スズキ ジムニーシエラ 「2018年式ジムニーシエラ感想文」のユーザーレビュー

ノイマイヤー ノイマイヤーさん

スズキ ジムニーシエラ

グレード:JC_4WD(MT_1.5) 2018年式

乗車形式:試乗

評価

4

走行性能
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乗り心地
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燃費
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デザイン
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積載性
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価格
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2018年式ジムニーシエラ感想文

2018.7.26

総評

ジムニーがFMCするというスクープ写真を見たとき、あまりにもGクラスに寄せ過ぎることを心配していた。

最近のスズキは他車のイメージを自社に取り込むケースが多く、安易にジムニーを「小さなメルセデスベンツGクラス」にしてしまわないかを懸念したのだ。その心配は杞憂に終わり胸を撫で下ろした。

鈴木修さんがホープ自動車から原型となる車の製造販売権を買い取った事からジムニーの歴史が始まるのだが、90年代には競合メーカーから対抗車種がマーケットに投入された。

1994年のクリスマス次期に三菱がパジェロミニを出した。ジムニーに対して更なる快適性、ファッション性を付加したモデルである。ビルトインフレーム構造で軽量に作りつつ、4WDと2WDを走行中切り替えられるイージーセレクト4WDや、20バルブターボエンジンのような高級メカニズムを採用。乗用車ムードあふれる内装に3速ATや2WD車を用意するなどした。

1998年にはダイハツがテリオスキッドを出した。これは前年に登場したテリオスをベースに軽自動車枠に合わせた派生車種であり、競合車に対して5ドアの利便性が売りだった。

当時はRVブームの真っ只中であり、軽自動車のミニバンが市民権を得て、次にクロスカントリー車の分野にも商品が投入されたのだ。

ところが、結局市場に残ったのは最もタフなジムニーだけであった。ジムニーも種々のリファインを経てかなりオンロード寄りになったとは言えども、
質実剛健たるジムニーだけが存続している事実は興味深い。普通車の世界ではパジェロやビッグホーン、サーフよりもより軟派な車種がSUVとして市場を席巻していることと対照的だと感じる。軽自動車の世界の方が何でもアリで、流行に左右され易いと考えていたからだ。

ジムニーの背後には「ジムニーでなければダメだ」
という大多数ではないが確実に存在する顧客が居てジムニーを支持し続けた。林業関係者、狩猟関係者、インフラ関係者、そして雪国で暮らす市井の人々、アウトドアや悪路走破を趣味とする人々、ファッションとしてハードなクロスカントリー車を選ぶ人々だ。

企業経営としての効率を考えるとジムニーのような車は、無駄な存在と思われても仕方ないのだが、
スズキはジムニーの存在意義をよく理解しており、
20年ぶりのフルモデルチェンジが実施されたのだ。

ディーラーで実車を見せてもらうと、私のような素人が見ても本物感がひしひしと伝わってくる。きっとスズキはジムニーが何たるかを良く理解しているのだろう。

伝統のラダーフレーム、前後リジッドサス、パートタイム式4WD、副変速機、悪路走破性を意識したディメンションは継承された。

見た目は誰がどう見てもジムニーだとわかるよいデザインだ。クロカンとしての「基本性能=どこへでも連れて行ってくれる」を満たしつつ、機能的かつファッショナブルなデザインは小気味良い。内装も四角いファッショナブルなメータークラスターやマルチメディアへの対応もこなしつつ、他車流用で質感も確保。悪路走行を意識した助手席グリップやRrアシストグリップの装備され、Rrルーフサイド部やドアトリムで覆われない板金が露出するようなところはむしろジムニーとしてはプラスだろう。

運転してみても意外なほどフレンドリーだった。これならMT初心車も運転を楽しめると感じた。全体的に穏やかでトリッキーなところも、神経質なところもなく、洗練を感じた。

高専時代の同級生(女性)が中古車のJA11系ジムニーに乗っていた。免許を取って初めてのマイカーだだったはずだ。一度運転させてもらったことがあるが、まずアクセルの重さに面食らった。ターボが効き始めると低いギア比と相まって強烈な加速Gを感じたが唐突で扱いにくい。路面の凹凸を全て拾うかのごとくハードなリーフリジッドサス、そしてリジッド結合のボディマウントはレーシングカーのよう。幹線道路でUターンしようとしたが、ステアリングが重くて汗をかいた。らくらくと運転する同級生はジムニーと一体化していた。それ以後、私はジムニーに畏敬の念を持っている。

その経験ゆえ、今回のジムニーシエラのフレンドリーさは「孤高のアーティストが急にバラエティ番組に出ちゃった級」の驚きであった。

ジムニーシエラの試乗後、見積もりを作成いただいた。
シエラの車種体系は、それぞれに5MTと4ATがあり、
上級のJC(税込192.2万円/同201.9万円)と
標準のJL(税込176.0万円/同185.7万円)がある。
もし、2トーンカラー、スズキセーフティサポート、LEDライト、本革巻きステアリングにアルミホイールなどの装備が欲しければJCになる。

価格も軽ベースと言えども、コンパクトなパーソナルカーとして考えれば初代RAV4に匹敵するお買い得な価格設定だといえる。

見積もりではJCの5MTにイエロー2トーンルーフをOPT追加し、本体が196.5万円となった。用品もカタログを見るのが楽しくなるような品揃えで、歴代ジムニーをモチーフにしたデザインの用品はスズキの巧さを感じた。私はバイザー、UVカットフィルム、ナビ、バックモニター、ETCに加え、黒いマッドフラップと「サイ」の絵が描かれたスペアタイヤカバーを選択した。私が一番刺さったのは「サイ」だった。用品合計が26.1万円。

諸費用を25.3万円を足すと、支払い総額248万円となった。

ちょっと高く着いてしまったが、グレードを見直して5MTのJL(176万円)にスズキ セーフティ サポートを追加(4.2万円)、用品26.1万円と諸費用を足しても合計231.6万円。ナビのグレードを落とす、バックモニターを諦めるなど用品を厳選して220万円くらいになるだろうか。

営業マンは納期について説明を受けた。なんでも年間生産計画1200台に対して、受注が3600台を超えており、納車が1年以上かかると言われているそうだ。歴史上最も売れたジムニー拡大版ではないだろうか。

このジムニーは「どうしてもジムニーでないと困る」人だけでなく、お洒落な面白セカンドカーとしてMTで乗るのもよし、ATを選んでシティコミューターとして乗るのも良さそうだ。悪路でなくてもコンパクトなボディや運転席からの見晴らしの良さは街乗りにも向いているし、乗り味もぐっと優しくなった。

妻が「かわいい」とすごく気に入ったようなのだが、
ベビーカーすら詰めないのは、ファミリーユースには不便だよなという結論になった。

ジムニー、ジムニーシエラは基本性能がしっかりしたクロスカントリー車でありながら、時代の要請に応じた社会性とファッション性も兼ね備え、この先の20年も良いモデルライフを全うできるのではないかと感じた。
満足している点
1.伝統のメカニズムを継承
2.初心者にも優しい運転のしやすさ
3.価格設定の安さ
不満な点
1.メーターがステアリングに被っており見えない部分がある
2.納期
デザイン

-

走行性能

-

試乗したのは普通車バージョンのシエラJC。「MTですが大丈夫ですか?」と営業マンに心配されながら乗り込んだ。ジムニーシエラの最上級グレードはツートンカラーに加え、LEDヘッドライトやクルコン、衝突軽減ブレーキが着くなど現代のトレンドにも対応している。

我が子を含めて4人乗車。プッシュ式スタートボタンで始動する。ドラポジをとると、大きなセンタートンネルを避けたペダルオフセットはランクル70で感じたそれよりも控えめだ。

ギアを1速に入れたが、レバーの長さはあるもののケーブル式の横置きとは一線を画するシフトフィールに感動。

低速指向のエンジンに、電子制御スロットルだがクラッチミートもやり易く、発進も容易。3000rpmくらいでシフトアップさせて流れに乗せるが、この手のモデルはローギアードなので多人数乗車でも走りっぷりはそれほど悪化しない。

エルティガ用を流用した1.5Lエンジンは
102ps/6000rpm、13.3kgm/4000rpmという
昔の5A-FEやGA15DEのようなスペックだ。
1070kg、非力な印象は無く、ジムニーシエラをごくごく普通に走らせる。まぁ2LのRAV4と比較すればダッシュ力は無いが、個人的にはリーズナブルだ。

計算によると100km/h時の回転数は3000rpm程度。MTのコンパクトカーとしてなら常識的な範疇だ。面白いのは5速のギア比が1.000でODではない。調べてみると1998年のモデルから既にそうなっており、燃費が気になる一般道の定常走行時に効率よく走れる。

直接走りに関係ないが、運転していてメーターがステアリングに隠れて読み取れないエリアがある点が運転中、ずっと気になった。スピードメーターとタコメーターが離れていることと、小径ハンドルが悪さをしている。スイフトも同様の欠点が有り、個人的には一番気になる。
乗り心地

-

タフさを求める故にフレーム構造を採用しているジムニーシエラだが市街地走行においてもまろやかな乗り心地が他車とは全く異質だ。強固なフレームに取り付けられたサスペンションが路面からの衝撃を受け、ボディマウントゴムが効果的にふんわりした乗り味を演出する。

かつてのクラウンがこんな感じだったのかなぁとフレーム構造のクラウンに乗ったことの無い私は想像した。

サスペンションはホーシングを良く動かすフワフワと柔らかい味付けになっており、交差点を曲がる際も大きくロールする。

普段運転しているRAV4は見た目は似ていても、ジムニーシエラとは大きく異なっている。RAV4は路面のショックもドシンとキャビンに進入し、車高の割りにはロールが小さめでキビキビしているが、ジムニーシエラの大らかな方向性の方が本格オフローダーに相応しいと思われる。

試乗コースは短いので市街地走行しか試せなかったが、飛ばさなければジムニーシエラの方が家族からの受けは良いかもしれない。(でも通勤路で楽しいのはRAV4かなと思うのも事実)
積載性

-

車体が短く、縦置きE/Gなのでラゲッジスペースは皆無。Rrシートを使用している場合、ラゲッジスペースは奥行きが不足してベビーカーの搭載は不可能。旅行用ボストンバッグも厳しそうだ。ジムニーの場合、Rrシートを倒して2名乗車(或いは3名乗車)で使うのが正解だ。

居住性としてはスクエアな車体形状の恩恵で
天井や柱が遠く感じられて広い。(シエラも含め)軽規格ゆえの車幅の狭さはドアトリムを薄くしてカバーしている。

センタークラスターに置かれたPWスイッチは
ドアトリムの簡素化だけではなく部品点数削減とRHD/LHD作り分けにも貢献している。

運転席に座ってみると、RAV4に良く似ている。(むしろRAV4が当時の本格クロカンのパッケージングを再現しているのだが)視点が高いので見晴らしが良く、フードが良く見え、扱い易いと感じる車両感覚。

後席にも座ってみたが、これもRAV4に良く似ており、Rrタイヤの間に座らせるパッケージングの為、
足を置くスペースはシートレールが邪魔になる。しかし、そもそも人を乗せることよりも優先するものがあるジムニーならこれでも許容されるだろう。

後席にチャイルドシートを取り付けたが、ISO-FIXバーがホイールハウスに近いのでチャイルドシートの着脱は指が入りにくく、私は無理やり指をねじ込んだ。ISO-FIX対応のCRSが取り付けられるならば
現代のジムニーとしては充分だろう。
燃費

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価格

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故障経験

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