先日Yahoo知恵袋で、 欧州はガソリンエンジン撤廃と ＥＶシフトに反対して、 合成燃料に力を入れるのだ！ はははw みたいな回答をいただきましたが、

Question

さっそくポルシェが、
売れ筋マカンのガソリンモデルを
欧州市場から撤退。

さっそく話が違うのはナゼですか？
大きな切り株

Answer 1

一口に「合成燃料」と言っても、石炭などからでも作る事は出来ます（第二次大戦時のドイツの人造石油は有名）。でも、燃焼させるとCO2を排出しますからガソリンに代わって用いる意味はありません。

今さかんに言われている合成燃料は、再生可能エネルギー（水力、太陽光、風力、地熱など）で発電した電気で水を電気分解して作った水素（グリーン水素と呼ばれます）と、大気中から回収したCO2から作った燃料「e-fuel」を指します。e-fuelは燃焼してももともと大気中から回収したCO2が原料なので燃焼して排出されたCO2はもとに戻るだけ。トータルでは大気中のCO2を増やしません。

EUが2035年以降に予定している乗用車、小型商用車について化石燃料を使う内燃機関車の新車販売禁止の対象からe-fuelを燃料としたもの除外すべき、とドイツが主張して認められた事を日本では「ほら見ろ！EUのEV一辺倒が間違っている事が証明された！」などと大はしゃぎする人で溢れかえってましたが、同じ内燃機関の燃料と言ってもCO2の排出に関してはガソリンとe-fuelは全く別物、ということを全く理解していません。

先進国の殆どは再生可能エネルギーによる発電への移行に積極的です。遅れを取っているのは日本と韓国くらいです。

EUは国によっては既に発電全体の半分〜8割くらいを再生可能エネルギー発電へ移行しています。EU全体で平均しても40％を超えており、2030年には50％を超える事が確実視されています。カーボンニュートラル達成目標年度の2050年には総発電量の80〜90％は再生可能エネルギーによる発電になる見込みで、残りの10〜20％は原発ですからEUは2050年には発電部門から排出されるCO2はゼロになると予測されています。

日本は現時点で再生可能エネルギーによる発電は全体の22程度。EUの半分でしかありません。
さらに、日本は中国、インドとアメリカよりも比率は下回っています。
「石炭火力で発電した電気で走るEVなど無意味」という人が多い日本ですが、他の国はそんな事承知の上で、再生可能エネルギーによる発電を増やす事と同時並行でEVを推進しているのです。

日本は、EVを忌み嫌い、マイナスを挙げては否定する人だらけです。どうしてもEVが嫌なら嫌で、再生可能エネルギーによる発電を積極的に進め、e-fuelの製造技術の向上につとめて内燃機関を残す、というならわかりますがそれはやらない。
いつまでも「ガソリンハイブリッドこそ最強！」を繰り返すだけ。
このままだと、EVだけでなくe-fuelから取り残されそうですね。

Answer 2

合成燃料は、風力や太陽光100％で製造しないと カーボンニュートラルにならないので、直近に都市や工業地帯などの需要家がある欧州では製造できません。（もちろん日本も無理です）

製造過程でカーボンニュートラルを実現できない合成燃料は化石燃料とぶっちゃけ同じですから、欧州では罰金を払わないといけないのです。

周囲になんもないチリでプラントが稼働していますが、これをEUに輸送すればカーボンニュートラルになりませんから、結局排出権を買うことになります。
地産地消じゃないと、合成燃料は意味がないので、そこの課題がクリアされないと、日本人には関係ない燃料ですね。

Answer 3

ポルシェ社の公式発表によると、今後はEV、PHV、ガソリン(合成燃料)の3パターンを作るそうです。
マカンはEVにするパターンです。

ポルシェは合成燃料に力を入れている企業なので、たぶん10年後に合成燃料の車を市販すると思います。

https://media.porsche.com/mediakit/panamera-hybrid-models/ja/the-panamera-hybrid-models/e-fuels-outlook