トヨタ シエンタハイブリッド 「シエンタHV　X乗車記録」のユーザーレビュー

シエンタHV　X乗車記録

2015.10.12

総評

７人乗りの機会は数える程度なので、大空間より身のこなしのスマートさや、
車庫入れのしやすさなど、普段使いの良さを優先したミニバンがいい、
という方におすすめなのが、シエンタです。
スタイル、パッケージなど、旧型を全否定してのモデルチェンジにより、
お洒落な内装と、段差ゼロフロアを手に入れて快適性がアップ。
また、重めのステアリングの操作感、S字カーブでも意外と粘る足など、
運転が楽しめる要素も持ち合わせています。
一方で、燃費情報ばかりを強調した計器盤の内容や、
余力の少ない動力性能は、高速道路や山間部での使用が多い方には、
マイナスに映るかもしれません。
トータルの走行性能では、プレマシーの次元に一歩及ばないものの、
奇抜なデザインとポップな内装、そこそこの走りの良さは、
新型シエンタの美点であると言えます。

満足している点

車庫入れしやすい大きさながら、５人乗り+αの居住空間を確保し、
緊急時の７人乗りが可能である。
３列目が、先代のおまけシートから改善され、短時間乗車が可能な
広さと快適性能を確保している。
２列目の足元からレール敷きが消え、完全フラットフロアになり、
明らかに左右間アクセスがしやすくなった。
加えて、助手席の人が右側スライドドアから降りられるなど、
１・２列目席なら車内でウォークスルーが可能。
シートベルトショルダーアンカーは位置調整不可だが、
運転してみると違和感がなく、なしでも不満ない仕上がりだった。
乗用車由来のミニバンであるため、１BOX派生型のミニバンよりも
コーナリングや追い越しの性能に優れる。
体感で対カローラ比１５㎝アップのフロア高により、全方位とも
視点が高めになり、景色が楽しめる。
ボンネットの峰は、車両感覚の把握に便利。
レザー仕上げのように見えるダッシュボード上部のデザインや、
家電風のエアコン操作ダイヤルやスイッチ採用により、
運転時もくつろぎながらドライブを楽しめる。
平地でのドライブは、エンジンも含め駆動系の音が抑えられ、静か。

不満な点

シートは硬めだが、それだけでしかない。
徐々に沈み込むウレタンの採用など、連続長時間運転を
考慮したつくりになれば、さらに快適になると感じた。
ステアリングの操舵感覚はプレマシーより重く、
軽いステアリング操作を好む人にとってはマイナス。
動力性能は、あくまでも必要十分程度。
７人フル乗車での登坂は、左車線で追い越されるのを、
ひたすら耐えるしかない。
フリードHVの伸びやかで心地いい平地加速を知ってしまうと、
シエンタHVは加速感が鈍く、あくまでも燃費最優先であると
感じてしまう。やや重めのステアリングや、S字でも粘る足など、
エンジン以外の部分は意外とスポーティーであるため残念。
オーリス1.2のエンジンを与えるか、G’ｚ軍団に加えるなど、
デザインだけでなく、走りでも”スポーツバッグ”を感じさせてほしい。
どちらかといえば、”平地での普段使い”で生きる走行特性のため、
高速道路をよく利用したり、山間部での運転がメインの方には、
むしろガソリンエンジンの方がおすすめ。
ハイブリッド車はガソリン車との部品共用のため、ゲートマチックだが、
DかBかの二択しかできず、Sレンジは選べない。
計器盤中央のマルチモニターは、「月平均燃費」「燃費ランキング」など、
燃費中心の表示ばかり。しかも、キャンセル機能や非表示ができない。
走り≪燃費という公式の人はいいが、純粋に走りたいだけの人には苦痛。
計器盤両端の銀色加飾と、橙のストライプが、前方と側面のガラスに映り込む。
デザインが単調で厚ぼったくなることを避けてのことと思うが、
ライトやコンビランプから連続するブラックモールは消してほしい。
”フルカラーパッケージ”があってもよいと思う。
ハイブリッド車のサブトランク容量は、一見薄い本が入る程度だが、
トレ―全体を外せば、奥にまだ余裕があるため、
パンク修理キットの収納方法を見直す必要がある。

デザイン

-

走行性能

-

乗り心地

-

積載性

-

燃費

-

価格

-

故障経験