ポルシェ 911 「「 最後の空冷911 」として語られる9...」のユーザーレビュー

「 最後の空冷911 」として語られる9...

2003.7.1

総評

「 最後の空冷911 」として語られる993だが空冷というメカニズム自体に
現代ではあまり意味や正当性は無いように感じている。996やボクスターは明らかに993よりスムーズで楽で速い。それはもう事実だ。しかしながらVWのType Ⅰから356、930、964、993、連綿と続いてきた空冷BOXERのRRの進化の中には明らかに哲学と意志が継承されており、また、存在してしまっている。
「 良い 」とか「 悪い 」とかではなく「 こうあるべきだ 」という主張を
またがる度に説教されるわけだ(笑)だから良くも悪くも993以前のモデルに乗るというのはガンコな友人と一緒にビジネスをしてるに似ているところがあり、何かを「 強いられる 」ことが思いのほか多い。プロかハイ・アマチュアのレーシング・ドライバーでもない限り、「 対等・それ以上 」では有り得ないだろう。しかしその代わりに提供される世界では単なる性能や快適さでは語れない実に確かな何かを感じ、また得ることが出来る。ガッチリとした手応えのあるその感触を受け入れられるか、それとも押し付けがましく感じてしまうかが分かれ目かもしれない。

ちなみにナローや964をお乗りの諸兄からすると993さえソフトに感じるかもしれないがすっかり現代の軟弱な人間・機械関係に慣れてしまった一般people（私も含めて）には993でも充分に濃厚だ。

また97年のマイナーチェンジの際にバリオラム（可変吸気システム）が搭載され、最高出力等等の数値が上がったことを知った時は正直落胆してしまったが、直に乗り比べ・比較してみたらフィーリングは明らかにバリオラム無しの前期型の方が素晴らしかった。

私はポルシェ（～993）が正しいとはあまり思っていない。スポーツカーの王道だとも考えていない。だが、人生において本当に信用・信頼するに値する友人が決して多くないのと同じようにポルシェは路上を駆ける道具としてカタチも性能も味も比類の無いものだ。積極的に人に進めたり手放しに誉めちぎることはしないが、もし縁があったのなら是非一度付き合ってみることをお勧めする。もし気に入ってしまったのなら、きっとそのオーナーの生涯の友人となることだろう。PORSCHEとはそんなクルマであり、993はそれに値するPORSCHEだと私は思う。

満足している点

当たり前の美点紹介はこの際、他の諸兄に譲るとして、多くの雑誌で語られている通りのことが94年式993カレラ6MT、9年80000kmを走った我が家の個体でもあらためて確認出来たことを報告したい。

それはポルシェは10万kmを超えても尚、新車時の性能を保有しているといった風評だ。

多少内装細部からキシむ音はするようになったものの、ハガネのボディはまったく健在。ドアの閉まりもカチンッ！と相変わらず。エンジンはレスポンスも最高出力も申し分ない。未だに最新の2L国産ターボ軍団と100km/h～ヒミツkm/hの加速勝負をしてヒケをとらないのだ。

エクステリアだが出目金カエルだった911は993で目が斜めになり、可愛いアマガエルとなった。356に比べればまだまだファットだが、ショートホイールベースでコンパクトなボディは非常にファニーで好感が持てる。私が996にピンとこないのは水冷であることよりもこのエクステリアの意匠の差によるところが大きい。ちなみにカレラＳで更に膨らんだワイドでグラマラスなリアフェンダーは正直、羨ましい。インテグラーレの16Ｖ乗りと同様の心境だ。しかし太いタイヤを履いてサーキットを爆走するのでもなければ、ビジュアル的な要素以外の使い勝手・機能面では個人的にマイナス項目の方が多いように感じた。負け惜しみもある(笑)

インテリアは歴代911とほぼ同一。メーターの意匠が良く言えばシンプル、悪く言えばかなり味気無い。だが、996やボクスター、昨今の新型車が多用している意味不明な円が重なったデザインが気持ち悪く感じる私には今や、貴重な美点の１つだ。

不満な点

※風が吹く高速上では簡単にリフトするフロント。120km/hを超えたあたりからハンドルの手応えが無くなってきてそれ以上飛ばすには相当度胸と根性が必要。リアの自動せり出し機能よりフロント・リップスポイラーが出るようにしてもらいたかった。

※鍵の材質がすごい軟弱ですぐにグニャグニャになる。テフロンオイルスプレーを定期的に鍵穴に噴霧してしのいでいるが一定期間使用後の作り替えは避けられないのが現状。

※アクセルペダルがブレーキペダルの位置よりずっと奥にあるのでつるしのままではヒール＆トゥがかなり難しい。みなさんアクセルペダルをもう1枚ペダルを張ったりしてしのいでいます。

※フロントガラスの中が白く曇り始める。本当に。まだ外側の縁から少しくらいなので我慢している。

※ナビがインダッシュで取り付け不可能。外付けしようにもインパネの高さが
高過ぎてX。よって下から怪しいステーでなんとかつけるしかない。きっと考えてなかったのだろう(笑)

※夏、都内の渋滞にハマろうものならシャレにならないくらい油温上昇。エンジンルーム内のシール温度計は150℃を軽く上回る。これではEGのヘッド・各シール部どころか補機類の寿命が短命になるのも無理は無い。12本あるプラグコードの交換や単価の高い部品の疲労は空冷3600ccEgの限界がもたらす宿命なのだろうか。。。

※サイドブレーキはほぼ信用できません。全然効きません。

※純正ハンドルの径が大きい。慣れるとそうでもないが、やはりΦ355くらいにして欲しい。交換すればいいと言われる向きもあるがエアバッグを捨ててまでは。。

デザイン

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走行性能

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乗り心地

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積載性

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燃費

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価格

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故障経験