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「3シリーズ+ワゴン+ディーゼル」を推す人が多い理由とは?

掲載 更新 16
「3シリーズ+ワゴン+ディーゼル」を推す人が多い理由とは?

京都へ越してかれこれ9年が経つ。その間、月に2回くらいは京都~東京をクルマで往復してきた。年間20回程度だとしても都合180回。Kカーからロールスロイスまで、全く同じクルマでの往復は基本なかった(年式や仕様の違いならあった)から、我ながらいろんなクルマを試したものだと思う。

長距離移動に便利なクルマも沢山あった反面、まるで不得意なモデルもちょいちょいあった。得意なモデルは概して大型の高級車だったけれど、なかにはミニクラブマンJCW(旧型のマニュアルトランスミッション)のように小さいながらラクラクという意外な発見をしたクルマもあった。長距離ドライブには、いつも発見が詰まっている。

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ギャラリー:「3シリーズ+ワゴン+ディーゼル」を推す人が多い理由とは?BMW 320d xドライブ ツーリング|BMW 320d xDrive Touring3シリーズツーリングに用意されているグレードは全部で7つで、そのうち2グレードがディーゼルモデル。320d xDrive ツーリングが614万円で、320d xDrive ツーリング Mスポーツが666万円。ボディサイズは全長4715×全幅1825×全高1475mm。ディーゼルモデルは4WDのみの設定となる。先代モデルより容量が拡大された荷室。通常時が500L、最大で1510Lの荷物を積むことが可能。320dのキモである2Lの直4ディーゼルエンジン。ディーゼルエンジンらしさよりBMWらしい走りが強調されている。エンジン音はやや大きめだが、車内ならほぼ気にならないレベルだろう。ホールド性が高いややスポーツシート寄りのフロントシート。使われるレザーの質を含め、ロングドライブでも不満を覚える人はまずいないだろう。40:20:40の分割可倒式となるリアシート。4名乗車でも荷室に長い荷物が積めるようにスルーローディング・システムも採用されている。高速道路でのドライバーの負担を軽くする「渋滞時ハンズ・オフ・アシスト」など、安全デバイスも多数備える現行3シリーズ。メーターまわりは12.3インチ、メインモニターは10.25インチのディスプレイが備わる。トランスミッションはBMW 320d xDrive Touringが8速ATで、320d xDrive Touring M Sportは8速のスポーツATとなる。2020年になった今、最新モデルのなかから最も現実的な長距離ランナーとして1台を厳選しろと言われたなら、BMW320d xDriveツーリング(以下320dツーリング)を挙げたい。ライフスタイル的にも、そしてリアリティある価格という点でも、私にとっての超実用モデルになりうるからだ。

事実、320dツーリングがわが家にあった一週間のあいだにクルマで移動した距離はなんと2000km。広島や名古屋への出張をすべてコレ1台でまかなった。別に新幹線を使ってもよかったのだけれど、クルマで行こうという気にさせてくれた時点で320dツーリングのGTカーとしての素性の良さが伺えるというものだろう。

もはやディーゼルのネガ要素は存在しない新型3シリーズ用2リットル直4ディーゼルターボエンジンは、従来と同じB47という型式名で始まる“モジュールユニット”である。けれども中身は相当に改良されており、シーケンシャル式ツインターボを採用するなどもはや“別物”。スペックそのものは変わらないものの、扱いやすさとエミッション性能の向上を狙った新開発エンジンだと言っていい。

わずか1750回転から上級ガソリンターボグレードと同様の力強い最大トルク(400Nm)を発揮、と書けばもう実用車としてのポテンシャルの高さを疑う余地はほとんどない。なにしろ3シリーズそのものがBMWブランドの定番中の定番と言っていいのだから。

くわえて待望のツーリングボディ=ステーションワゴンである。セダンのように使えて、荷物も沢山積める。このところ背の高いSUVに押されっぱなしではあるけれど、ステーションワゴンの使い勝手そのものがダメになったわけじゃない。人と荷物を速く長い距離を運ぶことは自動車の基本機能というものだから、適切なサイズのディーゼルエンジン搭載ワゴンが実用的に最も秀でているという評価に異論を挟む余地などないだろう。

3シリーズとしてのドライビングファンはそのままに、実用的なラゲッジスペースを備えたディーゼルモデルでしかも4WDの320dツーリング。クルマ運転好きの実用車としてこれ以上“ハイスペック”な存在もまた他にないと思う。

現行型(G20型)3シリーズセダンのボディサイズがそもそもアップしたため、新しいG21型ツーリングのホイールベースやリアオーバーハングもまた先代F31型に比べて長くなっている。それゆえ居住性はもちろん、ステーションワゴンとしての使い勝手も向上した。

積載容量でいうと通常時で500リットルと先代比+5リットル、後席を倒しての最大積載量が1510リットルで同+10リットル、と微増している。左右方向の積載性など荷室の使い勝手は明らかに上がっているし、荷室内の見映え質感もよくなった。3シリーズツーリングの伝統というべき開閉式リアウィンドウも踏襲されており、小さな荷物の出し入れにはとても重宝だ。

デザイン面を語ると、セダンと同様にこのツーリングでも、エンドピラーにおけるBMWの伝統的デザイン“ホフマイスターキンク”の新解釈を採りいれた。サイドウィンドウ後端を小さく切り上げるのではなく、大胆にもリアドアから後のガラス面を大きく跳ね上げた。エンドピラーまわりのデザインに従来型ツーリングにはない躍動感が生まれ、いっそうスポーツワゴンらしい雰囲気を醸し出すに至っている。

まるでスポーツサルーンのような乗り味一週間で都合2000kmのドライブ。300km程度をイッキに移動、などという行程が何度かあったが、まるで疲れ知らずだった。

2000回転以下で達する最大トルクの恩恵で、実にたんたんとした高速クルーズ性をみせる。高速道路での連続ドライブではできるだけエンジン回転数の上がらないほうがラク。追従性に優れた運転支援も併用すれば、いっそう快適だ。高速燃費も18km/l前後と悪くない。長距離ツアラーとして最高の1台だと断言できる。

それだけじゃない。3シリーズのドライビングファンがそのまま詰まっていることも320dツーリングの魅力である。前輪を好きなところにもっていけるようなハンドリングフィールはセダンとまるで変わらない。低回転域から発せられるたっぷりなトルクを使いつつ、4気筒ディーゼル系では世界で最もクリアなエンジンフィールを楽しんでいると、ステーションワゴンであることをついつい忘れて攻めた走りに没頭しがち。その走りはと言えば、まったくもってスポーツサルーンのそれと変わらない。

それにしても上等な4気筒ディーゼルエンジンだ。ディーゼルといえば有り余るトルクフィール=力強さだけれど、実はそこに以前ほどのインパクトはない。けれどもその代わり、実にBMWのエンジンらしい回り方をディーゼルエンジンでも堪能できるようになった。なるほど3シリーズを選ぶ多くの人が320dをチョイスするという理由が分かる。

少々気がかりな点もあった。それは街中での低速走行時の乗り心地だ。セダン導入の当初よりはかなり改善されたとはいうものの、空荷の低速域でゴツゴツと硬めのライド感が出てしまう。Mスポーツアシという選択が間違っていたのかも知れない。あえてノーマル仕様を選ぶというのも手だろう。そのほうが“太すぎて握りづらいステアリングホイール”も装備されていないし!

文・西川 淳 写真・柳田由人 編集・iconic

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みんなのコメント

16件
  • これを見てるトヨタの方トヨタでもワゴン、ディーゼルお願いします
    買います
  • 日本車にもこのサイズのワゴンの選択肢がもう少しあればなぁ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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