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広さ求める日本の軽やミニバンの後席が危ない! 衝突安全性能向上で見えた課題とは

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広さ求める日本の軽やミニバンの後席が危ない! 衝突安全性能向上で見えた課題とは

ホンダ軽自動車「Nシリーズ」の安全性能は、先進装備によって事故が予防されているだけではなく、衝突時の衝撃吸収性能も優れています。しかし、そんなNシリーズであっても、事故の際に弱点となるポイントがあるといいます。

さらに、それはホンダの軽自動車に限らず、ミニバンやコンパクトカーも他人事ではないのです。いったい、どういった点に注意すればよいのでしょうか。

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軽自動車やミニバン、コンパクトカーにもある衝突時の弱点とは 2019年7月18日に発表され、同年8月9日から販売が始まるホンダの軽自動車「N-WGN」と「N-WGNカスタム」は、Nシリーズの最新モデルです。

Nシリーズといえば、スーパーハイトワゴンの「N-BOX」が2018年から2019年にわたって2年連続で“日本でもっとも売れている乗用車”になるほどの大人気。そんなN-BOXと比べるとN-WGNは少し背が低く、リアドアもスライド式ではなくヒンジドアとしています。

Nシリーズの最新世代の特徴のひとつが、「Honda SENSING(ホンダセンシング)」と呼ぶ先進安全運転支援機能を標準装備することです。

安全機能としては「衝突軽減ブレーキ」をはじめ、アクセルの踏み間違いによるアクシデントを防ぐ前後方向の「誤発進抑制機能」、車線からはみ出さないようにハンドル操作をアシストする「路外逸脱抑制機能」、路肩を歩く歩行者との接触を防ぐようにハンドル操作をアシストする「歩行者事故低減ステアリング」などを搭載しています。

加えて運転をサポートする機能として、高速道路などで前を走るクルマにあわせて速度を自動的にコントロールする「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」や、車線の中央を走るようにハンドル操作をアシストする「車線維持支援システム」なども搭載。そした先進機能も人気となる理由のひとつといえるでしょう。

じつは、新型N-WGNではそうした先進機能がN-BOXやN-VANよりも強化されました。

たとえば、衝突軽減ブレーキは夜間歩行者認識性能をさらに向上しつつ、軽自動車としてだけでなくホンダとしてもはじめて、道路を横断する自転車を認識してブレーキをかける機能が追加されています。

開発エンジニアによると、夜間の性能向上は「カメラの画像を処理する能力が高まったことで実現しました」とのことです。

また、N-BOXやN-VANでは低速域になると機能がキャンセルされてしまうACCも、N-WGNでは完全停止と停止保持まで対応。つまり渋滞中でも使えるシステムへとバージョンアップされたのです。

停止保持機能に関しては、N-WGNではN-BOXやN-VANと違って電子式のパーキングブレーキが搭載されたことが採用の大きな理由です。

自車が停止してから3秒以内なら、前のクルマが発進すると自動的に発進。それ以上停止した場合は、ドライバーがアクセルを少し踏むことをきっかけに再発進する仕組みになっています。

ホンダがおこなった購入者を対象とした調査によると、2015年度にはN-BOXの購入理由で17番目だった「予防安全性能」は、2018年度には2位までアップ。50%を超える人が、N-BOXを選んだ理由として予防安全性能の充実を挙げているといいます。

予防安全技術はいうなれば「事故を起こさないための技術」ですが、事故を完全に防げるわけではありません。そこで気になってくるのが衝突時の安全性能です。軽自動車は普通車に比べて衝突時にダメージが大きくならないのか、というのも気になるところ。はたしてどうなのでしょうか。

N-BOXは車重1.5倍のクルマを相手に高い安全性能を発揮 今回は、N-BOXと同社の普通車であるハイブリッドセダン「インサイト」を正面から衝突させる実験を見ることができました。

ホンダ「N-BOX(写真右)」と「インサイト(写真左)」の衝突実験の様子 車速はそれぞれ50km/hで、相対速度は100km/h。真正面ではなく、お互いの位置を少しずらして車体の半分だけが衝突するシーン(ラップ率50%のオフセット前面衝突)を再現した衝突実験です。

じつは、こうした衝突が起きたときに問題となってくるのが両者の重量差。N-BOXに対してインサイトは約1.5倍重く、それは移動時の運動エネルギーの大きさが1.5倍大きいことを意味しています。

だから衝突時のお互いの速度が同じ50km/hでも、N-BOXはインサイトの1.5倍の衝撃を受けます。さらに車体が小さなN-BOXは、クラッシャブルゾーンと呼ばれる、乗員を守るために衝突時につぶれて衝撃を吸収する部分が大きくないので、パッケージング的に不利なことも否めません。

衝突後はどうなってしまうのでしょうか。

実験開始のサイレンが鳴った後、「ガシャーン」という鋭く大きな音を響かせて衝突したN-BOXとインサイト。まず驚いたのは、両者が停止した位置の違いでした。

インサイトに比べるとN-BOXは衝突した反動で跳ね返される量が大きく(移動距離が長く)、さらには停止するまでの回転量も大きいのが印象的です。

担当のエンジニアに尋ねてみたところ、これは「両車の重量差による違いです。軽いクルマのほうが多くのエネルギーを受けるので、跳ね飛ばされる量も、回転する運動も大きくなります」ということでした。

とはいえ、キャビンの変形については、N-BOXでも問題なく乗員がしっかり守られることが分かりました。たしかに衝突した側(運転席側)のボンネットはかなりつぶれていますが、フロントドアが車体へ食い込むことはなく、簡単に開きました。

これは居住部分の変形が抑えられていることのなによりの証明といえるでしょう。

じつは、ホンダの軽自動車はJNCAP(ジェイエヌキャップ)と呼ばれる第三者機関による衝突安全性能評価において、高評価を得ています。

2013年に先代N-WGNが軽自動車としてはじめて、最高評価となる「ファイブスター(5つ星)」を得て、2017年にはフルモデルチェンジしたN-BOXも同じ評価を獲得。新型N-WGNの評価はまだおこなわれていませんが、ホンダの社内テストでは高い性能が確認されています。

すべての軽自動車やミニバンで衝突時に注意すべきポイントとは 今回のN-BOXの衝突実験でも明らかなように、衝突に弱いイメージのある軽自動車でもしっかりと作られた車体であれば、前方向からの衝突では普通車と同レベルの安全性を持っています。

ホンダ「N-BOX」のボディ JNCAPの試験結果によると、N-BOXは横方向からの衝突に関しても普通車と遜色ありません。ホンダのNシリーズは、軽自動車だからといって衝突時の安全性が普通車よりも低いということはないのです。

ホンダは、軽自動車の衝突安全性能に関してトップを走っているといっても過言ではありません。

ただし、軽自動車には衝撃を受ける場所によってウィークポイントもあります。それは、後方からの衝撃。具体的にいえば、信号待ちや渋滞の最後尾で停止していている際に、後続車から追突されるような状況です。

昨今の軽自動車は、室内後部の広さを求めて後席が車体後方ギリギリに寄せられています。だから衝撃を吸収する空間が比較的広いセダンやワゴン、SUV(3列シート車の3列目を除く)などに比べると、後方から衝撃を受けた際に後席乗員へのダメージが大きくなります。

だから軽自動車に乗る人は命を守るために、信号待ちや渋滞最後尾で止まる際は、後ろから衝突された際のダメージが少しでも減るよう、前へ逃げられるように停車時は車両の前に広めの車間をあけ、停止後もいつも以上に後方の様子をチェックする、などの配慮をしたほうがいいでしょう。

さらにいえば、後方からの衝突に弱いのは軽自動車だけに限った話ではありません。シートが車両最後部にある3列シートミニバンやコンパクトカー、そして3列シートSUVにも同じことがいえます。

それらのクルマを運転する際には、後方からの衝突に弱く、ある程度の速度で後ろから追突されると後席の乗員が大きなダメージを受ける可能性が高いことを、頭に入れておく必要があるといえます。

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