
  • edd********
    敬遠破綻って何だよw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

169.5232.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
ヴィータの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

169.5232.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村