トヨタ スープラ 「圧倒的存在感のスポーツカー」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

圧倒的存在感のスポーツカー

2021.3.27

年式

2019年5月〜モデル

総評

現代に舞い戻ってきた、スープラ。それだけでも往年のクルマ好きから若い世代のクルマ好きまで、ワクワクする気持ちを与えてくれた功績は大きい。運転してみてもとても高いクオリティのスポーツカーになっているし、何より運転するだけで楽しい。スーパーGTにも参戦しているので、子供達やこれからの若い世代の方にとっても憧れのクルマになりそうなところも◯。

満足している点

誰が運転しても、ひと乗りで「すごいスポーツカーだ！」と感じられるモデル。パワーの盛り上がりととにかく切れるハンドリングは楽しいの一言。6気筒エンジンの果てしないパワー感を楽しむもよし、4気筒エンジンを使い切って楽しむもよし。足回りも硬すぎないのでグランドツーリングカーとして使いやすい点も◯。

不満な点

運転していてとても楽しいクルマだし、プロダクトとしても完成度が高い。しかし、スープラはBMW Z4とプラットフォームを共有しており、がっしりとした骨格とボディの高い剛性感、6気筒エンジンの突き抜けるパワーなど、やはりどうしても端々にBMWを感じてしまう。完全オリジナルでスポーツカーを作るのが難しい時代ではあるが、デザイン以外にもスープラらしさを感じられる部分があるともっと良かった。

デザイン

3

「Supra is Back」という文言とともに、「往年の名車、スープラが帰ってくる！」と誰もが期待していた、新型スープラ。デザインは筋肉隆々でマッシブなスポーツカーらしく、ひと目見て「スープラだ」と分かる存在感あるデザインになっている。しかし、個人的にはあまりにディテールの主張が強すぎて、シンプルにかっこいいと思えるデザインになっていないところが残念。

走行性能

5

がっしりしたボディ剛性と、パワフルなパワートレイン、そしてキレッキレのハンドリング。ドライバーに特別な技術がなくても、ちょっと運転するだけで誰もが心躍らせるドライビングフィールに魅了される。エンジンは出力違いも含めて3種類用意されており、2L直4ターボエンジンモデルは、SZ（197ps／320Nm）、SZ-R（258ps／400Nm）、3L直6ターボエンジンモデルは、RZ（387ps／500Nm）となる。もちろん6気筒モデルは最高だが、個人的にはベースグレードのSZがお気に入り。より軽やかに元気よく走らせられるモデルだと思う。

乗り心地

4

想像以上に乗り心地は良い。しっかりと足回りは引き締められているように感じるが、一度で衝撃をいなすので、フラットな乗り味が心地いい。特にベースグレードのSZは17インチタイヤを履いているため、より柔らかくて日常域でも運転しやすい。

積載性

3

2シーターのスポーツカーなので積載できる量は限られている。それでも機内持ち込みサイズのスーツケースなら2つ、大きめでも1つは入れることができるので、ちょっとした旅行なら難なくできそう。

燃費

3

燃費は12.0〜13.1km/L（WLTCモード）と、スポーツカーらしい燃費。楽しく走らせるのがメインのクルマなので燃費を気にする必要はないと思う。

価格

4

価格は、4気筒モデルが約499〜601万円、6気筒モデルが約731万円。もちろん安いとは言わないが、現代のスープラがこうやって販売されているだけで価値がある。ベースグレードのSZも十分スープラを体感して楽しめるモデルなので、グレードであまり優劣がつかないのがスープラのいいところだと思う。