スバル クロストレック 「スバル車らしいストロングハイブリッド化」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

スバル車らしいストロングハイブリッド化

2024.11.27

年式

2024年9月〜モデル

総評

これまでスバル車全般でウィークポイントであった「燃費」という項目、ここへの対策としてストロングハイブリッド化は大きく意味のあるものだ。そして単純にストロングハイブリッド化するだけでなく、スバル車らしくAWD性能も意味のあるシステムに仕上げてきているのがさすが。燃費性能はライバルに比べて特出して秀でているわけではないが、燃費性能で購入を控えるということはなくなったはずだ。

満足している点

ストロングハイブリッド化によって燃費性能が向上したが、それに伴いガソリンタンクもなんと容量拡大。長い航続距離は長距離ドライブだけでなく、日常生活においても給油の煩わしさを少なくしてくれるメリットになるはず。また、パワフルなパワーユニットは加速が楽しいと思わせてくれるし、低回転からトルクフルなモーターによって悪路走破性が進化しているのも嬉しいポイントだ。

不満な点

エンジンブレーキの効きが弱い点、そして乗り心地にやや角を感じる点が不満を感じるポイント。ストロングハイブリッドでエンジンブレーキの効きが良いモデルは少ないかもしれないが、キャラクター的にオフロードや雪道での走行を考えると、せっかくパドルシフトもあるのでしっかりと効いてほしい。また、乗り心地は今後の改良に期待したいところ。

デザイン

4

コンパクトなCセグメントハッチバックをベースとしながら、ここまでオフロードテイストの強いデザインに仕上げ、無理のない雰囲気にまとまっているのは素晴らしいと感じる。一方、追加されたストロングハイブリッドモデルは、デザイン上では大きな変更点がないので、そこは少し寂しいと感じる部分でもある。

走行性能

4

以前からあったマイルドハイブリッドでも大きな不満はなかったが、ストロングハイブリッドのパワーユニットとしてのパフォーマンスはかなり満足度が高い加速性能を見せる。ただ、エンジンブレーキが弱く感じるのはウィークポイント。ストロングハイブリッド化でAWD性能はさらに磨きがかかった印象で、低速域でもトルクフルなモーターの特性により、悪路でもよりイージーに走行できるようになった。

乗り心地

2

ストロングハイブリッド化により静粛性は向上したが、少し突き上げ感が気になる。大容量バッテリーを搭載する重量増に伴いサスペンションのセッティングを変更したとのことだが、まだ乗り心地に関しては煮詰め切れていない感触。人によっては及第点だと思うので、後部座席での乗り心地を含め、購入を検討するならば実際に試乗してみるべし。

積載性

3

ストロングハイブリッド化によってラゲッジスペースが小さくなると思っていたが、大きな影響を受けていないのは嬉しいポイントだ。ただ、もともとラゲッジスペースが広い車種ではないので、容量や広さに大きな期待はしない方がいい。このクラスとして考えると、不足は感じないが特出して秀でているとも言えない。ただ、ラゲッジスペース周りはアウトドアで使いやすそうなオプションが充実しているのが魅力。

燃費

3

燃費性能は大きく向上している。しかし、ストロングハイブリッド化によってようやくライバルたちと肩を並べたといったところだ。燃費性能に惹かれて購入するといった具合ではないが、燃費性能がネックになって購入を控えることはストロングハイブリッド化によってなくなったと言えるだろう。

価格

3

価格に関してはまだ正確なデータが出ていないが（原稿執筆時）、やや高いと感じる設定になるのではとも思う。まぁなしではないかと思う価格に落ち着きそうだが、「おぉ！バーゲンプライス！」といった驚きは期待できないだろう。