マセラティは2024年7月1日、高級電動パワーボート「TRIDENTE(トライデンテ)」を発表しました。これによりマセラティも水上モビリティ分野への進出を果たしました。
電動推進システムの専門会社とタッグを組んで制作
トライデンテは全長10.5mで、湖や海岸での日帰りクルージングを目的としたデイボートに属します。ボートの各所のしつらえや意匠はマセラティのデザイン要素を多く取り込んだ、エレガントな仕上がりとなっています。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
搭載されるパワーユニットの最高出力600hpで、2つのスクリューを回します。駆動用バッテリーの容量は252kWh、巡航速度は25ノット(約46km/h)、最高速度は40ノット(約74km/h)に達します。専用の海洋急速充電インフラを使った場合、充電時間は1時間未満と使い勝手も良さそうです。
ちなみに、トライデンテに搭載される高性能電気推進システムと統合エコシステムの開発は、Vita Power(ヴィータパワー)が担当しました。ヴィータパワーは海洋への環境負荷低減を目指した海洋技術会社です。また、主にカーボンファイバーで構成される船体は、アメリカ・メイン州に本拠地を置く造船会社のホッジドン・ヨットが制作を担当します。
定員は10名(操縦士を含む)で、シャワーや海(または湖)に入るためのはしご、サンデッキを備えています。さらに操舵席の横に設けられたハッチから船内に入ることができます。そこにはベッド、洗面スペース、トイレが備えられています。
このように、マセラティ トライデンテは環境にも優しいエレガントなボートですが、ほかにもプレミアムカーブランドが手掛ける個性的かつ贅沢なボートが存在します。次のページではそんなボートの一部を紹介していきます。
その船体はひと目でランボルギーニとわかるスタイル
ランボルギーニは2020年6月にモーターヨット「テクノマール・フォー・ランボルギーニ 63」を発表しています。そのデザインはランボルギーニのスーパースポーツカー「シアン FKP 37」にインスパイアされたもので、リアデッキの意匠などに共通点を見出すことができます。
パワーユニットもランボルギーニらしくパワフルで、MAN V12-2000hpエンジンを2基搭載。最高速度は60ノット(約111km/h)に達します。この速さの秘密はパワフルなエンジンだけでなく、その船体にもあります。全長は約19.2mと立派ですが、カーボン素材を多用することで重量は24トンと、このクラスとしてはかなり軽量に抑えられています。
操縦席まわりはランボルギーニのスーパースポーツカーに通じるデザインとしつらえを採用。シートもまるでクルマのシートを移植したかのようです。
ちなみに外装の仕様やカラーリングはランボルギーニ車に用意されているAd Personamプログラムのようにオーナーの好みに応じたカスタマイズが可能です。インテリアは2つのバージョンが用意されています。
アバルト500とボートの融合体も登場
もうひとつ、イタリア発のおもしろいボートをご紹介しましょう。それが新型「アバルト オフショア」です。過去にはフィアット500バージョンもありましたが、そのアバルト仕様といった位置づけのモデルです。2024年6月にモナコ公国で開催された「トップ マルケス 2024」で発表されました。
船体は太陽光の下では地色に輝くというメタリックグリーンに塗装され、280psを発生するインボードハイドロジェット船外機によりクルマのアバルト500に負けず劣らずの機動力を発揮。さらに一対のRivaレーシングエキゾーストはアグレッシブなサウンドを奏でます。
船(車?)体はまさにアバルト500のフォルムそのままで、ソフトトップもアバルト500のカブリオレのように乗員の頭上を覆います。また、ダッシュボードやステアリングホイール、4点式シートベルトとウェーブショックダンパー付きスチールサポートベースを備えたベゼンゾーニスポーツシートスポーツのデザインもアバルト500シリーズを彷彿とさせるデザインとなっています。
小柄なボートですが、スイミングプラットフォームや埋込式のスチールラダー、RGB LED 付きの arminステレオ システム、4つのFusionスピーカー、ダッシュボードを共鳴板として使用するサブウーファーを備えるなど、レジャーボートらしい装備がとても充実しています。
この「アバルト オフショア」は500台限定でオーナーのもとに届けられます。
アストンマーティンが手掛けたパワフルかつエレガントなボート
少し前のモデルにはなりますが、2016年にアストンマーティンは「AM37 パワーボート」を発表しています。全長は11.3mで、最大で8名が乗船可能です。カテゴリーはマセラティ トライデンテと同じデイボートに属しますが、テーブルが設けられた船内スペースをベッドルームに変えることもできます。さらにトイレ、シャワー、エアコン、冷蔵庫、電子レンジ、コーヒーメーカーなども備えているので、1泊程度であれば快適に過ごすことができます。
パワーユニットは、標準モデル「AM37」の場合はマーキュリー社製ディーゼルエンジン(370hp)、またはガソリンエンジン(430hp)のどちらかを選択でき、最高速度は45ノット(約83.3km/h)に達します。ハイパワー版の「AM37S」も用意されており。こちらは520hpのマーキュリー社製ガソリンエンジンが搭載され、最高速度50ノット(約92.6km/h)を実現しています。
レクサスは大型クルーザーのLY680を2024年に発表
一方、日本を代表するプレミアムカーブランドのレクサスも船舶事業に積極的に取り組んでいます。最新モデルは「LY680」で、先代にあたる「LY650」の進化版です。
船体のサイズは全長20.66×全幅5.76mと、先にご紹介したデイボートよりもかなり大きく、ボートというよりもクルーザーにカテゴライズされるモデルです。船内には3部屋の客室と6名分のベッドを備え、最大乗員数は15名と大人数でのレジャーや長期間のクルージングにも対応しています。
また、先代の「LY650」よりもフライブリッジ(2階に設けられた屋外の操縦スペース)は1400mm拡大されソファやバーベキューグリルが設置されたほか、スイミングプラットフォーム(海に入ったり乗下船時に使う船体後部のデッキ)は700mm延長されるなど、レジャー性能が高められました。
インテリアは「海の真ん中で、本物を知る人が素の自分に戻れる、隠れ家のような空間」をコンセプトにしており、レクサスらしいハイクオリティなしつらえとなっています。
船体の製造を担当するのは台湾に本社を置くHorizon Groupです。同社は多くのスーパーヨットを手掛けてきたアジアトップクラスのメーカーです。エンジンは信頼性が高く多くの舟艇で採用実績があるTwin Volvo IPS 1350/1050を搭載しています。
プレミアムブランドがボットやヨットを手掛ける理由とは
このようにラグジュアリーカーやスーパーカーブランドが豪華なボートやモーターヨットを手掛ける理由として、こういった小型の船舶は高級車を買い求める富裕層の趣味趣向にマッチしていて、そういった人々からのニーズがある商品だということが挙げられます。
加えてそのブランドの高級車でハーバーに乗り付け、そのまま同じブランドのボート(またはモーターヨット)で海に出る。クルマとボートやモーターヨットの間にはそんな連続性のあるライフスタイルが富裕層には定着していて、顧客に商品を提案しやすいという側面もあります。
また、自動車メーカーが持つ内外装の仕上げなどのノウハウや、エンジンをはじめとする動力関連の技術は船舶にも活かせる分野であるなど、実はクルマと小型の船舶は製造面において通じる部分が多いのです。
今後もプレミアムブランドが手掛ける新作のボートやクルーザーが登場するはずです。次はどのブランドがどんなモデルを出すのか楽しみです。
[ アルバム : 日欧のプレミアムカーブランドのボートとクルーザー はオリジナルサイトでご覧ください ]
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