新型レクサスLSの“自動運転技術”は何がすごいのか？

新型レクサス「LS」には、ハンズ・オフ走行機能が新たに搭載される。すでに搭載済みの日産「スカイライン」やBMWとの違いとは？

広範囲の自動車専用道路でハンズ・オフ機能が使える！

7月7日、レクサスは、今冬販売開始予定の新型「LS」にかんする情報を一部発表した。

2020.03.26新型LSには“人の感性に寄り添った”とうたう最新の高度運転支援技術の「Lexus Teammate」（レクサス・ティームメイト）が採用された。トヨタ自動車の先進技術開発カンパニー先進安全領域統括部長の鯉渕健氏は、「Lexus Teammateは、Perceptive（高い認識性能）、Intelligent（知能化）、Interactive（ドライバーとクルマの対話）、Reliable（信頼性）、Upgradable（ソフトウェアアップデート）という5つの技術的特徴を備えています」と、述べる。

Lexus Teammateによって、新型LSに搭載される新機能はふたつ。ひとつはハンズ・オフ走行を実現する「Advanced Drive」で、もうひとつは自動駐車する「Advanced Park」だ。

2020.03.26Advanced Driveは、高速道路などの自動車専用道路で、ステアリング操作や車線・車間の維持、分岐選択、レーンチェンジ、追い越しなどを自動で、つまり、ハンズ・オフで行うことができる装置。広報資料は「カーブ、追い越しなど、走行中の様々なシーンで凄腕ドライバーの走りから学んだ自動車メーカーならではの人に寄り添った乗り味を実現します」と述べる。

2020.03.26現在、日本で販売されているクルマのうち、ハンズ・オフ走行機能が搭載されているのは、日産「スカイライン」とBMWの最新モデル（3シリーズや8シリーズなど）。

スカイラインでは、高速自動車国道法の定める高速自動車国道および道路法の定める自動車専用道路で利用出来るが、首都高速道路などカーブの多い環状線や、GPS電波の受信が不安定になる一部のトンネルなどでは、ハンズ・オフ走行は機能しない。

BMWの車両の場合は、高速自動車国道および首都高速道路で作動するが、圏央道や東京湾アクアラインなどの自動車専用道路では機能しない。また、前走車がなければ作動しないし、速度は60km/h以下に限られる。BMWじしん「高速道路渋滞時ハンズ・オフ・アシスト」とうたう機能だから、あくまで渋滞時の使用を想定した機能だ。

2020.03.26では、LSの仕様は？ レクサスブランドマネジメント部 Jブランディング室国内広報グループの川上航輝さんに訊いた

--自動車専用道路には、首都高速道路や保土ヶ谷バイパスなども含まれるのでしょうか？

川上　高精度地図区間かつ自動車専用道路で利用できますので、いまおっしゃられた道路を含みます。利用可能区間については、Webで閲覧可能になるように計画中です。

--“凄腕ドライバーの走りから学んだ“、とされていますが、具体的にはどういった人でしょうか。

川上　トヨタ自動車の凄腕技能養成部に所属する開発ドライバーです。彼らを社内では“凄腕ドライバー”と、呼んでいます。普段、車両の性能評価・開発や人材育成を担当しています。

2020.03.26--ハンズ・オフ走行中、どのようにドライバーを監視するのでしょうか？

川上　カメラによってドライバーの顔の向き、視線の方向、目の開閉状態などを検知します。カメラの搭載位置については現時点ではお答えできません。

--全車標準ですか？

川上　一部の仕様にオプション設定する予定です。設定可能速度などは現時点ではお答えできません。

新型LSのハンズ・オフ機能は首都高速道路を含むと明言しているから完成度は高そうだ。ちなみにスカイラインは、ごく一部の区間でこそ作動するものの「カーブの多い首都高ではハンズ・オフ機能は作動しない」と、説明している。

2020.03.26たった２回の操作で自動駐車！

いっぽう、「Advanced Park」なる自動駐車システムは、カメラと超音波センサーからの情報を総合して全周囲を監視し、駐車操作を支援する。ハンドル操作、アクセル、ブレーキ、ギア・チェンジの全操作を車両が支援するとともに、俯瞰映像には切り返し位置や目標駐車位置を常に表示するという。

とはいえ、一部トヨタ車にはすでに自動駐車機能が搭載されている。既存のシステムとどこが違うのか？

2020.03.26川上さんは、「ハンドル、アクセル、ブレーキに加え、新型LSではシフト操作もクルマが制御し、駐車を支援します」と、述べる。ドライバーの操作はいっさい不要になる、というのだ。

ドライバーによるブレーキ操作は、ホントに必要ないのか？ 「ドライバーは周辺の安全確認を常におこない、必要であれば減速・停車のためにブレーキを踏まなければなりません」とのこと。

Advanced Parkを作動させるには、（１）駐車したいスペースの近くに停車して、センターコンソールにある「Advanced Park」のスイッチを押す、（２）画面に表示された駐車位置を確認して、画面内にある「開始スイッチ」を押す、と、２つのステップを踏むだけという。たった２回の操作で、全長約5235mmの巨大セダンが自動で駐車出来るとは画期的だ。駐車方法は縦列・並列との、いずれにも対応している。

新型LSは今冬に日本でも販売開始予定。ふたつの運転支援技術の完成度が楽しみだ。

文・稲垣邦康（GQ）

Comments

なんかモニターしょぼくなってね？

ちーむめいと？