ドイツの自動車メーカー「オペル」が、再上陸すると発表したのが、2020年のことだ。それから3年の歳月が経過したが、音沙汰がない状況が続いている。一体、オペルの再上陸はどうなったのか?
文/大音安弘、写真/Opel
オペル日本再上陸はほぼ白紙か!? キムタクドラマで超絶売れたヴィータはどうなる!? 実現が厳しいワケ
■オペルとはどのような自動車メーカーなのか?
かつては先進的なデザインでも注目を集めていたドイツの自動車メーカー「オペル」は、90年代にコンパクトカー「ヴィータ」が人気となるも、2006年には、日本市場から撤退を発表。
今や日本の街角で見かけることもなく、その存在も忘れられようとしている。
しかし、2020年2月、突然の沈黙を破り、日本再上陸を発表し、日本の自動車ファンを驚かせた。あれから3年、オペル再上陸の今を追った。
現代の日本では、自動車マニアだけが知るといっても過言ではないオペルだが、オペルの歴史は、かなり古い。
1862年に創設されたアダム・オペル社を原点とする。当初は、ミシンや自転車のメーカーとして成功。しかし、その自転車のヒットが、多くのライバル参入を招くことになった。
大会社となったオペルが活路を見出したのが、自動車だったのだ。小さな自動車メーカーだったルツマンのパテントと生産設備などを買収し、自動車事業に参入。
ただ簡素で古臭いルツマン車の販売は失敗に終わるも、1900年にフランスのダラック社と契約を結び、ライセンス生産を開始。
先進的なダラックは、ドイツ市場で受け入れられ、これがオペルの自動車メーカーの基礎となり、ドイツの最大手自動車メーカーへと成長していく。
しかし、1926年にアメリカからの圧力で、ドイツでの輸入車関税が廃止させれたことで、大量生産される低価格のアメリカ車が上陸し、ドイツ自動車メーカーは大きな打撃を受けた。
この危機に対してオペルは、極めて冷静に対処。欧州進出に熱心だったGM(ゼネラルモーターズ)との提携を決断した。
1929年には、GM資本を受け入れた新組織となったが、1931年には、創業家であるオペル一家から全株式を譲り受け、GMの完全子会社となっている。その後は、第二次世界大戦で、GMが一時的に経営権を失ったこともあったが、
■2000年のキムタク名ドラマで話題に!! 日本でのオペルの立ち位置とは
GMのグローバル戦略の下、欧州戦略の要として、欧州地区を中心に販売を展開してきた。
いっぽうで日本でのオペル車の販売は、なんと1927年より輸入を開始している。しかし、時代によりインポーターが移り変わった背景もあり、安定した輸入が行われるようになったのは、ヤナセがインポーターとなった1993年のこと。
1995年より導入を開始したコンパクトカー「ヴィータ(本国名:コルサ)」は、国産車とも競える150万円台からという低価格と充実装備に加え、翌年からは右ハンドル車も設定したことから人気に。
そして、2000年に放映されたTVドラマ「Beautiful Life ~ふたりでいた日々~」で、癖のある美容師(木村拓哉)と恋に落ちるハンディキャップを持つ図書館司書(常盤貴子)の愛車として登場。
けなげなヒロインを支える迷惑役を演じで、再び注目を集めた。残念ながら、このヴィータが日本でのオペル最大のヒットとなった。
2000年には、日本ゼネラルモータース(日本GM)がインポーターとなる。これを機に、ヤナセに加え、日本GMもディーラーを展開し、取り扱うようになる。
さらに当時、富士重工業(現SUBARU)が、GMグループに加わったことで、ミニバンを持たないスバルに向け、「オペル ザフィーラ」のOEMとなる「スバル トラヴィック」が提供された。
仕様が異なるとはいえ、日本にもザフィーラは正規導入されており、それよりも排気量が大きいトラヴィックの方が安価であったため、ザフィーラの販売不振を加速させることにもなった。
既に日本での販売が低迷していたオペル車は、GMの経営悪化の影響も受け、2006年に日本撤退を決断することに至った。
その後のオペルは、欧州地区向けブランドとして生き残りを図るが、2009年のGMの敬遠破綻より、危機を迎える。
なんと会社の売却が検討される事態となったが、最終的にはGMの下のまま、経営再建に取り組んだ。
その後、2012年にフランスのグループPSAと資本提携及び業務提携を行うことで、経営改善を図った。その縁により、グループPSAは、オペルとそのバッチエンジニアリングである英国ブランド「ボグゾール」などの事業を買収。
グループPSA傘下で策定された新事業計画「PACE!」の中には、新たな海外展開も含まれていた。
その結果、2019年12月、フランスのグループPSAは、2021年夏をめどとした日本へのオペル再導入に動くことを公表。
■2024年以降も厳しい!? オペル日本市場への再上陸の可能性は消えた?
写真は、日本導入予定だったBセグメント「モッカ」。このほかに、「Bセグメントコンパクトカーコルサ」、CセグメントSUV「グランドランド」、MPV「コンボライフ」が導入予定だった
年明け早々の2020年2月18日には、日本法人であるグループPSAジャパンは、都内にて記者発表会を実施。改めて日本導入についてのアナウンスが行われた。
発表会場では、最新型の「コルサ」も披露し、再導入への強い意気込みを見せていた。
その計画では、初年度にBセグメントコンパクトカー「コルサ」、MPV「コンボライフ」、CセグメントSUV「グランドランドX」の3車種の導入することを発表。
さらに電動化モデルの追加だけでなく、順次、他車種も展開していくことが予告された。
新たな動きがあったのは、2021年8月4日のこと。オペル日本語版WEBサイトがオープンされ、同時にオペル車の発売とディーラー展開が、2022年上半期となると改めた。
さらに初期導入モデルが、BEV仕様を含めた「コルサ」、CセグメントSUV「グランドランド」に加え、BセグメントSUV「モッカ」に修正。MPV「コンボライフ」は、導入が遅れることが明かされた。
この時点で、導入が1年送りされた理由については「当初の想定を超える新型コロナウィルスの感染拡大と半導体の供給不足などの外的要因」と説明されていた。
当初の導入予定より約1年を迎えた今、オペルの日本公式サイトのアップデートはなく、その後を伝える公式アナウンスも一切ない状況だ。
グループPSAとフィアットクライスラーオートモビルズの合併により、オペルのインポーターとなるステランティスジャパンに確認したところ、「何も進展はなく、少なくとも2024年の導入はない」との回答を得た。
独自に情報を収集してみたが、当初は、本国よりオペル担当者が来日し、オペル再導入に向けて動いていた。
しかし、想定外となるコロナ禍を迎え、全方位で進展が望めない状況となり、担当者は帰国せざるを得ない状況となったと聞く。そして、コロナ明けの今、導入そのものの先行きにも暗雲が立ち込めてきた。
まずは為替による輸入車の価格上昇だ。ステランティスジャパンが導入する全てのブランドで、度々の価格改定が実施。全ブランドで、価格帯の上昇が見られた。
そのため、既存の購買層との乖離も起きており、販売自体の厳しさを増している。そのため、現在の乗用車8ブランドの中でも、より明暗が分かれてきてもいる。
正直、ブランド拡充よりも販売の立て直しが急務なのだ。さらにオペル自身も、2023年6月に、オーストリア・ウィーン工場の閉鎖を発表。
オペル側は、ギアボックス生産を行っている工場であるため、EVシフトの時代に、将来性がないということを理由とするが、これはオペルブランド自体の将来が大きく見直されているとも受け取れる。
また日本での正規ディーラーを担うのは、地場の自動車販売店であるため、自動車が売れない時代に生き残りを掛けた経営投資にはシビアだ。
一度、撤退したブランドでの挑戦は、リスキーだと判断している面も感じる。正直、オペルの再導入は、儚き夢と終わってしまうだろうと見ている。
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みんなのコメント
名脇役かな?
文章の構成も駄目だし、誤字脱字が多すぎてとてもプロのライターが書いた記事とは思えないw