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試乗ポルシェ・マカン マイナーチェンジ 2ℓ4気筒 エントリーグレードを評価

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試乗ポルシェ・マカン マイナーチェンジ 2ℓ4気筒 エントリーグレードを評価

もくじ

どんなクルマ?
ポルシェが売るクルマの40%はマカン
ー ディーゼルエンジンは不在
どんな感じ?
ー ポルシェが推す2.0ℓ4気筒
ー 丁度良いパフォーマンスとシャシー性能
「買い」か?
ー ベストハンドリングの素のマカン
スペック
ー ポルシェ・マカンのスペック

VWトゥアレグ2018年型 3.0 V6 TDIディーゼルに試乗 慎み深さが魅力

どんなクルマ?

ポルシェが売るクルマの40%はマカン

ポルシェにとって、マカンの重要度はどれほどのものか? 近年の販売実績を見ると、その答えが浮き彫りになってくる。5年前、ポルシェはマカンをラインナップしていなかったが、当時の911やボクスターケイマンパナメーラなどを合わせた台数以上に、昨年はマカンを販売しているのだ。2017年では、ポルシェの販売台数の実に40%をマカンが占めている。

まさに、多くのニーズに応えたクルマだといえる。ほとんどのクルマは、往々にしてモデルライフを通して似た販売台数のカーブを描く。販売直後に大きく台数を稼ぐが、新しいライバルの登場やモデルチェンジを控えるにつれ、時間とともに徐々に減少に転じていく。しかし、マカンの場合は話が別。2014年の発売以来、年々販売台数を伸ばし続けているそうだ。

新しいマカンの開発に向けて、この販売傾向を維持することが前提になっているのは、容易に想像できる。恐らく開発資料の文章には、そこだけ赤い太文字が使われていただろう。また、このマイナーチェンジを受けたこのマカンの場合、優れた部分は変更しない、という言葉もドイツ語で記されていたに違いない。その箇所はかなり多そうだ。新しいマカンを見ると、それが伝わってくる。

クルマの雰囲気としては、一新したというより、リフレッシュしたという程度。エクステリアデザインの変更点は、ポルシェ911のデザインモチーフに従った、左右につながったフレームを持つテールライトに、新しいバンパーやLEDヘッドライト、フロントグリル、リアディフューザーなど。大きなコストを要するホワイトボディの変更をすることなく、装備できるものに限定されている。

ディーゼルエンジンは不在

インテリアには、ポルシェの新しいデザインスキームが散りばめられている。インスツルメント・パネルは4.8インチのTFTモニターに置き換わり、ダッシュボード中央の10.9インチモニターには、クルマの各情報やナビゲーション、エンターテインメントなどを表示できる。モニターの周りには操作用のボタンやボリュームスイッチが並んでいる。

運転支援システムとして、クルーズコントロールには「交通渋滞」モードが追加され、低速域でなら発進から停止まで対応。またナビゲーションは、周辺状況に基づいた渋滞情報を表示できるほか、オフロードでのガイドも可能となっている。

新しいマカンにはグレードを問わず、今後数年間はディーゼルエンジンは搭載されないそうだ。最新のディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに引けを取らないほど排気ガスがクリーンで、SUVにはピッタリの太いトルクを生み出し、CO2の排出量や燃費の面でも有利なのにも関わらず。

ポルシェへディーゼルエンジンを供給していた、フォルクスワーゲンが起こした排気ガス検査の不正「ディーゼルゲート」によって、ポルシェのお膝元、ツフェンハウゼンは未だに供給元へ懐疑心を持っているのかもしれない。わたしには明確な理由はわからないのだが。

理由はともかく、マカンにディーゼルエンジンがラインナップされないということは、ランニングコストを考えると、販売台数には少なからず影響を及ぼすだろう。英国をはじめとするヨーロッパでは特に、減少傾向とはいえ、ディーゼルの人気は根強く、特にSUVではその傾向は顕著。またマカンには、カイエンやパナメーラと違って、ハイブリッドシステムを備えたグレードも存在しないのだから。

どんな感じ?

ポルシェが推す2.0ℓ4気筒

新しいマカンSには、339psを発生する3.0ℓのV6エンジンが搭載され、マカンターボには440psを発生する2.9ℓのV6エンジンが搭載される。わずかに排気量が小さいのは、ストロークを短くすることで、回転域でのフレキシビリティを高めることが目的だろう。この中間に恐らくGTSも存在するはずだが、その登場は後日になるようだ。

そして多くの顧客を引きつけるべく、エントリーグレードとして2.0ℓ4気筒のガソリンエンジンを搭載したグレードがある。今回のマイナーチェンジで追加されたグレードに感じるかもしれないが、5年前から実は存在していた。あまり人気はなかったようだけれど。

しかし今回、ポルシェは排気量が大きいグレードから発表するという、トップダウン方式を改めた。マカンをリードするグレードとして、2.0ℓ4気筒モデルにスポットライトを当てることにしたのだ。エンジンはフォルクスワーゲン製のユニットで、ゴルフの高性能版に搭載されているものと同じ。ゴルフRの場合310psを発生するのに対し、マカンの場合は245psに抑えられている。

フォルクスワーゲンよりポルシェが最高出力で劣ることに違和感を感じないでもないが、この2.0ℓのエントリーグレードとマカンSとの間に、100ps前後の明確な違いを持たせたかったのだろう。また、新しいWLTP(乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法)に対応するため、燃費とCO2の排出量を抑えたかったという理由もあるに違いない。2.0ℓエンジンのグレードは、3.0ℓエンジンのマカンSと比べて100kg程度軽量に仕上がると考えられるから、最高出力で劣る部分をある程度は相殺できる。

丁度良いパフォーマンスとシャシー性能

ここまで読んで、2.0ℓグレードが資金に余裕のない人向けのクルマだと、安直には捉えないでほしい。マカンという名前には変わりなく、しっかりした魅力がある。このプロトタイプに試乗したのは既に1年近く前のことになるが、兄貴分の6気筒モデルと比較して、その完成度の高さに驚かされた。そして正式発表となった今回、改めて驚かされる仕上がりだったのだ。

乗り始めは少し物足りなく感じるかもしれない。しかし、エンジンが本領を発揮するのが比較的高回転域であることと、プログラムが新しくなったPDKの積極的な設定に気づくと、見方が一気に変わるはず。3.0ℓエンジンよりも2.0ℓエンジンの方が、サウンド面でも聴き応えがあり、エンジンを回して走るという体験の楽しさでは、上をいっている。

確かに、低回転域でのトルクがもっと太ければ、より優れた相棒になるだろう。しかし、フロントが軽量でパワーも控えめなおかげで、マカンのクリアなステアリングフィールやシャシーバランスの良さを味わうのに、限界領域まで踏み込む必要がない、という点は大きな魅力だと思う。

そもそもわたしの場合、ハイパフォーマンスSUVをハイスピードで走らせるということに、さほど楽しさを感じないのだ。ストレートで一気に加速したとしても、ブレーキングは早めに行い、しっかり速度を殺してコーナリングするというリズム感が、好きになれない。

反面、この2.0ℓのマカンなら、スピードもほどほど。ブレーキングもそこまで神経質になる必要がないから、クルマのパフォーマンスとシャシー性能とが、丁度良くシンクロするような感覚を味わえる。主観では、ディーゼルエンジンがないことは残念に思えるが、この2.0ℓのマカンこそ、それに代わるグレードだと思う。

「買い」か?

ベストハンドリングの素のマカン

結果として、この2.0ℓのエントリーグレードこそ、マカンで一番優れたハンドリングを備えているだけでなく、SUVというカテゴリー全体でも、ベストのハンドリングを備えている。

最新のアルミニウム製プラットフォームをベースにしたクルマ、という点も、そのハンドリングには大きく影響を与えている。既にマカンはエンジンサイズに関わらず、ライバルよりも一歩先ゆく完成度を持っていた。そして今回のマイナーチェンジによって、このクラスでは最も楽しめるクルマとして、さらに一段、完成度は高まった。もちろん、この2.0ℓのマカンがそれを示している。

ポルシェというブランドでありつつ、スポーツカーではないことに抵抗があるひともいるだろう。しかし、SUVでこれほどの走りを体験させてくれるクルマは、これまでなかった。スペック上はやや見劣りする部分もあるかもしれないが、最も面白く扱いやすい、バランスに優れたグレードこそ、素のマカンだといえる。

ポルシェ・マカンのスペック

■価格 4万6344ポンド(671万円)
■全長×全幅×全高 4696×1923×1624mm
■最高速度 225km/h
■0-100km/h加速 6.7秒
■燃費 12.3km/ℓ
■CO2排出量 185g/km
■乾燥重量 1795kg
■パワートレイン 直列4気筒1984ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 245ps/5000rpm
■最大トルク 37.6kg-m/1600rpm
■ギアボックス 7速デュアルクラッチ・オートマティック

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