■どうなる? 新型プレリュード! どうなる? 今後のホンダハイブリッド!
ホンダは「e:HEV 事業・技術取材会」を開催し、同社のハイブリッド事業やe:HEVの進化の方向性とともに、今後のハイブリッド車へ順次搭載を予定している次世代技術を2024年12月18日に公開しました。
【画像】超カッコいい! これが「新型プレリュード」です! 画像で見る(77枚)
なお取材会の会場には、2025年発売の新型「プレリュード」も置かれており、新たな技術を体感する機会もありました。
今後のホンダにはどのような展望があるのでしょうか。
ホンダのハイブリッド技術は、1999年に登場した「インサイト」から始まりました。
インサイトの販売開始以来25年の歴史において、ホンダはハイブリッド車の商品魅力向上や技術進化を行いつつ、様々な生産効率化の施策を図っています。
特にバッテリー、パワーコントロールユニット、モーターなどの主要部品を中心に、モデルを跨いだ部品共用化などの施策を実施。
さらには、サプライヤーとの協創活動や現地生産体制の構築を通じた生産効率化も行うことで、コスト低減を追求してきました。
こうした施策により、ホンダのハイブリッドシステムコストは低減し、現行の11代目「アコード ハイブリッド(北米仕様)」において、2018年発売した先代の10代目「アコード ハイブリッド(北米仕様)」と比較して25%のコスト低減を実現するなど、収益性の改善に大きく寄与していると言います。
また、今後登場予定の次世代ハイブリッド車では、2018年発売モデルに対し 2027年発売の同一モデル比で50%以下の車両コスト低減を目指していくとしています。
話は今回の発表会に戻り、現在のホンダは2050年のカーボンニュートラル達成に向けて「2040年にEV・FCEVの販売比率100%」とする目標を掲げています。
それに先駆けて2020年代後半以降に訪れるEV普及期を見据えた中長期的な視野に立ち、強いEVブランド、事業基盤の構築に取り組んできました。
一方で、2020年代中盤までのEV移行期における足元市場では、現在主流となりつつあるハイブリッド車に対する需要が高い状況が続いています。
ホンダでは、これに対応する新たなハイブリッド車の開発を問断なく進めており、それが今回公開された次世代e:HEVです。
2020年に発売された「フィット」から採用されるe:HEVとは、圧倒的な燃費の良さ(環境性能)と、高出力モーターによる上質で爽快な走り(走行性能)の両立を実現するホンダ独自の2モーターハイブリッドシステムの呼称です。
そして今回の「e:HEV 事業・技術取材会」では、今後のe:HEVとして2026年末から登場予定のハイブリッド車で用いられる中型プラットフォーム、小型・中型パワートレイン、電動4WDが先行して公開されました。
まず次世代e:HEVはどのような方向性なのでしょうか。それぞれにはどのような特徴があるのでしょうか。
ホンダのe:HEV は、バッテリー電力のみで走行する「EV ドライブモード」、エンジンで発電しモータ一で走行する「ハイブリッドドライブモード」。
そして、エンジンとクラッチを直結してタイヤを駆動する、独自の「エンジンドライブモード」の3つのモードをシームレスに自動で切り換えることで、あらゆるシーンで高効率な走行を実現するシステムです。
次世代e:HEVでは、小型・中型それぞれのシステムにおいて、エンジン、ドライブユニットをはじめとする構成部品および制御技術の刷新を行い、環境性能と走行性能のさらなる向上を目指していくとしています。
具体的には1.5リッターと2リッター直噴アトキンソンエンジン、フロントドライブユニットおよび統合冷却システムをそれぞれ新規開発し、次世代中型プラットフォームとの組み合わせ、10%以上の燃費向上を目指すと言います。
エンジンに関しては、今後のグローバル環境規制への対応も踏まえ、出力を低下させることなく、日常での走行から高速道路での合流など強い加速が必要な場面まで、出力性能と低燃費を両立していくとしています。
なお1.5リッターエンジンは、トルクと回転数のバランスにおいて、エンジン回転数が高効率となる領域を現行に対して40%以上拡大することで大幅な燃費向上を実現させるようです。
フロントドライブユニットについては、パッケージングの小型化と高効率化と両立し、小型・中型ドライブユニット双方における共通部を最大化することで、コストを大幅に低減、事業性の改善にも寄与させていきます。
そして、これに加えて各ドライブモードにおけるエンジンやモーターの高効率化を図っていくようです。
具体的にエンジンドライブモードでは、エンジン直結時のトルク伝達効率の向上に加え、走行中のバッテリーアシスト活用により、高速クルーズ時の高効率なエンジンドライブモードの活用幅を拡大し燃費向上を図っていくとしています。
■注目の新型「プレリュード」どんなモデル? 次世代e:HEVへの架け橋となる存在か
なお次世代 e:HEVシステムの進化にあわせて、ハイブリッド車向けの中型プラットフォームも全面的に刷新し、さらなる進化を追求していくとホンダは言います。
具体的には高い操縦安定性と軽量化を実現する新しいボディ剛性マネジメントを採用。
これにより、コーナリング時に車体をしならせる挙動を与え、タイヤへの荷重をコントロールする新たな操縦安定性の指標を採用することで、軽快で気持ちの良い走りを実現していくといいます。
加えて、新設計方式や新軽量骨格ボディなどを採用することで、重量を現行モデル比で約90kg軽量化。これにより、クラストップの軽量プラットフォームを目指します。
また今後は、様々なホンダ車において高い共用率を実現するモジュラーアーキテクチャー構想を行うことで、エンジンルームやリアアンダーなどの共通部と、リアキャビンなどの独自部を作り分けシリーズ開発していくとしています。
そのため、この中型プラットフォームを採用する車両において60%以上の共用化を目指していくようです。
これにより、コストを抑制しながらも個性的で多様なモデルを効率的に製造することが可能となります。
また今回の取材会では、EVと共用可能な「電動AWDユニット」も公開され、これも次世代e:HEVシステム搭載モデルから採用されると言います。
これは従来の機械式AWDと比較して最大駆動力を向上し、力強い発進加速の実現に貢献するものです。
また、機械式AWDで培った前後駆動力配分制御をさらに進化させ、加減速や旋回時のタイヤの接地荷重変化を捉え、駆動力配分を最適化。
これに加え、高精度で応答性の高いモータートルク制御を緻密にコントロールすることで様々な路面状態でライントレース性や操縦安定性を向上し、より安心で意のままの走りを実現するとしています。
こうした今回の技術発表などの経緯について、執行役・四輪事業本部長・営業統括部長・統合地域本部長の林 克人氏は次のように語っています。
「ホンダは2050年、カーボンニュートラル達成を目指しています。
一方で『ホンダはエンジン開発を凍結したと聞いたが事実なのか』『得意のエンジンの強みを捨てて、今後どのようにしていくのか』などのご質問を頂戴していることもまた事実です。
これらは代表的な事例ですが、このような質問を受けてしまうこの状況は、そもそも我々が四輪事業の全体戦略を正しくお伝えできていないということであると反省をしております。
特にアメリカ次期大統領が決まった今、さらにそのようなご質問を受ける機会が増えると推測しています。
そうした中、ホンダはEVの仕込みを行うと同時に『五感に響く』技術で内燃機関時代に伝説を残したいという野心を持って、絶え間なく、新しいハイブリッドモデルの開発を進めておりました。
それはホンダ社内では当たり前のように推進され、その結果として今回披露できるところまで開発が進み、本日の迎えております。
今回の発表内容では、2つのポイントがあります。
1つ目は我々は EV本格普及期まではハイブリッドが駆け足になると考えています。
そして、今まさにハイブリッドへの期待感が高まる時代に突入しております。
ホンダらしいエポックメイキングな技術と商品を生み出し、願わくば伝説となり、現在だけでなく、後世でも語り継がれるほどの評価をしていただけるようなハイブリッド消費を残したいそう思っています。
続いて2つ目は、先程の『五感に響く技術で内燃機関時代の伝説を残したい』という強い思いを抱き、ホンダらしさを追求したハイブリッドモデルの開発を行っているということです。
『五感に響く』というワードは何を持って、伝説として後世にも語り継いでいただけるような感動をお客様に提供できるのか、これを突き詰め、五感に響く移動の喜びを技術の力で実現させようという考えから生まれたものです。
こうした技術開発、モデル開発をへて、販売台数については中国を除く連結で2030年までに年間の販売台数を130万台へ拡大させ、さらなる事業成長を目指していきます」
※ ※ ※
今回の取材会の大半はまだ未来の話ですが、これらの次世代技術に先駆けて、2025年に発売される新型プレリュードに搭載される次世代制御技術「Honda S+ Shift」も公開されています。
Honda S+ Shiftは、従来のe:HEVの特性を生かしながら、ドライバーとクルマの一体感を際立たせる「操る喜び」を追求した新機能です。
ハイブリッドならではの高い環境性能はそのままに、加減速時に緻密にエンジン回転数をコントロールし、ダイレクトな駆動レスポンスと鋭い変速を実現するもので、実際に「ハイブリッドだけどマニュアル車のような楽しさ」が体感出来ました。
そんな新型プレリュードですが、現行世代のハイブリッド技術と次世代技術のHonda S+ Shiftを搭載することで、2026年末以降の次世代e:HEVモデルへの架け橋となる存在と言えます。
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みんなのコメント
数倍カッコイイと思うが。
今は各メーカーが、同じ様なCAD,CAEを使って設計しているので、
メーカーごとの個性が、全く無くなってしまった。