トヨタ bZ4X 「BEVにおけるカローラ的存在を目指す」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

3

デザイン
3
走行性能
3
乗り心地
3
積載性
5
燃費
4
価格
2

BEVにおけるカローラ的存在を目指す

2022.8.9

年式
2022年5月〜モデル
総評
GR86とBRZはトヨタとスバルで共同開発を行った。bZ4Xとソルテラの開発プロセスはさらに一歩進み、両社から開発陣を選抜してひとつの組織で作り上げたから、開発プロセスがうまくブレンドされた。乗り比べると違いは歴然。ソルテラはスバルお得意の走行性能を特化させ、トヨタは多くのユーザーに馴染む特性が与えられた。
満足している点
圧倒的な走行性能を誇るBEVが各国から発売されている。その観点からすれば、bZ4Xが目指した高い実用性能は目立たない。しかし本格的なBEVの普及を見越した際、尖った性能よりも高い実用性能を求める声が市場から高まることは容易に予想できる。実際、運転していても良い意味でBEVらしさは薄く、運転しやすい。
不満な点
bZ4Xのスバル版が「ソルテラ」だ。両車は主に外観デザインで細部が異なるもののBEVの根幹となるパワートレーン部分は同じだ。不満な点は先進安全技術で両車が異なる安全思想を持っていることだ。たとえば先進安全技術の精度を高めるドライバーモニターカメラはソルテラで選べるが、bZ4Xのリース専用車では選べない。
デザイン

3

電気自動車(BEV)だからといって奇をてらったデザインを採用するのではなく、万人受けするスタイルを選択した。流行のSUVであるため2次バッテリーを床下に敷き詰めるのも容易だ。だだし万人受けといっても空力性能には徹底してこだわった。電費性能を大きく左右するからだ。死角が少なく視界が広いから運転もしやすい。
走行性能

3

FFモデルとAWDモデルがある。FFは前輪シングルモーターで150kW。AWDは前/後輪にそれぞれ80kWのモーターを備えるツインモーター方式(合計160kW)。数値の上ではAWDが上回るが実際の加速力としてはFFでも不足なし。ただし、カーブでの安定性は重量配分の上からも圧倒的にAWDが良い。
乗り心地

3

駆動方式によらずしなやかだ。持てる電動モーターの性能を誇示すべく、アクセルを強く踏み込むと、文字通り蹴飛ばされたような強烈な加速を示すBEVもあるがbZ4Xは違う。あくまでも実用性能を第1に考えた。その分、2次バッテリーは十分な耐久性を持ち10年間、急速充電を繰り返しても劣化は少ないという。
積載性

5

実用性能を第1に考えただけあってラゲッジルームの積載能力は高い。6:4の分割可倒式のリヤシートを倒せばほぼフラットな床面が出現する。また、プラットフォームをBEV専用に開発したので車内への各部張り出しが少なく、内燃機関モデルよりも床面は低い。よって重い荷物の積載も楽に行える。ゲート操作力も軽くてすむ。
燃費

4

内燃機関は燃費だが、BEVは電費で比較される。1kWhあたり何キロ走るのか、という値だ。WLTC値ではFFで7.81km/kWh、AWDが7.46km/kWh。満充電あたりの走行距離はFF/559kmでAWDが540km。搭載する2次バッテリー容量は71.4kWhだ。クーラー&ヒーターの徹底した温度管理で性能を安定させた。
価格

2

bZ4Xはリース専用車だ。カタログによると東京都でリースする場合、77,900円/月の月額プランが示されているが、これは東京都補助金とCEV補助金が適用された際の月額。補助金が適用されない場合107,800円/月。残念ながら執筆時点、リコール対応中でリース契約の申し込みが停止されている。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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