2022年11月28日にフルモデルチェンジを果たした日産 新型セレナ。先行する形でデビューしたトヨタ ノア/ヴォクシー、ホンダ ステップワゴンとどちらを選ぶべきか?? 自動車評論家 松田秀士氏が試乗した!
●日産セレナのここがポイント
・全幅1695mmの5ナンバーサイズボディあり。ハイウェイスターとLUXION(ルキシオン)は全幅1715mm
・パワーユニットは2Lガソリンと1.4Lのe-POWERで、マイルドハイブリッドは廃止
・「LUXION」はプロパイロット2.0を装備し、プロパイロットは全モデルに標準装備
・乗員が酔いにくいクルマを目指した!!
・室内の広さはクラスナンバーワン!!
こいつぁ春から……!!! 日産 新型セレナ試乗 ノア/ヴォクシー ステップワゴンとどれを選ぶ!!?
※本稿は2022年12月のものです
文/松田秀士、ベストカー編集部、写真/NISSAN、ベストカー編集部 ほか、撮影/奥隅圭之
初出:『ベストカー』2023年1月10日号
■日産の人気ミニバン「セレナ」がフルモデルチェンジ!!!
第2世代e-POWERの発電用エンジンはパワーアップと同時に静粛性を大きく高めた
日産の「超」が付くほどの人気ミニバン セレナが約6年半ぶりにフルモデルチェンジ。ノア/ヴォクシー、ステップワゴンが相次いで刷新されたなか、セレナは満を持してのデビューとなる。
コンセプトは「家族みんなが快適に楽しめるミニバン」で、旧型から一貫して追求しているBIG(パッケージ)、EASY(ストレスフリー)、FUN(運転がさらに楽しく)という要素を進化させつつ、時流に合わせてコネクト性能(車内Wi-Fiなど)をプラスしている。
標準、ハイウェイスターに加え、最上級モデルとしてLUXION(ルキシオン)を新設定。ミニバンとして世界初の自動運転レベル2のプロパイロット2.0を搭載し、価格も断トツ高い479万8200円!
ライバルのノア/ヴォクシー、ステップワゴンが3ナンバー専用ボディとなったのに対し、旧型同様に標準タイプは全長4690×全幅1695×全高1870mmの5ナンバーサイズ! 一方ハイウェイスター&LUXIONは全長4765×全幅1715×全高1870mm。
ボックスタイプのいかにもミニバンといったプロポーションながら、縦に3灯並べたヘッドランプが特徴的なフロントマスクはかなり斬新なイメージのフィニッシュを見せている。
プレミアムグレードのLUXION(ルキシオン)を新設定
旧型同様にシンプルな標準タイプ、グリル面積が広くスポーティなイメージのハイウェイスター&LUXIONとでデザインが差別化されている。ハイウェイスター系が人気となるのは間違いないだろう。
パワーユニットは、2L、直4DOHC(150ps/20.4kgm)と新開発の1.4L、直3DOHC(98ps/12.5kgm)を発電用とするe-POWERの2種類。
旧型にあったマイルドハイブリッドは、「ガソリンエンジンで、旧型のマイルドハイブリッドと同等以上の燃費性能を確保できた」(新型セレナの開発者)という理由から消滅となった。
第2世代e-POWERは、組み合わされるモーターは旧型と同じだが、排気量アップによりパワーアップし、静粛性も向上。
パワーユニットが変更された新型セレナだが、日産初となるボタンシフト(センターコンソールに配置)を採用している点も新しい。
ガソリンがFFと4WD、e-POWERはFFのみで4WDの価格、発売開始時期は追って発表となる。
■インテリアも進化!! お買い得グレードは??
モノリスを採用した先進性のあるインパネ。運転席からの視界に優れているため、非常に運転しやすい
次は進化したインテリア。インパネは日産自慢の液晶パネルを組み合わせたモノリスの採用。デザイン、視認性、操作性とも申し分なし。
シートはタフな使用にも耐える撥水素材のほか、上級モデルには本革も設定。ドア、ダッシュボードを巡るように配されるステッチにより旧型にはなかった高級感も手に入れた(標準、ハイウェイスターはシングルステッチ、LUXIONはクロスステッチ)。
パッケージング面では、マルチセンターシートを進化させたことで、e-POWERも8人乗りとなった(LUXIONのみ7人乗り)。ニースペースは1列目、2列目はライバル同等で、3列目はライバルに大差をつけた広さ、快適性を確保。そして運転席だけでなく、すべてのシートの視界が優れているのはナイス。
ADASの充実も特筆で、プロパイロットは全車に標準となり(LUXIONはプロパイロット2.0でハンズオフも可能)、メモリー機能が付いたプロパイロットパーキング(白線のない自宅などでも使える)、プロパイロットリモートパーキングなど、ドライバー支援がかなり充実。
全方位で進化した新型セレナの価格は、276万8700~479万8200円。
ガソリン、e-POWERとも標準、ハイウェイスターの買い得感は高い。ガソリンは今冬、e-POWERは来春からの発売開始となるが、大ヒット間違いなし!
(ここまでのテキスト/編集部)
■松田秀士氏が速攻試乗!!
旧型より加速性能に優れていて速い! 同時にエンジンが静かなので走っている時の快適性も高い
ノア/ヴォクシー、ステップワゴンと新型ミニバンが続いたが新型セレナの登場で、日本で最もポピュラーなミニバンによる三つ巴戦が新章に突入するぞ!
新型セレナが目指したのはロングドライブも楽しめる快適な移動空間。ミニバンは多人数乗車になることが多いから会話のしやすい静かな室内を目指したという。騒音下での会話は集中力を必要とし、疲労にもつながるという。なるほどこれは筆者も納得。
で、走り出すとパワーアップした新型エンジンによって発電能力に余裕が出て、モーター出力もアップ。エンジンそのものも静粛性が高くなったが、エンジンの作動頻度も低くなっている。
遮音のフロントガラスの採用(LUXIONはフロントドアガラスも)によって、風切り音やロードノイズも静かになっている。この静粛性、筆者が試乗したライバルと比べると若干新型セレナに軍配が上がる印象だ。
疲れにくさの次にテーマとなったのが酔いにくさ。ミニバンはドライバーだけではない、同乗者への気遣いも大切。この酔いのレベルは発汗量でわかるのだという。そこで見えてきたのが急な頭の動き。
つまりこれはロールなど、クルマの挙動と大いに関係があるわけだ。もちろんドライバーの運転グセにもよるのだが、筆者の印象では比較的ソフトなサスペンションでライバルに比べるとロールはやや多め。
子どものクルマ酔いに頭を悩める親は多い。新型セレナの試みはそんな人にとってうれしい!
ただし挙動がとてもスムーズなので急激な頭の振れなどは感じない。直線路100km/hレベルの速度でわざとスラロームさせてみたが、ステアリングを左右に繰り返して切ってロールが中立に戻る時から次のロールに入っても、反動が増幅されることもなくオーバーシュートは起こさなかった。
つまり挙動がわかりやすい。自立直進性がしっかりしているのも、挙動の安定感につながっている。
気になるのは燃費。エンジンパワーに余裕が出たことで進化しているが、興味深いのが先読み充放電制御だ。
これはナビで目的地を設定すると、下り坂では回生ブレーキを最大限活用するよう自動制御してくれるのだが、バッテリーが満タンに近ければ回生ブレーキを活用してもすぐに満タンになるため意味がない。そこでナビデータを活用して下り坂になる前にバッテリーを使って走行するというもの。
ハンズオフ機能を備えたLUXIONも新設され、新型セレナもヒットの予感大です。
(TEXT/松田秀士)
●日産 新型セレナ(XV)主要諸元
・全長×全幅×全高:4690×1695×1870mm
・ホイールベース:2870mm
・車重:1680kg
・最小回転半径:5.7m
・エンジン:直4DOHC、1997cc
・最高出力:150ps/6000rpm
・最大トルク:20.4kgm/4400rpm
・WLTCモード燃費:13.0km/L
・乗車定員:8人
・価格:308万8800円
●日産 新型セレナ(e-POWER ハイウェイスターV)主要諸元
・全長×全幅×全高:4765×1715×1870mm
・ホイールベース:2870mm
・車重:1810kg
・最小回転半径:5.7m
・エンジン:直3DOHC、1433cc
・最高出力:98ps/5600rpm
・最大トルク:12.5kgm/5600rpm
・モーター:163ps/32.1kgm
・WLTCモード燃費:19.3km/L
・乗車定員:8人
・価格:368万6100円
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