コロナ禍が落ち着いて行楽地へ人がドッと繰り出した2023年のゴールデンウイーク。高速道路は、どこも大渋滞。それなら下道(一般道)だけでどこかへ行ってみようと考えて、選んだルートは「箱根駅伝」の往路コースだった。
大手町から芦ノ湖畔までの107.5km。何時間かかる?
いまや正月の風物詩となっている「箱根駅伝(正式名称は東京箱根間往復大学駅伝競走)」。往路は東京・大手町の読売新聞本社前から箱根の芦ノ湖畔まで107.5kmを5人のランナーがタスキを繋いで5時間半もかからずに走破する。こちらはクルマとはいえ一般道でも行楽渋滞はあるし、もちろん信号待ちもある。トイレ&食事休憩をとりながら、まあ流れに乗って走って行こう。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
相棒は、納車から約3カ月、ようやく1500kmほど走ったフィットe:HEV RS。ADAS(先進運転支援システム)や足まわりなどのチェックも兼ねて、走ってみることにした。
1区の大手町から日比谷通り、第一京浜(国道15号線)あたりは休日の都会ということもあって交通量は少ない。e:HEVらしいモーター主導で、状況によってエンジンがアシストしながら走る。信号待ちによるゴーストップはあるけれど、鶴見中継所には比較的スムーズに到着。2区では横浜や戸塚など、駅周辺の道は少し渋滞があるものの、まあこんなもんかなと思いながら淡々と進む。
実際に走って分かった、コースのアップダウン
思えば学生時代とか、休日といえば渋滞の中を重いクラッチやノンパワーのステアリングと格闘しながらクルマで出かけていたことを考えれば、きわめて快適。ホンダセンシングにはトラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)が備わっているから、渋滞追従機能付きアダプティブクルーズコントロールと合わせて走れば、渋滞時のストレスを低減してくれる。
クルマでとはいえコースを走っていて実感するのは、3区の茅ヶ崎の手前で海岸線に出るまではコースにアップダウンがけっこうあること。これはTVで解説されても、実際に走ってみないと分からないポイントだ。ランナーのペース配分が重要視されるところでもある。
海沿いの国道134号線から1号線を走る、3区から4区のあたりは、有料道路との合流や主要な交差点はそれなりに渋滞している。とくにひどかったのは、小田原中継所を越えて5区の山上りが始まる手前、箱根湯本駅周辺。まあ、ここは箱根観光のベース地点のひとつで観光客でごった返しているし、箱根新道など自動車専用道路との合流もあるから、仕方ないところ。時間に追われているわけではないし、待ってれば動くからいいやと気長に構える。我ながら、大人になったなと苦笑する。
5区の山上りで、ちょっとだけハンドリングを楽しむ
箱根湯本駅前の雑踏を抜けると、道は急に流れ出した。ここから13kmほど上りのワインディングロードが続くのだが、専用サスペンションを与えられたフィット RSは、まさに水を得た魚のように走ってくれる。普段はほとんど「ECON」モードだが、ここでは「SPORT」で走る。
絶対速度は高くないもののハンドリングが試されるコースだから、適度なロールと好レスポンスのステアリングも相まって、ファン to ドライブが楽しめる。パドルの減速セレクターも「SPORT」モードでは固定されるので、ちょっとしたマニュアルシフト感覚も味わえる。
それにしても、この急勾配の上り区間をガンガン走って行くランナーは、やっぱりスゴいとしか言いようがない。たまに自転車で走っている人も見かけたが、これもかなりツラそうだ。
最高地点(874m)を超えて下りはじめ、芦ノ湖畔に近づくと、やはり行楽渋滞がひどくなる。それでも一本道だし、突然目の前を横切る観光客に気をつけながら、ゴール地点の箱根駅伝ミュージアム前に到着!(タイトル写真)
こんな下道ドライブを楽しむのも、たまにはいいかも
途中、3回のトイレ休憩(コース上にはコンビニがたくさんあるから便利だ)とランチタイムを挟んで、所要時間は約6時間。実質の走行時間は、約5時間15分。5人のランナーで走るよりは、少しだけ早かった(当たり前か)。トリップメーターは107.4kmで、平均燃費計は20.7km/Lを表示していた。
ホンダ トータルケアのアプリで確認すると、ほとんどの区間で25km/L前後の燃費を記録している。さすがに小田原中継所からゴールまでの山上り区間を含む5区では11.8km/Lだったが、今回はエコランではないし、行楽渋滞でもどれくらい走れるのかを試した結果だから、数値的に不満はない。ちなみに、帰路の芦ノ湖畔から箱根新道を下って西湘バイパスの西湘PAまでの約26kmでは、下りが多いとはいえ55.9km/L!を記録した。
仕事で高速道路や箱根の道を走る機会は多いけれど、今回のような一般道だけ、それも行楽渋滞の真っ只中を走るのは、長い運転経験の中でも初めてのこと。でも、思ったより楽しかったし疲れなかったのは、やはりクルマの安全&快適装備が進化したことが大きいのだろう。
ハイウエイクルージングも楽しいけれど、たまにはこんな下道(一般道)ドライブも悪くない。機会を見つけて、ぜひ読者の皆さんも試してみては、いかがだろうか。(文と写真:Webモーターマガジン編集部 篠原政明)
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みんなのコメント
もうそんな時代じゃないっすよ。