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“いまは脇役”トヨタ「マークX」販売終了か マークII後継で主柱を期待も時代の波に勝てず

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“いまは脇役”トヨタ「マークX」販売終了か マークII後継で主柱を期待も時代の波に勝てず

ハイブリッドやターボがあれば…トヨタマークX

後輪駆動のスポーティセダンとしてトヨタの一時代を築いた「マークX」がリストラの危機に瀕しており、2019年内に販売が終了する可能性が高いといわれています。爆発的人気を誇ったトヨタ「マークII」の後継モデルとして期待された、トヨタ「マークX」の販売が終了といわれる背景には、どのような事情があるのでしょうか。

トヨタ史上最強の「マークX GRMN」登場 楽しすぎる乗り味に思わず「こりゃ最高ですね~!」

ハイソカーとしてのジャンルを築いて爆発的な売れ行きを誇ったトヨタ「マークII」の後継車種として、マークXは2004年に登場しました。

2009年には現行型にフルモデルチェンジされ、2010年頃のマークXは1か月に2500から3000台を販売していました。

しかし、最近では積極的な改良が行われず、全盛期の1割程度の250から300台と販売状況で売れ行きが低迷しています。

マークXが販売面で苦戦した一番の理由は、パワートレインが古いことでしょう。トヨタブランドのほかのセダンモデルは、ハイブリッドやターボエンジンを加えて売れ行きを保つのに、マークXのエンジンはV型6気筒の2.5リッターと3.5リッターのノーマルタイプのみです。

同じ後輪駆動のプラットフォームを使う先代「クラウン」は、新しいパワートレインを採用していたのに、マークXは放置されました。

マークXを取り扱うトヨペット店からは、「マークXに2.5リッターエンジンをベースにしたハイブリッドが追加されれば、エコカー減税も免税になって売れ行きを伸ばせます。

しかしトヨタはカムリSAI(すでに販売終了)を売りたかったので、マークXは古いエンジンを使い続けてきました。マークXはマークIIの後継なので、本来はトヨペット店の柱になる車種ですが、今は脇役です」という自嘲気味のコメントもありました。

ところがさらに時間が経過すると、マークXのハイブリッドや2リッターターボを用意せず、自然吸気のV型6気筒2.5リッター&3.5リッターのみを搭載するクルマ造りが、むしろ個性として際立ってきました。

■スーチャー装着の最強仕様や6速MT搭載のGRMNなど個性的なモデルも

マークXの駆動方式は後輪駆動で、ボディサイズは全長が4770mm、全幅は1795mmに収まります。価格は2.5リッターの「250G」であれば、歩行者の検知も可能な緊急自動ブレーキなどを標準装着して291万6000円です。

スポーティな3.5リッターの「350RDS」は385万200円と高めですが、2.5リッターの「250RDS」であれば、ショックアブソーバーの可変機能やアルカンターラのシート生地を採用して343万4400円です。V6エンジンを搭載した後輪駆動のセダンではコンパクトで、価格も割安に抑えました。

このほか「250G・Fパッケージ」は、アルミホイールをスチール製に変更して、スマートエントリー&スタートなどを省くことで価格を265万6800円と安くしました。この仕様はレンタカーや社用車に積極的に使われています。マークXを扱うトヨペット店は、法人相手の営業力が強いこともあり、独自の市場を開拓してきました。

現行マークXが発売された時は、モデリスタからマークX「+Mスーパーチャージャー」も発売されました。

V型6気筒3.5リッターエンジンにスーパーチャージャーを装着して、最高出力は360馬力(6400回転)、最大トルクは50.8kg-m(3200回転)と強力です。3.5リッターのノーマルエンジンは318馬力・38.7kg-mなので、最大トルクは約1.3倍になります。

しかも価格は487万3000円から530万3000円なので(当時の消費税率は5%)、動力性能の大幅な向上を考えれば割安でもありました。交通機動隊の覆面パトカーにも導入されています。

さらにマークXには、TOYOTA GAZOO Racingが手掛けた「GRスポーツ」と「GRMN」も設定されました。GRスポーツは比較的軽いチューニングですが、ボディの下まわりを中心に補強を施して剛性を高め、車高を下げるサスペンションも採用しています。外観には専用のエアロパーツが備わり、ホイールのサイズは19インチに拡大されました。内装にもドレスアップを施しています。

ここまで手を加えて、価格は2.5リッターエンジンの「250S・GRスポーツ」が380万9160円、3.5リッターエンジンの「350RDS・GRスポーツ」は442万8000円です。

そしてGRMNはスポーツ性をさらに高めた仕様で、最高出力などは同じですが、専用の4本マフラーを装着してトルセン式LSD(リミテッドスリップデフ)も採用しています。トランスミッションは専用の6速MTに変更しました。ボディ剛性も高められ、サスペンションは専用にチューニングされています。

マークX GRMNは6速MTなど専用部分が多く、価格は513万円に達します。350台の限定販売で2019年1月11日より予約開始したもののすでに完売してしまい、現時点では購入することができません。

■マークXは2019年中に生産終了の可能性が高い

マークXのカタロググレードとGRスポーツは今でも購入可能ですが、販売店では「マークXは2019年中に生産を終える可能性が高い」といいます。

この背景にあるのは、2022年から2025年にかけて、トヨタの全店が全車を併売する体制に移行することです(東京都内はすでに全店が全車を扱っています)。

全店が全車を扱う時には、車種の数も絞ることになり、そこにマークXもリストラされる車種に含まれるわけです。

マークXはマークIIの後継となるために「オジサングルマ」のイメージも強いですが、やり方次第では魅力的なスポーティセダンに仕上がったと思います。ボディサイズが適度で、後輪駆動を採用しており、素性の良い運転感覚を備えていたからです。先に述べたGRスポーツやGRMNも、マークXの基本性能が優れているために成り立ちました。

過去を振り返れば、2004年にマークIIがマークXへ発展した時点で、売れ行きが下がり始めていました。

マークIIが全盛だった時代は、セダンが実用的な乗用車の基本形でしたが、1990年代にミニバンや背の高いコンパクトカーが普及を開始すると流れが変わります。セダンはミニバンなどに空間効率では対抗できず、売れ行きを下げていきます。

そこでセダンの価値が改めて問われました。セダンはミニバンに比べると背が低く、重心も下がり、後席とトランクスペースの間には隔壁があってボディ剛性を高めやすいです。

これらの要素から得られる走行安定性と乗り心地、つまり安全と快適がセダンの新しい価値です。そこに外観のカッコ良さ、運転の楽しさという付加価値も与えたのがマークXでした。

■ミニバンでは得られないセダンのメリットを問い直すクルマ

このように考えると、マークXはマークIIの単なる後継車種ではありません。安全で快適、カッコ良くて運転が楽しいという、ミニバンでは得られないセダンのメリットを問い直すクルマでもありました。

レクサスには、ミドルサイズの後輪駆動セダンとして「IS」がありますから、マークXはそのトヨタブランド版として発展させると良かったでしょう。

「今では走行性能が進化したから、後輪駆動でも前輪駆動でも関係ない」という意見もありますが、運転感覚とか楽しさでは依然として違いがあります。

そして今のセダンは、感覚とか楽しさが重要なカテゴリーになりました。従ってマークXのような後輪駆動のセダンは、今後も求められるでしょう。

トヨタには、改めてチャレンジして欲しいものです。

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