トヨタ GRヤリス 「「羊の皮をかぶった狼」ならぬ「狼の皮をかぶった警察犬」」のユーザーレビュー

「羊の皮をかぶった狼」ならぬ「狼の皮をかぶった警察犬」

2021.2.13

総評

小さくても迫力のある車を探している人や世間が5ドアだらけで飽き飽きしている人にはドンピシャだと思う。

リーズナブルにWRCの雰囲気を楽しめる1台でもあるかと。

満足している点

1.5L・3気筒+CVTだが中々軽快に走れる

4独になっている

クロスを除いたヤリスシリーズで唯一、電動式パーキングブレーキを採用している

軽すぎず、適度に重みのある電動パワステ

塊感のあるエクステリアと18インチホイールのデザイン

3気筒エンジンのノイジーさがいい方向に作用していて、シブいエキゾーストノイズを奏でている

剛性を最大限に確保するため、プラットフォームの前半にGA-B、後半にGA-Cを採用する芸の細かさ

元町工場の専用ラインで生産する心意気

開発段階からモリゾウ氏がタッチしている気合いの入り様

不満な点

+2とまではいかないまでも、後席の閉塞感が半端ない

サッシュレスドアゆえの風切り音が気になる

ヤリスなのにクラウンとほぼ同じ全幅、しかも2ドアなので、幅の狭い車庫では乗降が困難

4独を採用しているのはいいが、それによりサスのストロークが気になるほど乗り味が硬め

ディスプレイオーディオは要らない、邪魔

TSSがオプション設定であること

デザイン

4

エクステリアは塊感があっていいと思う。
個人的には好き。
複雑なデザインを採用しながら全長を4m以内に抑えているのに、ラインが破綻していない。

3ドアであること以外、インテリアデザインがヤリスとほぼ同じなのは残念。。

サッシュレスドアは見た目はいいが、剛性面では不利だと思うんだが何故採用したんだろう？

走行性能

4

RSはM15A-FKS型ダイナミックフォースエンジンとCVTの組み合わせのみだが、予想以上に活発な走りを披露する。

意図的にアクセル開度を多めにすると、とても1.5Lとは思えないほどダッシュ力がある。

ダイレクトシフトCVTも変なもたつきは一切なく秀逸な出来。

「ターボ+4WDまでは要らない」「手軽にWRCの雰囲気を楽しみたい」という人にはうってつけだと思うし、予算の都合でRZが買えない人でも変に気背負いせず胸を張って乗れるのではないかと。

乗り心地

3

このクラスとしては特異な225/40R18を採用していることも大きいと思うが、凹凸を拾った時の衝撃がそこそこ大きめ。

「上質」という言葉とは向こうをはる、硬派寄りな乗り味。

開発時、セリカGT-FOURを意識したらしいが、それも何となく合点がいくような気がする。

自分は嫌いじゃないが、人によっては固いと感じるだろう。

積載性

2

この車に居住性や積載性を求めるほうがナンセンスなのかもしれないが、2人乗車+適度な荷物は余裕だと思った。

とはいえ、後席がエマージェンシーレベルではないので、そこまで窮屈な思いはしなくてよさそうではある。

燃費

-

価格

4

内容を鑑みると、絶対的性能はRZの圧勝だが、バリュー・フォー・マネーはRSのほうが上だと思う。

ただ、トヨタ・セーフティ・センスがオプションなのは個人的にいただけない点。

故障経験