スバル WRX STI 「90年代的価値観の最後のハイパワー車」のユーザーレビュー

90年代的価値観の最後のハイパワー車

2022.4.20

総評

90年代の日本車のスポーツ系モデルに憧れてクルマに興味を持つようになりましたが、やがて排ガス規制によってその多くは廃止されてしまった。その中でもWRXは時代に合った進化をしながらも、90年代当時の魅力を比較的保ったまま残ってくれていた最後のモデルだと思っており、これからも大事に乗っていきます。

満足している点

昔のインプレッサWRXを名乗っていた時代より随分質感も（お値段も）上がったが、相応に車両全体の完成度が高く、基本のデザインも好み。

BL系レガシィぐらいの車格でSTIのパワートレインを組み合わせたクルマがあったら良いのになぁ…と思っていたことが、まさに具現化されたように感じてます。

不満な点

燃費は承知の上なので不満には入らず。

完成度が高いことと背反しますが、以前のモデルよりもユーザーが自分好みにカスタムする幅が狭くなったように感じます。STIから発売されているパーツも高額で、豊富なラインナップとは言い難い。Tシャツとか時計とかよりも、S208とかS209系のパーツを一般向けに仕立て直して単品販売してくれればなぁ…と、期待しないで待ってます。

また、GR/GV系にはあったレカロシートのオプションがスポーツ系から高級路線になってしまった…。

デザイン

4

個人的にVABは後期モデルになってワイド感が増し、カッコよくなったと思います。

また、横長のヘッドライトの形状とグリルの位置関係がほんの少しだけ往年のGC系の名残を感じさせてくれるのと同時に、これもまたGC系と同様にフロントに比べてリヤのデザインがシンプル過ぎて、特にテールランプ周辺が少し寂しいような…。

走行性能

5

ハイパワー車をMTで操ることのできる愉しさは今となっては希少。

直線でもコーナーでも、一般道で常識的な運転をする限りは性能を引き出すことができないほど高く、むしろそのような手に余るレベルであること自体が所有欲を満たしてくれているように思います。

乗り心地

3

履きたいホイールの関係で車高調を装着。足の硬さは感じるものの、乗り心地が悪いとまでは思いません。純正の足回りを装着していたときも同じような感想。

この手のモデルでの乗り心地の善悪と高級車のそれとでは意味合いが違うので表現が難しいですが、最新のVB系の試乗をする限り、やはりシャシー性能は日進月歩で進化しているんだなぁとは感じます。

積載性

4

後席を倒して長物を積むこともでき、実用性は十分。もう少しグローブボックスが大きければ良いと感じます。せめて車検証・整備手帳類の一式が入るようになれば…。

燃費

3

お世辞にも良いとは言えないですが、昔ながらの価値観で言うと、まあそのくらいかなと納得できるレベル。当然、イマドキの直噴ターボとは比較にならない。

価格

4

絶対額としてはそれなりですが、デザインや質感、車体剛性の進化分を加味すれば納得の価格ではあると思います。むしろ、対向6ポッドのブレーキを標準装着したモデルが300万円台で売られることを思うと、十分お買い得という見方もできるのではないでしょうか。

故障経験

なし