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意外? 本気でカーボンニュートラルに取り組む闘牛 ランボルギーニ・サステナビリティ・デイズ(前編)

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意外? 本気でカーボンニュートラルに取り組む闘牛 ランボルギーニ・サステナビリティ・デイズ(前編)

持続可能な未来、フル電動化に向けた動き

地球にやさしいクルマ作りを! サステナビリティ、カーボンニュートラル、2030年までに電動化ブランドへ! そんな標語が当たり前のように掲げられ、今まさに急な階段を駆け上がっているように見える自動車世界。それはスーパーカー・メーカーの代表格であるランボルギーニであっても例外ではない。

【画像】知ってる? ランボのサステナビリティ活動 養蜂・予熱活用・緑の庭園【カーボンニュートラル】 全60枚

ランボルギーニにとって物理的にも精神的にも重要な意味を持つハイパワーのマルチシリンダーエンジンはエコロジーに決してやさしくはないだろう。彼らは今どのようなビジョンを持って難解なゲームを進めようとしているのか? 

そんな未来に関する疑問である「サステナビリティ(持続可能な開発、成長)戦略」を披露すべく、ランボルギーニが本拠地であるサンターガタ・ボローニェーゼに世界中からプレスを招き「ランボルギーニ・サステナビリティ・デイズ」というイベントを開催した。

本社内にあるスタジオのような空間に颯爽と現れたステファン・ヴィンケルマンCEOは、力強くビジョンを語る。

2024年以降は全てハイブリッドモデルに切り替わり、その結果として2025年までにCO2排出量の50%削減(2021年を基準として)を目指すという。またCO2排出量は(彼らがフル電動車をラインナップしていると標榜する)2030年までにさらに削減され、80%越えを目標にしている。

これらのCO2排出量削減計画に対してランボルギーニが行った投資は180億ユーロにものぼる。

また同社としては出来上がった製品だけでなく、サプライチェーンまで含めた事業全体でCO2排出量を削減することを重要視している。それこそスーパーカー・ブランドを本気で持続可能なビジネスモデルにしていくための鍵なのである。

最高製造責任者が語る、3つのルール

実際にランボルギーニはサステナビリティの実現に対してどんな活動を行っているのか?

同社のCMO(チーフ・マニファクチャリング・オフィサー)であるラニエリ・ニッコリ氏が説明してくれた。

それはAvoid(回避)、Reduce(削減)、そしてCompensate(相殺)という3つのキーワードに基づいて進められているという。

ランボルギーニでは2010年から工場内のビルの屋上や壁、駐車場の屋根等に太陽光パネルを設置しており、年間250万kWhの電力を生産し工場内で消費している。

またドイツで生産されたウルスのホワイトボディをイタリアのランボルギーニまで輸送する手段として貨物列車を利用することで、トラック等で移動した場合よりCO2排出量を85%も削減できるのだという。

太陽光・余熱 使えるエネルギーは貪欲に

また本社工場から6kmの距離にある牛糞堆肥を利用したバイオマス発電の施設から配管を引き、発電の際の余熱を活かした温水システムを構築。

こちらも工場内を温める年間250万kWh分の電力(同社の使用電力の38%)エネルギーの節約、そして年間11400トンものCO2削減につながっている。

実際に我々プレスはドゥカティ製(ランボルギーニと同じアウディ傘下だ)のEバイク(電動アシスト付きマウンテンバイク)に乗って、本社工場から延々と続く畑の脇のあぜ道を通り温水が流れるパイプの経路を辿ったのである。

ランボルギーニのプロダクションカーは特徴的なエグゾーストノートやパワー、そして先進的なスタイリング等の刺激に満ちている。だがその生まれ故郷であるサンタアーガタは静かな田園風景が続いているというギャップが興味深かった。

彼らが根ざしている土地を目の当たりにすると、「環境に配慮した持続可能な自動車作り」という命題もまた当然のことのように思えてくるのだった。

最先端の“循環”によって生まれるウルス

地道にCO2削減を進め、人知れず地球環境にやさしい自動車メーカーとして変化を遂げていたランボルギーニ。

その本社工場は2015年の時点ですでにCO2ニュートラル・プラントとして世界で初めてDNV GL(ノルウェー・オスロに本拠を置く第三者認証機関)の認証を受けているという。

中でも2018年から始動しているクロスオーバーSUVモデル、ウルスのための工場は最新のランボルギーニを象徴する施設といえる。ペイントの95%は水性塗料であり、また塗装工程で発生する粉塵を回収する目的で使用される水の量も削減し、エネルギー量は以前に比べ25%も減少しているという。これは排水を処理するシステムの恩恵であり、工場からは排水が出ない仕組みも完成している。

工場を視察する我々の質問を先読みしているかのように彼らのアプローチは念入りだ。粉塵が混ざった水をろ過するフィルターに関しても、以前は使い捨てだったが、現在は製造元の会社に送って洗浄することで再利用できるようになっているのだそうだ。 

自動車メーカーのサステナビリティ対策や電動化というと、その背景に“株主に対するアピール”の臭いが感じられることが少なくない。

だが実際に目の当たりにしたランボルギーニのスタンスは本気そのものだと感じられた。特にツアーの最後に訪ねたランボルギーニ・パークは、この先ずっと続いていく彼らの決意が感じられる場所だったのである(後編に続く)。

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