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ルノー・キャプチャーにEテック! 個性的フルハイブリッド、小型SUVをどう変える? 試乗レポート

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ルノー・キャプチャーにEテック! 個性的フルハイブリッド、小型SUVをどう変える? 試乗レポート

3車種目のE-TECH(Eテック) 日本発売

欧州車では珍しいフルハイブリッド車が、今年に入ってからルノーの手によって相次いで上陸している。

【画像】新発売 キャプチャーEテック・ハイブリッド【内装/デザインを見る】 全43枚

まずクーペSUVのアルカナが導入され、続いてコンパクトカーのルーテシアが加わった。そして今回3車種目として、BセグメントSUVのキャプチャーEテック・ハイブリッドが発売された。

ちなみに欧州ではこの中でキャプチャーのみ、同じメカニズムを用いたプラグインハイブリッド車もあるが、日本は充電環境が充実していないという理由で、フルハイブリッドの導入になったという。

Eテックのメカニズムは、基本的に3車種とも同じだ。

1.6L直列4気筒自然吸気エンジンにメインとサブの2モーターを加えたEテック・ハイブリッドで、エンジンにはドッグクラッチを使った4速、メインモーターには2速のトランスミッションを組み合わせ、合計12通りの変速を行うという。

(編集部注:エンジン側がN+4速=5通り、モーター側がN+2速=3通り。5×3=15通りのうち、N同士・同じギア比で使わない組み合わせを省いて12通り)

サブモーターはHSG(ハイボルテージ・スターター&ジェネレーター)であり、変速時に瞬時に回ってドッグクラッチのショックを吸収するとともに、シーンによっては駆動アシストも担当する。

エンジンが94ps/15.1kg-m、メインモーターが49ps/20.9kg-m、サブモーターが20ps/5.1kg-mという最高出力/最大トルクはアルカナと同一。

ちなみにルーテシアはエンジンの最高出力/最大トルクのみ、やや控えめになる。

アルカナ、ルーテシアと異なる点

2つのトランスミッションとファイナルのギア比もアルカナと共通だ。

こちらはルーテシア用と比べると、それぞれの1速のギア比が高められ、逆にファイナルは落とされている。

エンジン車のキャプチャーと同じ215/55R18というタイヤサイズもアルカナと一致している。ルーテシアの205/45R17と比べると、太くて大径だ。

1420kgの車両重量は、同じEテック・ハイブリッドで比べるとルーテシアより110kg重く、アルカナより50kg軽い。

グレードはEテック・ハイブリッドと、今回試乗した上級仕様のEテック・ハイブリッド・レザーパックの2タイプ。エンジン車のインテンス、インテンス・テックパックと合わせて4車種構成となる。

ボディはリアゲートに「E-TECH」のロゴが入り、マフラーが隠されるぐらいしか、ガソリン車との違いはない。RSラインを導入したアルカナのような特別仕立ては施していないということだ。

インテリアは、上下2段のセンターコンソールから生える電気式セレクターレバーのベースに「E-TECH」の文字が入り、メーターが10.2インチのデジタルとなることが特徴。

メーター表示がドライブモードのマイセンス、エコ、スポーツによって変わることは、アルカナやルーテシアのEテック・ハイブリッドと共通だ。

走り、静粛性の評価は?

加速の印象はルーテシアに似ていて、アルカナほどエンジンを回すことはなく、こまめに変速して回転数を低く抑えてくれる。

力の余裕もルーテシアと同等に思えた。低くクロスしたギア比のおかげかもしれない。

それでいて静粛性は、ロードノイズが気になるシーンもあったルーテシアより明らかに上で、車格の違いを感じさせるアルカナとの中間という印象を受けた。

それ以外はEテックの美点そのまま。

メカニカル・ギアボックスならではのダイレクト感は、多くのハイブリッド車とは一線を画しているのに、ドッグクラッチという機構から連想されるショックはなく、スムーズそのものでもある。

ルノーの独創性が存分に発揮されたユニットであり、走りを愛する人たちが生み出したパワートレインであることが伝わってくるのである。

重量差と足回りについて

サスペンションはルーテシアEテック・ハイブリッド同様、重量増に対処してやや固められているようだ。しかしハードに思えるシーンもあったルーテシアとは対照的に、キャプチャーでは固さがいい方向に働いていると感じた。

前述したタイヤサイズはエンジン車と同じだ。

ルーテシアに比べて明確に太く大径のサイズは、ビジュアル面でSUVらしさをアピールする狙いもあったのだろうが、それゆえにエンジン車では、荒れた路面での足元の重さが気になることがあった。

それがEテック・ハイブリッドでは、重量増に合わせて足を固めたことで、バタつきが抑えられ、落ち着きが増していたのだ。

ただし今回乗った車両は試乗会としては珍しく、オドメーターが3000km近くまで到達しており、初期の固さがこなれていた可能性もある。

直進性はルノーの例に漏れず優秀。

市街地での試乗だったのでハンドリングをしっかりチェックする機会には恵まれなかったものの、エンジン車が持つバランスの良さはしっかり受け継いでいた。

20km/L超えの燃費 注目点は?

WLTCモードで22.8km/Lという数字は輸入SUVでナンバーワンであり、輸入車全体で見てもルーテシアEテック・ハイブリッドの25.2km/Lに続くものだ。

試乗でもメーターの燃費計で20km/L近くをマークした。

ところでカタログの数字を見ると、日本製ハイブリッドが苦手とする高速道路モードでの燃費の落ち込みが少ないことがわかる。

ボディサイズが近い日産キックスe-POWERの2WDと比べると、平均では23km/Lとキックスがやや上回るが、高速道路モードは21.6km/Lに留まり、22.6km/Lのキャプチャーが逆転する。

これは他のEテック・ハイブリッドにも共通する美点であるが、3台を相次いで乗って、トータルバランスはキャプチャーが秀でていると感じた。

アルカナはクーペSUVというパッケージング、400万円を超える価格がハードルになる人がいそうだし、ルーテシアはエンジン車の軽快感や快適性も捨てがたいと思えてしまう。

キャプチャーは欧州でも、直近のデータではアルカナのみならずルーテシアよりも売れている。SUV人気を反映しているとも言えるが、これもまた多くの人に勧められるEテックという理由になりそうだ。

キャプチャーEテック・ハイブリッド 価格/スペック

ルノー・キャプチャーEテック・ハイブリッド

価格:374万円(レザーパック装着車:389万円)
燃費(WLTC):22.8km/L
燃費(WLTC市街地):20.4km/L
燃費(WLTC郊外):24.1km/L
燃費(WLTC高速道路):22.6km/L
全長:4230mm
全幅:1795mm
全高:1590mm
ホイールベース:2640mm
車両重量:1420kg
エンジン型式:直列4気筒1597cc
最高出力:94ps/5600rpm
最大トルク:15.1kg-m/3600rpm
最高出力(メインモーター):49ps/1677-6000rpm
最大トルク(メインモーター):20.9kg-m/200-1677rpm
最高出力(サブモーター):20ps/2865-10000rpm
最大トルク(サブモーター):5.1kg-m/200-2865rpm
ギアボックス:電子制御ドッグクラッチマルチモードオートマティック
最低地上高:172.5mm(参考値)

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